オンボールディフェンス、2線の守り方など取り組みがガチのAKBバスケ部

バスケ経験のあるメンバーが中心になり結成された「AKBバスケ部」。その活動の模様はYouTube『AKBの素を出すちゃんねる』で見ることができ、部員にはバスケ未経験者が多いため秋山や新井が教えることも多い内容となっている(AKB素を出すちゃんねる AKBバスケ部の活動はこちら https://x.gd/mSbbN )。注目すべきは、ドリブル、レイアップシュートといったオフェンスだけでなく、オンボールディフェンスのハンドワーク、スライドステップ、2線の守り方などディフェンスまでガチに取り組んでいること。グループが今年20周年を迎えることも含めて、気になることをいろいろと聞いた。
AKB48に入るまでは
――今回はAKBバスケ部の秋山由奈(あきやま・ゆな)さん、新井彩永(あらい・さえ)さん、八木愛月(やぎ・あづき)さんにご登場いただきます。皆さん18期生で、2023年4月にデビューされていますが、それぞれAKB48に入ったきっかけなど、自己紹介をお願いします。
秋山 私は小3から高1までずっとバスケをしていて、“体育館が友だち”だったのでほとんどアイドルのことは知りませんでした。それでもAKB48のことはテレビで見ていて、『根も葉もRumor』(2021年)がリリースされたときは『アイドルがこんなにすごいダンスを踊るんだ』と思いましたし、コロナ禍のときはYouTubeで配信されているAKB48の『振りコピSounds good!〜OUC48サビ振付講座〜」を見たりしていて、『やっぱりAKB48はいいな』と思っていたときに母からオーディションがあることを聞きました。進路なども結構決めていたのですが、人前に立ってパフォーマンスをしたり、話をしたり、人を笑顔にしたりすることが好きなので、『挑戦しなかったら後悔する』と思ってオーディションを受けました。
新井 私は中高6年間バスケをしていましたが、小さい頃からアイドルが好きで、高校生になってからはオーディションを受けるかどうか迷っていました。そんなときにAKB48の劇場公演『ただいま恋愛中』を見て、『このステージに立ちたい』と強く思うようになりオーディションを受けました。
八木 最初にAKB48のことを知ったのは、テレビの歌番組で『ヘビーローテーション』(2010年)を見たときです。一目惚れして、憧れの存在になりました。その後、高校生のときに『元カレです』(2022年)でセンターの本田仁美(2024年卒業)さんのダンスを見て『AKB48ってダンスもすごいんだ』と思い、あらためて好きになりました。当時は進路に悩んでいたのですが、『今、自分が一番好きなことは何だろう?』と考えたときにAKB48のことが頭に浮かび、ちょうどオーディションのサイトを見つけて、ポチッと応募しました。
――皆さん、アイドルになって2年がすぎ3年目に入られました。活動のなかで、どんなことにやりがいを感じていますか?
秋山 MV撮影やフェスなどへも参加させていただくことが多くなりましたが、なかでも大好きなのは劇場公演に出演すること。ファンの方に近くで私たちのパフォーマンスを見ていただけて、より私たちのことを知っていただける場所です。ファンの皆さんが盛り上がって楽しんでくださっているのを見るのがすごく嬉しくて『楽しい場所だな』と思いますし、今はAKBバスケ部が始まって、体を動かすことがとにかく昔から大好きだったので、こうした活動もできているのもすごく嬉しいです。
新井 アイドルになったなと実感するのがコンサートで、ペンライトがいっぱいの景色をステージから初めて見たときは鳥肌が立つぐらい感動して、『こんなにたくさんの方が来てくださるアイドルになれた』ということがすごく嬉しかったです。最近では『AKB48 18期生昇格記念LIVE!~青い空には 雲はひとつもない~』をさせていただいて、たくさんの方がコールなどで盛り上がってくださったのが本当に嬉しくて、そのときも『アイドルになったんだな』と実感しました。自分たちのパフォーマンスで喜んでくださる方がいるということがすごく力になっていて、コンサートは活動のなかでも特に達成感のあるものとなっています。
八木 AKB48に入って『今までの人生で、こんなに涙を流しながら一生懸命になって頑張ったことがない』というくらいコンサートや劇場公演のためのレッスンに打ち込んできました。自分でも『こんな私がいたんだ』という発見がありました。たくさんのファンの方を笑顔にできるこの仕事が本当に楽しいですし、AKB48メンバーとして活動できていること自体が本当に幸せです。

