日本ベスト8ならず、相手ディフェンスに苦しんで敗戦[FIBAアジアカップ2025]

前半の得点差を覆すことができず
FIBAアジアカップ2025(サウジアラビア・ジッダ)はグループステージを終え、ノックアウトステージに突入。現地8月12日(日本時間13日未明)、男子日本代表(FIBAランク21位)は準々決勝進出決定戦でグループA3位のレバノン(同29位)と対戦。前半はディフェンスに苦しんで11ターンオーバーを犯し、12点差で折り返し。3Q後半には15-6のランを作ったものの、差を縮めることはできず。73-97で敗れた。
日本はグループステージ初戦でシリアに逆転勝ちを収めたものの、第2戦ではイランに競り負け。第3戦となったグアム戦では#30富永啓生が20得点(3P4本)、#19西田優大が16得点(3P3本)、#2富樫勇樹が12得点(3P4本)を記録し、登録全選手が得点を挙げて102-63で勝利。50本中20本(40.0%)という3Pシュート攻勢を見せて、グループ2位を確定。本日の準々決勝進出決定戦に臨んだ。
スタメンは変わらず#7テーブス海、#18馬場雄大、#30富永啓生、#91吉井裕鷹、#24ジョシュ・ホーキンソン。日本はまず#91吉井がドリブルでゴール下に持ち込むと落ち着いてシュートを決めると、速い展開から#18馬場がレイアップで得点。対するレバノンは、#9セルジオ・エル・ダーウィッチがスピードを生かして得点につなげた。
レバノンは#30富永に対してフェイスガードを展開しボールが入らず。それでも#7テーブスが#24ホーキンソンのピックを使って3Pシュートを射抜いて9-5としたが、レバノンもアップテンポな展開から得点を重ねた。その後、#91吉井が3Pシュートを決めたが、レバノンも#9セルジオ・エル・ダーウィッチが3Pシュートを連発。逆転されると、激しいプレッシャーを受けてターンオーバーが生まれ、残り4分を切ったところで12-19となった。ここでタイムアウトを取った日本はオープンの選手にパスを入れて得点。クォーター終盤には#2富樫勇樹がフリースロー、フローターで連続得点。19-23で1Qを終えた。
2Q序盤は点の取り合いに。レバノンは#24ハイク・ギョクチャンの3Pシュート、#5アミール・サウードのレイアップなど得点のテンポを上げるが、日本も#91吉井、#24ホーキンソン、#30富永がシュートを沈める。2ポゼッション差で粘っていたが、ターンオーバーから失点が続き、残り4分半で30-40と2桁差となった。
ここでタイムアウトを取った日本は連続得点。投入された#2富樫がすぐさま3Pシュートを沈めると、#91吉井、#19西田優大も3Pシュートを成功。さらに#24ホーキンソンがフローターを決め、残り2分半で3点差に迫った。それでも、終盤にまたもターンオーバーから失点が続き、41-53でハーフタイムを迎えた。日本は#91吉井が16得点とけん引。2Pシュートは55.56%(10/18)、3Pシュートは41.67%(5/12)と高い成功率をマーク。リバウンドでも20-14と上回ったが、相手より8本多い11ターンオーバーを犯し、そこから18点を献上。速攻での得点も2-16と下回った。

レバノンの好守に苦しみ、富永はアウトサイドで自由にプレーさせてもらえなかった
巻き返したい3Qだが、トランジションから攻められて、残り8分で42-62までリードを広げられてしまった。ここで投入された#23ジャン・ローレンス・ハーパージュニアが一瞬のスピードを見せてバスケットカウントを決める。#23ハーパージュニアはさらに#24ホーキンソンへのアシストを決め、#2富樫も3Pシュートを射抜いたが、レバノンの得点を止められず。残り5分で49-75となった。
苦しむ日本だが、#24ホーキンソンがトップからドライビングレイアップを決めて3ポイントプレーを決めると流れを引き寄せる。#30富永がフリースローで得点し、#4ジェイコブス晶は3Pシュートに続いて3ポイントプレーなどで連続得点。クォーター後半5分で15-6のランを作って、64-81で3Qを終えた。
17点差を追っての4Q、日本は続けて強度の高いディフェンスを展開。レバノンのシュート成功率を下げたが、開始5分でフィールドゴールは#4ジェイコブスのレイアップのみ。67-87となった。
