男子日本代表ホーバスHC「正しくプレーできれば勝てる」、初戦逆転勝利でイラン戦へ手応え[FIBAアジアカップ2025]

ホーバスHC「イラン戦は大きな挑戦になる」
8月6日、男子日本代表(FIBAランキング21位)はFIBAアジアカップ2025初戦でシリア(同71位)と対戦。前半は32-41と9点のビハインドを背負ったが、後半に流れをつかんで99-68で逆転勝利。トム・ホーバスHCは試合後の会見で「正しいやり方でプレーすれば、どんな相手にも勝つチャンスがあると分かった」と手応えを語った。
【動画】日本対シリアハイライトをチェック
立ち上がり、9-0といいスタートを切ったにもかかわらず、ミスを重ねて失速して32-41で2Qを終了。3Pシュートは22.22%(4/18)と低調となり、ターンオーバーは相手より5本多い8本。そこから11得点を献上するなど苦しんだ前半だった。それでも、後半開始早々に流れは大きく変わった。起爆剤となったのが#91吉井裕鷹で、3Pシュートと速攻での連続得点に加え、ディフェンスではプレッシャーを強めてターンオーバーを誘発。わずか1分半で1点差に詰め寄ると、チーム全体のディフェンス強度がアップし、“走るバスケ”を取り戻していった。
ホーバスHCはその3Qについて、「ディフェンスでプレッシャーを強めました。ヨシ(吉井)のエネルギーレベルは素晴らしかったですね。彼が試合に影響を与えるのを見られて良かったです」とたたえると、「ディフェンスで相手を止め、スティールをし始めると、試合のペースも流れも変わりました。そして我々が最も得意とすること、つまり走ること、トランジションで得点すること、という流れにすぐ戻ることができました」と続けた。
「正しいやり方でプレーすれば、どんな相手にも勝つチャンスがあると分かった試合でした。どんな相手にも勝てるチャンスがある。それがこの試合から得た教訓です」とホーバスHC。“正しいやり方”とは、言うまでもなく激しいディフェンスと速い展開、選手間の連動性を前提とした日本のスタイルだ。シリア戦の後半、このスタイルを体現できたことが収穫だったというわけだ。
対戦したシリアのジョセフ・アンソニー・スティービングHCも会見で後半に言及。「日本の後半は素晴らしかったです。我々は前半、特に2Qは本当に良いプレーができました。ただ、3Qの出だし4、5分、冷静さを失って簡単な得点を与えてしまいました」と日本のプレーをたたえた。
逆転勝利を果たしたとはいえ、富樫勇樹、馬場雄大、富永啓生はこの試合が3試合目という段階で、チームの完成度は高いとは言い難い。それでも、「このチームが本当に好きですし、持っている選択肢も気に入っています。いくつかのポジションをこなせる選手が何人かいたことは過去にありませんでした。それが少し楽しくさせてくれていますね。今日はビッグラインナップでいって、ジョシュ(ホーキンソン)を4番(PF)で起用しました。これは今まであまりやってこなかったことですが、彼はアウトサイドからのシュートが絶好調ですし、ビッグマンの川真田(紘也)も非常に良く、ステップアップして良いプレーをしています」とホーバスHCはチームのポテンシャルは高いと言及している。
次戦は8月8日、難敵イラン(同28位)との対戦が待つ。「イランは歴史あるチームで長らく戦力を保っています。高い身体能力を持つ若手も加わっていますし、頼れるベテランもいます。我々はスカウティングもしていますし、対策も立てています。それでも、今のチームにとって重要なのは、自分たちのプレーに集中することです。我々が犯したミスをいくつか修正しないといけません。そういう意味でイラン戦は大きな挑戦になるでしょう」とホーバスHC。一つひとつの積み重ねが、アジア制覇、そして世界との戦いに向けた確かな道となる。“正しいやり方でのプレー”を見せられるか、イラン戦に注目したい。

ホーバスHCは相手エース、ケロン・メリーク・デシールズに対する馬場雄大のディフェンスもたたえた
■FIBAアジアカップ2025 男子日本代表登録メンバー(所属、年齢は7月27日現在)
【スタッフ】
ヘッドコーチ: トム・ホーバス(JBA)
アシスタントコーチ: 勝久 ジェフリー(川崎ブレイブサンダース)、佐々 宜央(琉球ゴールデンキングス)、冨山 晋司(JBA)
スポーツパフォーマンスコーチ: 佐藤 晃一(JBA)、緒方 博紀(JBA)
アスレチックトレーナー: 一柳 武男(JBA)、古澤 美香(JBA)
チームドクター: 武田 秀樹(NTT東日本関東病院)
テクニカルスタッフ: 磯野 眞(長崎ヴェルカ)
チームマネージャー: 西村 拓也(JBA)
アシスタントチームマネージャー: 大木 瀬音(JBA)
サポートスタッフ: 保田 延彦(JBA)
【選手】
#2 富樫 勇樹(PG/167cm /31歳/千葉ジェッツ)
#4 ジェイコブス 晶(SF/203cm/21歳/フォーダム大)
#7 テーブス 海(PG/188cm/26歳/アルバルク東京)
#13 金近 廉(SF/196cm/22歳/千葉ジェッツ)
#14 狩野 富成(C/206cm/23歳/サンロッカーズ渋谷)
#18 馬場 雄大(SF/196cm/29歳/ –=co-キャプテン)
#19 西田 優大(SG/190cm/26歳/シーホース三河)
#23 ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(PG/181cm/22歳/サンロッカーズ渋谷)
#24 ジョシュ・ホーキンソン(C/PF/208cm/30歳/サンロッカーズ渋谷=co-キャプテン)
#30 富永 啓生(SG/188cm/24歳/レバンガ北海道)
#91 吉井 裕鷹(SF/196cm/27歳/三遠ネオフェニックス)
#99 川真田 紘也(C/204cm/27歳/長崎ヴェルカ)
【リザーブ選手】#20 山﨑 一渉(SF/200cm/22歳/ノーザン・コロラド大)
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
【FIBAアジアカップ2025】
開催期間 : 8月5日 (火) ~ 8月17日 (日)
開催地 : サウジアラビア・ジッダ
日本戦スケジュール : (※TIPOFF時間はいずれも予定)
・8月6日 (水) 99-68 シリア
【放送・配信】日本テレビ、DAZN、TVer
・8月8日 (金) vs. イラン 20:10 TIPOFF
【放送・配信】テレビ朝日、DAZN、ABEMA
・8月10日 (日) vs. グアム 20:10 TIPOFF
【放送・配信】テレビ朝日、DAZN、ABEMA
大会公式サイト (日本語) : https://www.fiba.basketball/ja/events/fiba-asiacup-2025