“体育館が友だち”だったと語る秋山さん
負けず嫌いで一生懸命なメンバーが
――ここからはAKBバスケ部についてお伺いします。どのような経緯で企画がスタートしたのですか?
秋山 アンケートなどで好きなことややりたいことを聞かれたとき、常に「バスケが好きです」「バスケをやってみたいです」と伝えていたら、「メンバーでバスケをやってみるのはどう?」と提案されてスタートしました。
――秋山さんと新井さんはバスケ経験者とのことですが、始めたきっかけや得意だったプレーなどを教えてください。
秋山 体を動かすことが大好きで、もともと水泳をしていましたが『プラスして何か新しく始めてみたい』と思い、母がバスケ経験者だったこともあり、小3の5月ぐらいに双子の妹と一緒に近くにあったミニバスチームの体験に行きました。楽しすぎて、すぐに妹と一緒にチームに入り、そこから高1までは本当にバスケ漬け。ほぼ毎日練習していましたし、父が家にゴールを作ってくれたので、家に帰ってからも妹と1on1をしていました。ポジションはスモールフォワードで、外から3Pシュートを打ったり、中に切り込んでセンターにパスを出したりするのが得意でした。また、練習後は必ずシュート練をしていて、「100本入るまで帰らない」とかストイックに練習していました。今は10歳下の妹がクラブでバスケをやっています。
新井 中学のとき、何か部活に入らなければいけなくて、運動が好きだったので、いくつか体験入部した中からバスケが楽しかったので始めました。ポジションはフォワードで、ドリブルはそれほど得意ではなかったですがスピードはあったので、それを生かしてドライブインしたり、あとは3Pシュートを打ったりしていました。選手の動画を見るのも好きで、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)の独特のリズム感でのステップをまねたりしていました。
秋山 私も富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)のガードとしてのプレーをまねしたりもしていました。ほかにステフィン・カリー選手(ゴールデンステート・ウォリアーズ)の神様みたいなプレー集を見るのも好きで、1~2時間があっという間に過ぎてしまいます。
――八木さんは、中学はテニス部、高校はダンス部ということですが、それぞれ始めたきっかけなどを教えてください。
八木 小さいときは、よく父と遊びでバドミントンをしていたので、ラケットを使ったスポーツに興味はありました。あるとき、おばあちゃんがテレビでテニスを見ながら「あづちゃんがテニスできるようになったらカッコいいな」と言ってきたので、『おばあちゃんに試合で勝つところを見てもらおう』と思って硬式テニス部に入りました。高校でも続けるつもりでしたが、入学した高校に硬式テニス部がなかったのでダンス部に入部しました。
――テニス、ダンスといろいろなスポーツをしてきたからか、AKBバスケ部でもオフェンス、ディフェンスとも積極的ですよね。
八木 バスケはめっちゃ面白いです。本当に0から始まったので、できないことだらけだったのがちょっとずつできるようになっていく過程がすごく楽しいです。回を重ねるごとに自分が動けるようになっていくのがわかりますし、サエ(新井)にも「上手だね」と言ってもらえて、すごく楽しいです。
――AKBバスケ部では、お決まりのおふざけを適度に挟みつつ、いざ練習となるとシュートやドリブル、パスだけなく、ディフェンスのサイドステップ、2線の守り方など内容が本格的でビックリしています。
秋山 新井 メニューは二人で考えています。
――経験者の二人が指導の際に指摘するポイントも細かいですよね。
八木 厳しいです。
秋山 部活なので! メンバーのほとんどが同期(18期)なので何でも言えますし、負けず嫌いで一生懸命なメンバーが集まっているのでバスケに熱中してくれていて教えがいがあります。だから厳しくやりたくなっちゃうんです。
新井 私自身、ディフェンスが好きということもあります。部活でやっていたときにオフェンスよりもディフェンスの醍醐味に目覚めたというか。当時はチームメイトに「サエ、ディフェンスうまいね」と言われることが嬉しかったので、『もしかしてAKBバスケ部のメンバーにもそういうタイプの子がいるかも』と思っています。「ディフェンスは自信持ってできます」というメンバーが出てきてくれるとうれしいですね。
秋山 私も相手の動きを予測するのが得意なので、ディフェンスが一番自信あります。小学生のときはよくオフェンスファウルを取ってコーチに褒められていました。

