月刊バスケットボール10月号

ホーバスHC「40%は素晴らしいが3Pを打ちすぎ」 富樫「もっとリムアタックも必要」グアム戦後会見 [FIBAアジアカップ2025]

ホーバスHC「バランス改善が必要」に富樫も同調


FIBAアジアカップ2025(サウジアラビア・ジッダ)、男子日本代表は8月10日、グループB最終戦でグアム(同88位)と対戦。前半11/28(38.29%)と3Pシュートが好調に決まりリードを奪うと、後半も勢いを落とすことなくプレーし、102-63で勝利。グループ2位通過を決めた。

スタメンは#7テーブス海、#18馬場雄大、#30富永啓生、#91吉井裕鷹、#24ジョシュ・ホーキンソン。#30富永の先制3Pを皮切りに、#18馬場、#2富樫勇樹らも次々とアウトサイドから射抜き、1Qを27-15とすると、2Qも好調を維持。富永と#19西田優大がそれぞれ3本ずつの3Pシュートを沈め、52-33で折り返した。後半もアップテンポな展開から得点を重ね、3Q終了時点で78-52と突き放し、最終的には全員得点での白星となった。#30富永が20得点(3P4本)、#19西田が16得点(3P3本)、#2富樫が12得点(3P4本)を記録。チーム全体では3Pシュート20/50(40.0%)と高確率を維持した。

試合後の記者会見でトム・ホーバスHCは、「イランに敗れ少し落ち込んでいた中で今日を迎え、立て直すためにも良い勝利が必要でした。序盤から集中して入れました。グアムはポイントガードの(ジェリコ・)クルーズを欠いた状態で戦力はかなり落ちていました。この1年で3度目の対戦でしたが、彼らはいつも我々を苦しめてきました。20点リードしても、彼らは追いついてきます。だから3Q、力強く入ってリードを広げられたことは、本当にうれしかったです。(準々決勝進出決定戦に進むため)1試合多く戦わなければなりません。リードを広げたことでベンチメンバーを起用でき、スターターに少し休みを与えられたことは重要なことです」と試合を振り返った。

しかし、快勝という点差ではあるが、満足はしていない。「3Pシュートを多く打ちすぎました。成功率40%は素晴らしいです。しかし、オフェンスのバランスは我々が理想とする形とは少し違っていました」とも指摘。イラン戦ではペイント内得点が16点(2P成功率37.5%)に留まったことを踏まえ、外一辺倒になるのではなく、リムアタックを増やしフリースロー獲得にもつなげていく必要性を示唆した。



そして12得点を挙げたNo.2富樫は、「今日は50本も3Pシュートを打って、20本決められました。ハーフタイムでも打ちすぎと言われていましたが、決まってもいました。それでも、もう少しバランスを取って、リムにアタックしたり、フリースローをもらうことも必要だと思います」と指揮官の意見に同調した。


「リムにアタックしたり、フリースローをもらうことも必要」と指揮官の言葉に同調した富樫

またホーバスHCはコート外でのリーダーシップにも言及。「ジョシュ(ホーキンソン、#18馬場とダブルキャプテン)は少しずつ発言するようになってきており、それはチームにとって重要です。彼自身が選手として、そして人として、さらに良くなる助けにもなると思っています。もう少し心を開いて、チームメイトに対してもう少し厳しくなること。彼はとてもいい人ですが、キャプテンであり、リーダーシップを発揮する立場にいるときは、常にいい人でいられるわけではありません。彼はその点にも取り組んでいます」とコメントした。
取り組みについては7月27日の会見で、ホーキンソン自身が「ホーバスHCから『基本的にお人よしだが、時には意地悪くなる必要がある』と言われている。頑張っているが少し苦戦している」と率直に語っている。

グループステージを2位で通過した日本代表は、1日の休養日を経て8月12日、準々決勝進出を懸けた重要な一戦に臨む。対戦するグループA3位のレバノンは、前回大会MVPで得点王にも輝いたエースのワエル・アラクジを欠く厳しい布陣だ(FIBAから健康面での最終承認が得られず、出場を断念)。それもあって韓国戦では#1オマール・ジャマレディン(川崎)がチームトップの15得点、カタール戦では#11デドリック・ローソンが12得点7リバウンド、オーストラリア戦では#23ユセフ・ハヤットが22得点を記録するなど、試合ごとに活躍する選手が異なる。特筆すべきは、レバノン代表が200cm超の選手を5名擁する点。この高さはリバウンド争いで大きな脅威となることが予想される。

記者会見で次戦に向けて聞かれたホーバスHCは「ここから先の相手はより強くなります。どうすれば我々がもっと良くなれるか、そして、もう一つ勝利を掴めるかを考えて臨みたいと思います」と答えている。チームはこの勝利で得た自信と修正点を携え、ノックアウトステージへと挑む。






■FIBAアジアカップ2025 男子日本代表登録メンバー(所属、年齢は7月27日現在)

【スタッフ】
ヘッドコーチ: トム・ホーバス(JBA)
アシスタントコーチ: 勝久 ジェフリー(川崎ブレイブサンダース)、佐々 宜央(琉球ゴールデンキングス)、冨山 晋司(JBA)
スポーツパフォーマンスコーチ: 佐藤 晃一(JBA)、緒方 博紀(JBA)
アスレチックトレーナー: 一柳 武男(JBA)、古澤 美香(JBA)
チームドクター: 武田 秀樹(NTT東日本関東病院)
テクニカルスタッフ: 磯野 眞(長崎ヴェルカ)
チームマネージャー: 西村 拓也(JBA)
アシスタントチームマネージャー: 大木 瀬音(JBA)
サポートスタッフ: 保田 延彦(JBA)

【選手】
#2 富樫 勇樹(PG/167cm /31歳/千葉ジェッツ)
#4 ジェイコブス 晶(SF/203cm/21歳/フォーダム大)
#7 テーブス 海(PG/188cm/26歳/アルバルク東京)
#13 金近 廉(SF/196cm/22歳/千葉ジェッツ)
#14 狩野 富成(C/206cm/23歳/サンロッカーズ渋谷)
#18 馬場 雄大(SF/196cm/29歳/ –=co-キャプテン)
#19 西田 優大(SG/190cm/26歳/シーホース三河)
#23 ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/181cm/22歳/サンロッカーズ渋谷)
#24 ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/30歳/サンロッカーズ渋谷=co-キャプテン)
#30 富永 啓生(SG/188cm/24歳/レバンガ北海道)
#91 吉井 裕鷹(SF/196cm/27歳/三遠ネオフェニックス)
#99 川真田 紘也(C/204cm/27歳/長崎ヴェルカ)
【リザーブ選手】#20 山﨑 一渉(SF/200cm/22歳/ノーザン・コロラド大)
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター

【FIBAアジアカップ2025】
開催期間 : 8月5日 (火) ~ 8月17日 (日)
開催地 : サウジアラビア・ジッダ
日本戦スケジュール : (※TIPOFF時間はいずれも予定)
・8月6日 (水) 99-68 シリア
【放送・配信】日本テレビ、DAZN、TVer

・8月8日 (金) 70-78 イラン
【放送・配信】テレビ朝日、DAZN、ABEMA

・8月10日 (日) 102-63 グアム
【放送・配信】テレビ朝日、DAZN、ABEMA

・8月12日(火)vs.レバノン 25:00 TIPOFF
【放送・配信】テレビ朝日、DAZN、ABEMA


大会公式サイト (日本語) : https://www.fiba.basketball/ja/events/fiba-asiacup-2025





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