月刊バスケットボール10月号

【中国インターハイ2025】鳥取城北、初優勝!4Q苦しむも新美、アズカの得点で逃げ切り

鳥取県勢として初優勝!


「中国インターハイ2025」(7月27日~8月1日/岡山県岡山市)もいよいよ最終日、8月1日、男子決勝で八王子学園八王子(東京①)と鳥取城北(鳥取)で対戦。競り合う中で、鳥取城北が主導権を握り続けたが、4Qに入ると八王子学園八王子が好守から得点を重ねて一旦逆転。それでも、鳥取城北は#28ハロルド・アズカ、#5永田惺雅の3Pシュートで突き放し、64-58で逃げ切り。鳥取県勢として初優勝を果たした。


大会屈指の司令塔、八王子学園八王子#13畠山 颯大

八王子学園八王子は#13畠山颯大という大会屈指の司令塔がいて、インサイドには#0ニャン・セハ・セダト、#8ンジャイ・パプ・ンデリセクと頼れるビッグマン2人がいる。さらに新エースの#6照井昇太朗は19.5得点、3P成功数4本というアベレージを残している。準々決勝ではウインターカップ王者で第1シードの福岡大附大濠(福岡)に71-63で競り勝つと、準決勝で北陸(福井)を下して勝ち上がってきた。
一方、鳥取城北は、大会No.1ビッグマンと言われる#28ハロルド・アズカがいるが、今大会では全試合で1年生の#50フィリモン・タルモンが先発。こちらもダブルダブルを期待できる力を持っている。昨年からスタメンを務める#4新美鯉星、#7豊村豪仁らが変わらぬコンビでオフェンスをけん引している。東北王者・仙台大明成(宮城)との準決勝では4Q残り6秒で2点差まで迫られたが、逃げ切ってウインターカップに続いての決勝進出となった。






開始からアップテンポかつ激しい攻防を繰り広げる両者。開始5分で6-6という立ち上がりとなる。このあと鳥取城北は、#12福元源士の3Pシュートが飛び出すが、八王子学園八王子は#0セダトのフリースロー、#6照井のシュートで追いつく。
その後も鳥取城北はトランジションから#4新美、#28アズカが得点したのに対して、八王子学園八王子は#0セダトがインサイドで得点源に。鳥取城北の19-15で1Qを終えた。


八王子学園八王子#0ニャン・セハ・セダトはインサイドで得点源に

2Q、八王子学園八王子は#13畠山とのコンビで#11花島がレイアップを成功。1点差に迫ったが鳥取城北はすぐに#4新美のジャンパーを決めると#15大田翔平は速攻からファウルをもらって得点。残り5分で25-20とした。
このあと八王子学園八王子は#0セダトのポストプレーに続いて、#11花島が合わせのプレーで得点。再び1ポゼッション差に戻す。結局、鳥取城北の29-26でハーフタイムを迎えた。

3Qに入っても一進一退の攻防が続く。鳥取城北は#28アズカ、#4新美が決めるが、八王子学園八王子は#11花島、#6照井、#5佐藤大愛がすぐに決め返す。1〜2ポゼッション差の中で見応えある競り合いが続く。4点リードで迎えた残り1分半、鳥取城北はトランジションの中で#28アズカが3本目の3Pシュートを成功。リードを広げたが、八王子学園八王子はまたも取り返し、鳥取城北の46-41で3Qを終えた。


鳥取城北#4新美鯉星は足にトラブルがありながらプレーし続けた



4Q立ち上がり、鳥取城北は#5永田惺雅の3Pシュートで再び7点差に。しかし八王子学園八王子は#6照井がスピンムーブからフローターを、#11花島が速攻を決めてすぐに3点差に。さらに#6照井の3Pシュート、#11花島のレイアップで逆転。それでも鳥取城北は#28アズカの3Pシュートなどですぐに3点のリードを取り戻す。
残り3分半、八王子学園八王子は#6照井がトップからロング2Pシュートを成功。1点差と迫ったが、今度は鳥取城北#5永田惺雅が左コーナーから3Pシュートを決め返す。さらに#4新美のレイアップが飛び出して残り2分半で、鳥取城北の60-54となった。


