月刊バスケットボール10月号

女子日本代表 中国にリベンジし決勝進出!田中こころは3P5発で27得点 [FIBA女子アジアカップ2025]

3Q逆転すると逃げ切り、中国にリベンジ


7月19日、女子日本代表(FIBAランク9位)は「FIBA女子アジアカップ2025」(中国・深圳)準決勝で開催国の中国 (同4位)と対戦。前半を2点ビハインドで終えると3Q24-14とし、リードを作ると4Qも反撃を許さず。90-81で勝利し、明日の決勝に駒を進めた。日本は明日、20:30からオーストラリアと対戦する。

グループBに入った日本は初戦・レバノン戦(72-68)、第2戦・フィリピン戦(85-82)と連勝を飾ったが、第3戦のオーストラリア戦では前半を51-42とリードして折り返しながら、後半(16-37)に失速し67-79で今大会初黒星を喫した。昨日は、準決勝進出を懸けてニュージーランド(同26位)と対戦。前半を2点ビハインドで終えたものの、3Q22-8としてリードを作り、77-62で勝利した。

今大会は来年行われるFIBA女子ワールドカップ2026の予選にもなっており、優勝すれば出場権を獲得できるほか、上位6チームが最終予選へとコマを進めることになる。日本は女子アジアカップにおいて、2013年大会(タイ・バンコク)から2021年大会(ヨルダン・アンマン)まで5連覇を達成。6連覇をかけて臨んだ前回の2023年大会(オーストラリア・シドニー)では、決勝で中国に敗れているだけに、2大会ぶりに女王の座を取り戻すための戦いとなる。

日本のスタメンは前4試合と同じ#26田中こころ、#2今野紀花、#3馬瓜ステファニー、#8髙田真希、#10渡嘉敷来夢。ファーストオフェンス、ショットクロックがなくなる中で、#26田中がロゴ3Pシュートを射抜く。さらに#26田中はレイアップ2本、3Pシュートと連続して成功。残り6分半で10-4といいスタートを切った。



対する中国は、強みであるインサイドで着実に得点。226cmの#19チャン・ツーユウのシュートに続いて、#6ヤン・シューユーの3Pシュートも決まり、追いつかれると#6ヤンのフリースローで12-14と逆転を許した。日本が速い展開を作れない中で、逆に中国はアーリーオフェンスから追加点。14‐20とされたが、日本はまたも#26田中がプルアップ3Pシュートを成功。さらにレイアップ、3Pシュートと沈めると#52宮澤夕貴のフリースローで24‐24と同点に。この直後にまたも3点差とされたが、#26田中がステップバックからこのクォーター5本目の3Pシュートを成功。#26田中の21得点の活躍もあって27‐27と同点で1Qを終えた。

2Q序盤、日本は#75東藤なな子が3Pシュートを連発。さらに#3馬瓜のミドルシュート、#75東藤の速攻、#10渡嘉敷のフェイドアウェイシュートで追加点を挙げる。中国もすぐに取り返すという中で、39-35と僅差を保った。このあと中国は2人のビッグマンを投入。それでも日本は205cm#15ハン・シューに2枚、#19チャンに3枚を付けて対応。#2今野の3Pシュート、#10渡嘉敷のインサイドでの得点などで僅差リードを保つと、残り2分半、#2今野がプルアップジャンパーを成功。49-41とした。しかし、中国は#19チャンの連続得点。49-49と追いつかれると#6ヤンのフリースローで逆転を許し、49-51でハーフタイムを迎えた。



3Q、日本は#2今野の3Pシュートで逆転。さらに#26田中のフリースロー、#52宮澤の3Pシュートで63-57とした。このあと#16ロー・シンユーのフリースローで連続得点が止まったが、#52宮澤がもう1本3Pシュートを沈めて9点差に。このあとしばらく得点が止まったが、残り2分を切ってから#52宮澤のレイアップ、#99オコエ桃仁花の3Pシュート、#4川井麻衣のレイアップで追加点を奪い、73-65で3Qを終えた。

4Q序盤、中国は#19チャン、#15ハンとインサイドで得点。さらに#6ヤンのフックシュートで3点差まで迫られる。得点がなかった日本は#52宮澤が連続して3Pシュートを射抜いてリードを保つ。それでも中国は2ビッグを生かして得点。残り6分で79-76となった。