新井さんは“ディフェンスに目覚めた”!!
――だからディフェンスにこだわりがあるんですね。月刊バスケットボールの読者は中高の部活生が多いのですが、「これを聞いて部活を頑張ってほしい」というAKB48の曲を教えてください。
秋山 『初日』(2009年)、『チーム坂』(2014年)、『365日の紙飛行機』(2015年)です。どれも『みんなで目指していくぞ』という気持ちになると思います。
新井 『チャンスの順番』(2011年)です。努力して頑張っている部活生には絶対に刺さる曲なので、試合前などに聞いてほしいです。
八木 『前しか向かねえ』(2014年)です。ただひたすらに、がむしゃらに前を見て頑張ろうという歌詞で、勇気が出る楽曲になっています。
あらためてOGのすごさを感じた
――楽曲というと、今年はAKB48が20周年を迎え、記念シングル『Oh my pumpkin!』(my pumpkinはスラングで「愛する人」「愛しい人」の意)が8月13日にリリースされます。
新井 20周年イヤーアニバーサリーソングということで、歌詞にも振付にも歴代楽曲のいろいろな要素が散りばめられている王道ど真ん中のザ・アイドル夏ソングです。今回は現役11人、レジェンドOG4人、海外姉妹グループ7人の計22人が集結するなど、時間と国境を超越した選抜メンバーになっています。
――八木さんと秋山さんは過去3作でも選抜入りされていましたが、新井さんは今回が初選抜となりました。
新井 加入してからずっと選抜に入ることを目指していましたが、大切で特別なタイミングで初めて選抜に選んでいただけたのはすごく嬉しいです。
――アニバーサリーソングのことがリアルタイムで世界に発信されたときは、得意の英語を生かして世界のファンに向けて挨拶されていました。
新井 海外姉妹グループのメンバーがシングルに参加するのはAKB48 20年の歴史でも初めてで、彼女たちとのコミュニケーションという点でも英語という武器が生かせると思っています。頑張りたいです。
――新井さんは海外での生活経験がないのに英検の準一級を持っているんですよね。
新井 高1のときに取りました。テキストで学ぶというよりは、英語の本を読んだり、ハリーポッターの映画を字幕がないまま見たり、英語の曲を聴いたり。自分の好きな作品を見たり聞いたりして覚えると吸収が早いと思います。
――八木さん、秋山さんは4作目の選抜です。OG(前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、指原莉乃)との共演はどうでしたか?
八木 新曲の振り入れ時、みんながちょっとわからない感じになっていたところ、たかみな(髙橋みなみ)さんが読み取って、先生に「これはどっちにします?」と曖昧な部分を明確にしてくださったことがあったり、たかみなさんがしゃべっていたら、自然とみんながたかみなさんを囲っていたりと、『人をまとめるというのは、こういうことなんだな』ということを、この期間でたくさん見せていただきました。
秋山 私たちが小さいときに見ていたAKB48メンバーのみなさんと間近でご一緒できて感動しましたし、『以前も、こういう感じで会話をしていたんだろうな』という雰囲気を感じることができました。前田さんが何か言ったあとに、たかみなさんがそれをまとめる感じで話していて、それに対し指原さんが「にゃんにゃん(小嶋)さん、大丈夫ですか?」と突っ込んでいたりして、場を盛り上げてくださっていました。指原さんは、場がどんなに静まっていても笑いに変える面白さがあるだけでなく、私たち現役メンバーのことを考えてアドバイスをしてくださったり気にかけてくださったりする優しいところもあり、あらためてOGのみなさんのすごさを実感しました。

バスケが“少しずつできるようになった”と語る八木さん、アイドルとしても成長を重ねている
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Profile