3Pシュートを打ち続けた八王子学園八王子#6照井昇太朗は、4Qの勝負どころで連続成功

差を詰めたい八王子学園八王子は#0セダトがフリースローを得たが成功は1本のみに。このあと鳥取城北は2本連続でターンオーバー。八王子学園八王子は#6照井が3Pシュートを放つがリングに弾かれる。しかし、残り50秒、またも鳥取城北にターンオーバーが生まれる。すると残り38.6秒、八王子学園八王子#6照井が右ウイングから放った3Pシュートが決まり、2点差まで迫った。
ここでタイムアウトを取った鳥取城北は、時間を使ってオフェンスを展開。残り21.9秒、左ウイングにいた#28アズカにボールが渡ると3Pシュート。これが決まって63-58とした。


大会No.1ビッグマンと言われる鳥取城北#28ハロルド・アズカ、インサイドだけでなく3Pシュートも連発

2ポゼッション差となった八王子学園八王子は、ここで#0セダトがシュートを放つが、鳥取城北#28アズカにブロックされてしまう。それでもポゼッションは失わなかったものの、痛恨のターンオーバー。八王子学園八王子は最後にファウルゲームを展開したが、鳥取城北が64-58で逃げ切り。鳥取県勢として初優勝を果たした。

鳥取城北は#28アズカが24得点(3P5本成功)、11リバウンドのダブルダブル。さらに#4新美が16得点、#5永田が12得点をマーク。八王子学園八王子は、#11花島がチームトップの18得点、#6照井が12得点、#0セダト(10リバウンド)、#8ンデリセクが共に10得点を記録した。リバウンドは鳥取城北が1本多い40本、ターンオーバーは八王子学園八王子が4本少ない11本と僅差となった一方で、シュート成功率では、鳥取城北が2P48.4%(23/58)、3P30.0%(9/30)で、八王子学園八王子が2P39.7%(23/58)、3P15.8%(3/19)に上回った。

<鳥取城北優勝オンコートインタビュー>
河上貴裕コーチ
「就任から10年、苦しい時期も経験してきた中で、選手たちやOBを含む多くの支えに感謝しながら、夢のような優勝を果たせたことに心から喜びを感じています。決勝では、最後まで自分たちのやるべきことを徹底し、リバウンドへの執着や粘り強い守備、そしてアズカやセイマ(永田)らの要所での得点が勝因になりました。昨年の悔しさを乗り越え、選手たちが40分間集中を切らさなかったことも大きく、今後のウインターカップではさらに進化した姿をお見せできるよう、引き続き精進していきます」

#4 新美鯉星選手
「めちゃくちゃうれしいです。去年ウインターカップで大濠に負けて、すごく悔しくて。それをバネにして、『インターハイで優勝しよう』とチームで目標にしてやってきたので、それを実現できたのが本当に良かったです。試合中は、照井選手にシュートを決められ、正直ちょっと緊張もありましたけど、自分たちのバスケをやり切れば絶対勝てると信じていました。追いつかれても、『いつも通りやろう』とみんなに声かけてました。足首はちょっと痛かったですけど、『怪我してでも優勝したい』という気持ちが勝っていました。最後までコートに立てて、本当に良かったです。まだウインターカップがあるので、またチームで一から頑張って、次も優勝目指していきたいです」

#28 ハロルド・アズカ選手
「こんにちは。すごくうれしいです。(ダメ押しの3Pシュートについて)あれは、勝たなきゃいけないという気持ちで打ちました。チームのために、ディフェンスも、リバウンドも、シュートも全部やるつもりでした。今日、チームのために、頑張った。鳥取の生活は楽しいです。友だちいっぱいできた。めっちゃうれしいです。鳥取が好き、とっても好きです。
将来は、Bリーグ、NBAに入りたい。でもまず、ウインターカップを頑張る。まだ終わってないから。最後がんばります」




鳥取城北 64-58 八王子学園八王子
1Q 19-15
2Q 10-11
3Q 17-15
4Q 18–17


試合終了、健闘を称え合った両校






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