残り4分半、#23ハーパージュニアがプレッシャーをかけてターンオーバーを引き出すと#18馬場がそのまま速攻で得点。さらに直後のプレーで、レバノン#5アミール・サウードにアンスポーツマンライクファウルがコールされて、#18馬場がフリースロー2本を成功。残り4分で71-87とした。なおも好ディフェンスを展開したが、点差は縮まらず。残り2分から日本は#4ジェイコブス、#23ハーパージュニア、#30富永、#13金近廉、#14狩野富成とフレッシュなラインアップに。最後まで攻めたが、73-97で敗れた。
日本は#91吉井が16得点、#24ホーキンソンが15得点(9リバウンド)、#4ジェイコブスが10得点と3人が2桁得点をマーク。後半苦しい体勢で打つシーンが目立った3Pシュートは25.93%(7/27)という成功率だったが、2Pシュートは54.55%(18/33)と高い確率だった。前半11本と多かったターンオーバーは後半4本だった。差が付いたのはペイントエリアでの得点で日本が36点、レバノンが60点と24点差が付いた。
日本 73-97 レバノン
1Q 19-23
2Q 22-30
3Q 23-28
4Q 9-16
【大会総括コメント】
■トム・ホーバスヘッドコーチ
本当に悔しいです。レバノンのプレッシャーディフェンスにやられてしまいターンオーバーも多く日本本来のオフェンスリズムで戦う事が出来ませんでした。ただ若い選手たちがこのような舞台を経験出来たことはポジティブな事です。11月から始まるFIBAワールドカップ予選に必ず繋がると信じています。
■馬場雄大キャプテン
今大会は僕にとって日本代表での初キャプテンを任されていたので結果を出したかったです。 アジアでのこの負けから学ぶものは大きいと感じています。チームとして個人としても この結果を次の戦いに生かしてもっと成長していきたいと思います。
■FIBAアジアカップ2025 男子日本代表登録メンバー(所属、年齢は7月27日現在)
【スタッフ】
ヘッドコーチ: トム・ホーバス(JBA)
アシスタントコーチ: 勝久 ジェフリー(川崎ブレイブサンダース)、佐々 宜央(琉球ゴールデンキングス)、冨山 晋司(JBA)
スポーツパフォーマンスコーチ: 佐藤 晃一(JBA)、緒方 博紀(JBA)
アスレチックトレーナー: 一柳 武男(JBA)、古澤 美香(JBA)
チームドクター: 武田 秀樹(NTT東日本関東病院)
テクニカルスタッフ: 磯野 眞(長崎ヴェルカ)
チームマネージャー: 西村 拓也(JBA)
アシスタントチームマネージャー: 大木 瀬音(JBA)
サポートスタッフ: 保田 延彦(JBA)
【選手】
#2 富樫 勇樹(PG/167cm /31歳/千葉ジェッツ)
#4 ジェイコブス 晶(SF/203cm/21歳/フォーダム大)
#7 テーブス 海(PG/188cm/26歳/アルバルク東京)
#13 金近 廉(SF/196cm/22歳/千葉ジェッツ)
#14 狩野 富成(C/206cm/23歳/サンロッカーズ渋谷)
#18 馬場 雄大(SF/196cm/29歳/ –=co-キャプテン)
#19 西田 優大(SG/190cm/26歳/シーホース三河)
#23 ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/181cm/22歳/サンロッカーズ渋谷)
#24 ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/30歳/サンロッカーズ渋谷=co-キャプテン)
#30 富永 啓生(SG/188cm/24歳/レバンガ北海道)
#91 吉井 裕鷹(SF/196cm/27歳/三遠ネオフェニックス)
#99 川真田 紘也(C/204cm/27歳/長崎ヴェルカ)
【リザーブ選手】#20 山﨑 一渉(SF/200cm/22歳/ノーザン・コロラド大)
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
【FIBAアジアカップ2025】
開催期間 : 8月5日 (火) ~ 8月17日 (日)
開催地 : サウジアラビア・ジッダ
日本戦スケジュール : (※TIPOFF時間はいずれも予定)
・8月6日 (水) 99-68 シリア
【放送・配信】日本テレビ、DAZN、TVer
・8月8日 (金) 70-78 イラン
【放送・配信】テレビ朝日、DAZN、ABEMA
・8月10日 (日) 102-63 グアム
【放送・配信】テレビ朝日、DAZN、ABEMA
・8月12日 (火) 73-97 レバノン
【放送・配信】テレビ朝日、DAZN、ABEMA
大会公式サイト (日本語) : https://www.fiba.basketball/ja/events/fiba-asiacup-2025