秋山由奈(あきやま・ゆな)
2005年12月12日生まれ/千葉県出身

新井彩永(あらい・さえ)
2005年10月5日生まれ/東京都出身

八木愛月(やぎ・あづき)
2005年3月22日生まれ/東京都出身
New Release

8月13日(水)リリース66枚目シングル「Oh my pumpkin!」をはじめ、20周年イヤーの情報はこちらをご覧ください 。
〈AKB48 20周年イヤー特設ページ〉
https://www.akb48.co.jp/lp/akb48_20thyear/

AKB48に入るまでは
体育館が友だちでした(秋山)
――今回はAKBバスケ部の秋山由奈(あきやま・ゆな)さん、新井彩永(あらい・さえ)さん、八木愛月(やぎ・あづき)さんにご登場いただきます。皆さん18期生で、2023年4月にデビューされていますが、それぞれAKB48に入ったきっかけなど、自己紹介をお願いします。
秋山 私は小3から高1までずっとバスケをしていて、“体育館が友だち”だったのでほとんどアイドルのことは知りませんでした。それでもAKB48のことはテレビで見ていて、『根も葉もRumor』(2021年)がリリースされたときは『アイドルがこんなにすごいダンスを踊るんだ』と思いましたし、コロナ禍のときはYouTubeで配信されているAKB48の『振りコピSounds good!〜OUC48サビ振付講座〜」を見たりしていて、『やっぱりAKB48はいいな』と思っていたときに母からオーディションがあることを聞きました。進路なども結構決めていたのですが、人前に立ってパフォーマンスをしたり、話をしたり、人を笑顔にしたりすることが好きなので、『挑戦しなかったら後悔する』と思ってオーディションを受けました。
新井 私は中高6年間バスケをしていましたが、小さい頃からアイドルが好きで、高校生になってからはオーディションを受けるかどうか迷っていました。そんなときにAKB48の劇場公演『ただいま恋愛中』を見て、『このステージに立ちたい』と強く思うようになりオーディションを受けました。
八木 最初にAKB48のことを知ったのは、テレビの歌番組で『ヘビーローテーション』(2010年)を見たときです。一目惚れして、憧れの存在になりました。その後、高校生のときに『元カレです』(2022年)でセンターの本田仁美(2024年卒業)さんのダンスを見て『AKB48ってダンスもすごいんだ』と思い、あらためて好きになりました。当時は進路に悩んでいたのですが、『今、自分が一番好きなことは何だろう?』と考えたときにAKB48のことが頭に浮かび、ちょうどオーディションのサイトを見つけて、ポチッと応募しました。
――皆さん、アイドルになって2年がすぎ3年目に入られました。活動のなかで、どんなことにやりがいを感じていますか?
秋山 MV撮影やフェスなどへも参加させていただくことが多くなりましたが、なかでも大好きなのは劇場公演に出演すること。ファンの方に近くで私たちのパフォーマンスを見ていただけて、より私たちのことを知っていただける場所です。ファンの皆さんが盛り上がって楽しんでくださっているのを見るのがすごく嬉しくて『楽しい場所だな』と思いますし、今はAKBバスケ部が始まって、体を動かすことがとにかく昔から大好きだったので、こうした活動もできているのもすごく嬉しいです。
新井 アイドルになったなと実感するのがコンサートで、ペンライトがいっぱいの景色をステージから初めて見たときは鳥肌が立つぐらい感動して、『こんなにたくさんの方が来てくださるアイドルになれた』ということがすごく嬉しかったです。最近では『AKB48 18期生昇格記念LIVE!~青い空には 雲はひとつもない~』をさせていただいて、たくさんの方がコールなどで盛り上がってくださったのが本当に嬉しくて、そのときも『アイドルになったんだな』と実感しました。自分たちのパフォーマンスで喜んでくださる方がいるということがすごく力になっていて、コンサートは活動のなかでも特に達成感のあるものとなっています。
八木 AKB48に入って『今までの人生で、こんなに涙を流しながら一生懸命になって頑張ったことがない』というくらいコンサートや劇場公演のためのレッスンに打ち込んできました。自分でも『こんな私がいたんだ』という発見がありました。たくさんのファンの方を笑顔にできるこの仕事が本当に楽しいですし、AKB48メンバーとして活動できていること自体が本当に幸せです。

