月刊バスケットボール10月号

今年も開催! 「監督やコーチが怒るのは禁止」のミニバス大会——「ファンジャンプ!バスケットボール 2025 グリットアーツカップ」情報

指導者が子どもをしかりつけたり、試合中に指示を出したりすることを禁ずるユニークなミニバス大会として知られる「ファンジャンプ!バスケットボール 2025 グリットアーツカップ」が、今年も開催されることが明らかになった。2022年に立ち上がり4回目となる今年のグリットアーツカップは船橋アリーナが舞台。1227日(土)に女子大会、28日(日)に男子大会が予定されている。


721日から大会公式サイトで参加チームを募集しているが、毎回全国から多くの申し込みや問い合わせがあり最終的に抽選で出場がかなわないチームがあるほど注目度の高いグリットアーツカップ。8月31日(日)まで1か月以上受付期間があり、今年は男女とも昨年よりも2チームずつ多い18チームずつ出場枠があるが、参加希望のチームはぜひ早めに情報をチェックして申し込んでほしい。


「ファンジャンプ!バスケットボール 2025 グリットアーツカップ」公式サイト




昨年大会 の優勝チーム(上=女子L&B杉戸[埼玉]、下=城東[東京])

子どもの自主性を引き出す特別ルール

グリットアーツカップは、「子どもの成長を目的とした日本一夢のある小学生バスケットボール大会」と謳う大会だけに、ほかにはないユニークな運営方法が特徴となっている。中でも最たるものは、冒頭で触れたとおり、指導者が子どもをしかりつけたり考えを押し付けてプレーさせたりすることが禁止という原則だ。その原則をコート上で体現できるようにと、現場では現行JBA競技規則とミニバスケットボールの適用規則に子どもが自らの考えで行動して仲間とともに勝利を目指せるような工夫を取り入れた、以下のような特別ルールが適用される。

1. 全員均一プレータイムルール
■ メンバーはハーフごとに5人固定メンバーで試合を行う
※交代、ファウルアウトはなし(5ファウル以上で悪質な場合はファウルアウトとし、以降少ない人数のまま試合を続行)

2. 全員得点加算特別ルール
■ ハーフごとに点数を決めた人数によってボーナスポイントを加算される
3人ゴールを決めたら+1
4人目が決めたらさらに+3
→全員が決めたら+5
→両ハーフで10人全員が得点した場合、さらに+5

3. 子供の主体性を促す特別ルール
■ 監督やコーチは怒ることのほかタイムアウトやハーフタイム以外でベンチから指示を出すことも禁止


昨年の男子決勝、城東(東京) vs NXT Friendlies(埼玉)





例年予選リーグとその上位チームによる優勝トーナメントを基本フォーマットとして行われてきたグリットアーツカップだが、今年は優勝トーナメントに進むことができなかったチームで「ネクストチャレンジトーナメント」も実施。全チームが緊迫感のある実戦経験を蓄え、持ち帰ることができる。


昨年の女子決勝、L&B杉戸(埼玉) vs 湖西スポーツ少年団(静岡)

千葉から離れた地域から参加を考えるチームにとっては、移動費は負担になるに違いないが、その分参加費無料というのもこの大会のいいところ。しかも会場は、Bリーグを1回、天皇杯を5回、EASL1回制した強豪クラブである千葉ジェッツがホームアリーナとして伝統を築き上げた船橋アリーナだ。さらには、優勝チームはもちろん、出場選手全員に参加賞など多数の特典を用意している。一人一人の子どもがのびのびプレーし、忘れられない思い出作りの機会を得られることを思えば、どのチームも参加する価値と意義を実感できる大会に違いない。

☆月刊バスケットボールはグリットアーツカップの模様を誌面とウェブサイトの両方で20261月に特集予定です。





文/柴田健

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