会場のボルテージが上がり、緊迫感が増す中、日本は#2今野が3Pシュートを成功。さらに速い展開から#3馬瓜がゴール下で決めて残り4分で84-78とした。サイズで劣る日本だが、リバウンドで奮闘すると#26田中がスピードを生かして連続してレイアップを成功。残り3分で88-78と2桁差にした。
それでも中国も粘りを見せる。残り1分半、#15ハンが3Pシュートを沈めて81-88とされたが、リバウンドで確実に奪う日本は#8髙田の追加点などでリードを保ち、90-81で勝利。リベンジを果たし、明日の決勝に駒を進めた。

日本は3Pシュートを47.06%(16/34)と高確率で成功。リバウンドは35-40と善戦した。個人としては#26田中が3Pシュート5本成功で27得点、5アシストと活躍。さらに#52宮澤が18得点、9リバウンド、#2今野が14得点と3人が2桁得点をマークした。

オーストラリアとの決勝は明日7月20日日本時間20時半から行われる。





【グループA】
1位:中国(3勝)
2位:韓国(2勝1敗)
3位:ニュージーランド(1勝2敗)
4位:インドネシア(3敗)

【グループB】
1位:オーストラリア(3勝)
2位:日本(2勝1敗)
3位:フィリピン(1勝2敗)
4位:レバノン(3敗)

■FIBAアジアカップ2025
日程:2025年7月13日〜20日
開催地:中国・深圳(深圳スポーツセンター)
出場国(予選グループフェーズ)
【グループA】中国(4)、ニュージーランド(26)、韓国(14)、インドネシア(57)
【グループB】日本(9)、オーストラリア(2)、フィリピン(44)、レバノン(54)
※()内数字はFIBAランキング(2025年7月7日時点)
試合日程(日本時間)
7月13日(日) 14:30 日本 72-68 レバノン
7月14日(月) 20:30 日本 85-82 フィリピン
7月15日(火) 17:30 日本 67-79 オーストラリア
7月18日(金)17:30 準決勝進出決定戦 日本 77-62 ニュージーランド
7月19日(土) 準決勝 日本 90-81 中国
7月20日(日) 決勝・3位決定戦
放送・配信:BSフジ・フジテレビ・CSフジテレビNEXT・TWO・FOD・DAZN



■2025 年度バスケットボール女子日本代表チーム
FIBA 女子アジアカップ 2025 日本代表選手 メンバー表

【スタッフ】
チームリーダー 小栗 弘(公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ コーリー・ゲインズ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ 宮田 知己(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アナライジングコーチ 伊藤 恭子(デンソー アイリス)
通訳 下條 海(公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ 臼井 智洋(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー 荻野 まゆみ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー 小川 未央 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー 古海 五月(公益財団法人日本バスケットボール協会)
チームマネージャー 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ)
テクニカルスタッフ 有賀 早希(富士通 レッドウェーブ)
ドクター 小松 孝行(順天堂大学医学部スポーツ医学研究室)

【選手】
髙田 真希(PF / 185cm /35歳 / デンソー アイリス)
渡嘉敷 来夢(C / 193cm / 34歳 / アイシン ウィングス)
宮澤 夕貴(PF / 183cm / 32歳 / 富士通 レッドウェーブ)
川井 麻衣(PG / 171cm / 29歳 / デンソー アイリス)
栗林 未和(C / 188cm / 26歳 / 東京羽田ヴィッキーズ)
馬瓜 ステファニー(SF / 182cm / 26歳 / CASADEMONT ZARAGOZA)
オコエ 桃仁花(PF / 183cm / 26歳 / ENEOSサンフラワーズ)
今野 紀花(SG / 179cm / 25歳 / デンソー アイリス)
星 杏璃(SG / 171cm / 25歳 / ENEOSサンフラワーズ)
東藤 なな子(SG/PG / 175cm / 24歳 / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)
薮 未奈海(SF/SG / 178cm / 20歳 /デンソー アイリス)
田中 こころ(PG / 172cm / 19歳 / ENEOSサンフラワーズ)
※年齢・所属は7月7日時点





文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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