“体育館が友だち”だったと語る秋山さん
負けず嫌いで一生懸命なメンバーが
集まっているので厳しくやりたくなる
――ここからはAKBバスケ部についてお伺いします。どのような経緯で企画がスタートしたのですか?
秋山 アンケートなどで好きなことややりたいことを聞かれたとき、常に「バスケが好きです」「バスケをやってみたいです」と伝えていたら、「メンバーでバスケをやってみるのはどう?」と提案されてスタートしました。
――秋山さんと新井さんはバスケ経験者とのことですが、始めたきっかけや得意だったプレーなどを教えてください。
秋山 体を動かすことが大好きで、もともと水泳をしていましたが『プラスして何か新しく始めてみたい』と思い、母がバスケ経験者だったこともあり、小3の5月ぐらいに双子の妹と一緒に近くにあったミニバスチームの体験に行きました。楽しすぎて、すぐに妹と一緒にチームに入り、そこから高1までは本当にバスケ漬け。ほぼ毎日練習していましたし、父が家にゴールを作ってくれたので、家に帰ってからも妹と1on1をしていました。ポジションはスモールフォワードで、外から3Pシュートを打ったり、中に切り込んでセンターにパスを出したりするのが得意でした。また、練習後は必ずシュート練をしていて、「100本入るまで帰らない」とかストイックに練習していました。今は10歳下の妹がクラブでバスケをやっています。
新井 中学のとき、何か部活に入らなければいけなくて、運動が好きだったので、いくつか体験入部した中からバスケが楽しかったので始めました。ポジションはフォワードで、ドリブルはそれほど得意ではなかったですがスピードはあったので、それを生かしてドライブインしたり、あとは3Pシュートを打ったりしていました。選手の動画を見るのも好きで、比江島慎選手(宇都宮ブレックス)の独特のリズム感でのステップをまねたりしていました。
秋山 私も富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)のガードとしてのプレーをまねしたりもしていました。ほかにステフィン・カリー選手(ゴールデンステート・ウォリアーズ)の神様みたいなプレー集を見るのも好きで、1~2時間があっという間に過ぎてしまいます。
――八木さんは、中学はテニス部、高校はダンス部ということですが、それぞれ始めたきっかけなどを教えてください。
八木 小さいときは、よく父と遊びでバドミントンをしていたので、ラケットを使ったスポーツに興味はありました。あるとき、おばあちゃんがテレビでテニスを見ながら「あづちゃんがテニスできるようになったらカッコいいな」と言ってきたので、『おばあちゃんに試合で勝つところを見てもらおう』と思って硬式テニス部に入りました。高校でも続けるつもりでしたが、入学した高校に硬式テニス部がなかったのでダンス部に入部しました。
――テニス、ダンスといろいろなスポーツをしてきたからか、AKBバスケ部でもオフェンス、ディフェンスとも積極的ですよね。
八木 バスケはめっちゃ面白いです。本当に0から始まったので、できないことだらけだったのがちょっとずつできるようになっていく過程がすごく楽しいです。回を重ねるごとに自分が動けるようになっていくのがわかりますし、サエ(新井)にも「上手だね」と言ってもらえて、すごく楽しいです。
――AKBバスケ部では、お決まりのおふざけを適度に挟みつつ、いざ練習となるとシュートやドリブル、パスだけなく、ディフェンスのサイドステップ、2線の守り方など内容が本格的でビックリしています。
秋山 新井 メニューは二人で考えています。
――経験者の二人が指導の際に指摘するポイントも細かいですよね。
八木 厳しいです。
秋山 部活なので! メンバーのほとんどが同期(18期)なので何でも言えますし、負けず嫌いで一生懸命なメンバーが集まっているのでバスケに熱中してくれていて教えがいがあります。だから厳しくやりたくなっちゃうんです。
新井 私自身、ディフェンスが好きということもあります。部活でやっていたときにオフェンスよりもディフェンスの醍醐味に目覚めたというか。当時はチームメイトに「サエ、ディフェンスうまいね」と言われることが嬉しかったので、『もしかしてAKBバスケ部のメンバーにもそういうタイプの子がいるかも』と思っています。「ディフェンスは自信持ってできます」というメンバーが出てきてくれるとうれしいですね。
秋山 私も相手の動きを予測するのが得意なので、ディフェンスが一番自信あります。小学生のときはよくオフェンスファウルを取ってコーチに褒められていました。

新井さんは“ディフェンスに目覚めた”!!
――だからディフェンスにこだわりがあるんですね。月刊バスケットボールの読者は中高の部活生が多いのですが、「これを聞いて部活を頑張ってほしい」というAKB48の曲を教えてください。
秋山 『初日』(2009年)、『チーム坂』(2014年)、『365日の紙飛行機』(2015年)です。どれも『みんなで目指していくぞ』という気持ちになると思います。
新井 『チャンスの順番』(2011年)です。努力して頑張っている部活生には絶対に刺さる曲なので、試合前などに聞いてほしいです。
八木 『前しか向かねえ』(2014年)です。ただひたすらに、がむしゃらに前を見て頑張ろうという歌詞で、勇気が出る楽曲になっています。
あらためてOGのすごさを感じた
『Oh my pumpkin!』の制作期間
――楽曲というと、今年はAKB48が20周年を迎え、記念シングル『Oh my pumpkin!』(my pumpkinはスラングで「愛する人」「愛しい人」の意)が8月13日にリリースされます。
新井 20周年イヤーアニバーサリーソングということで、歌詞にも振付にも歴代楽曲のいろいろな要素が散りばめられている王道ど真ん中のザ・アイドル夏ソングです。今回は現役11人、レジェンドOG4人、海外姉妹グループ7人の計22人が集結するなど、時間と国境を超越した選抜メンバーになっています。
――八木さんと秋山さんは過去3作でも選抜入りされていましたが、新井さんは今回が初選抜となりました。
新井 加入してからずっと選抜に入ることを目指していましたが、大切で特別なタイミングで初めて選抜に選んでいただけたのはすごく嬉しいです。
――アニバーサリーソングのことがリアルタイムで世界に発信されたときは、得意の英語を生かして世界のファンに向けて挨拶されていました。
新井 海外姉妹グループのメンバーがシングルに参加するのはAKB48 20年の歴史でも初めてで、彼女たちとのコミュニケーションという点でも英語という武器が生かせると思っています。頑張りたいです。
――新井さんは海外での生活経験がないのに英検の準一級を持っているんですよね。
新井 高1のときに取りました。テキストで学ぶというよりは、英語の本を読んだり、ハリーポッターの映画を字幕がないまま見たり、英語の曲を聴いたり。自分の好きな作品を見たり聞いたりして覚えると吸収が早いと思います。
――八木さん、秋山さんは4作目の選抜です。OG(前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、指原莉乃)との共演はどうでしたか?
八木 新曲の振り入れ時、みんながちょっとわからない感じになっていたところ、たかみな(髙橋みなみ)さんが読み取って、先生に「これはどっちにします?」と曖昧な部分を明確にしてくださったことがあったり、たかみなさんがしゃべっていたら、自然とみんながたかみなさんを囲っていたりと、『人をまとめるというのは、こういうことなんだな』ということを、この期間でたくさん見せていただきました。
秋山 私たちが小さいときに見ていたAKB48メンバーのみなさんと間近でご一緒できて感動しましたし、『以前も、こういう感じで会話をしていたんだろうな』という雰囲気を感じることができました。前田さんが何か言ったあとに、たかみなさんがそれをまとめる感じで話していて、それに対し指原さんが「にゃんにゃん(小嶋)さん、大丈夫ですか?」と突っ込んでいたりして、場を盛り上げてくださっていました。指原さんは、場がどんなに静まっていても笑いに変える面白さがあるだけでなく、私たち現役メンバーのことを考えてアドバイスをしてくださったり気にかけてくださったりする優しいところもあり、あらためてOGのみなさんのすごさを実感しました。

バスケが“少しずつできるようになった”と語る八木さん、アイドルとしても成長を重ねている
Profile

秋山由奈(あきやま・ゆな)
2005年12月12日生まれ/千葉県出身

新井彩永(あらい・さえ)
2005年10月5日生まれ/東京都出身

八木愛月(やぎ・あづき)
2005年3月22日生まれ/東京都出身
New Release

8月13日(水)リリース66枚目シングル「Oh my pumpkin!」をはじめ、20周年イヤーの情報はこちらをご覧ください 。
〈AKB48 20周年イヤー特設ページ〉
https://www.akb48.co.jp/lp/akb48_20thyear/

取材/高木希武