月刊バスケットボール10月号

男子日本代表がオランダに雪辱!“大人”なエースへと進化するジェイコブス晶[日本生命カップ2025 (東京大会) ]

7月6日、有明アリーナで開催された「日本生命カップ 2025 (東京大会) 男子日本代表国際試合」のGAME2。オランダに前日のGAME1で70-78と敗れた日本だが、この日はディフェンス面を修正して74−53で圧勝。見事リベンジを果たした。

「昨日と同じく、出だしは良かったけれど追い上げられた。でも10点差まで詰められたところを再び20点差にできました。あれは若い選手たちのおかげです。中村太地(16得点)だったり狩野富成(5リバウンド・4ブロック)だったり、ベンチメンバーの活躍が、この試合のカギだったと思います。バウンスバック(立て直し)できたことが良かった」

試合後、トム・ホーバスHCはこう総括。今回の代表メンバーは初選出の若手が多く「このチームには波がある」と認めつつも、苦しい時間帯を乗り越えられたことに手応えを感じている様子だった。

経験と自信を胸に成熟したエーススコアラーへ



GAME1で15得点、GAME2で14得点と、2試合それぞれ20分強のプレータイムで安定感あるパフォーマンスを見せたのが#4ジェイコブス晶だ。

今回のメンバーの中では数少ないパリオリンピック経験者で、ディベロップメントキャンプの段階から「この1年間でどれだけプレーが成長しているかを見せることはもちろん、リーダーシップの部分をすごく期待されているので、声を出すことを意識しています」と話していた。この2試合、まさに有言実行でプレーでも声かけでもチームを支えていたと言えるだろう。

当の本人は「正直、自分の中では僕がリーダーという形ではなかったです。それよりも、一人一人がみんなリーダーシップを見せられている感じ」と謙虚に振り返りながらも、「自信がある部分といえば、トムさんと合宿などをやるのも3年目となり、何がやりたいのか、何が求められているのかをよく分かっていること。だからこそ、ほかの人にもしっかり教えられると思います」と自負する。

今回初めて同じチームで戦った#20山﨑一渉も、「僕より年下ですが、コートでもコート外でも、驚くほど精神的に大人というか。いつも声をかけてくれて、本当に尊敬できる存在です」とジェイコブスを絶賛。これに対しジェイコブスは「大人かどうかは分かりませんが、シュートやカッティングなど、自分の役割や自分にできることを理解しています。そういう部分では自信を持って、たとえシュートを1本外しても次は入るというメンタリティーでいるので、そこが"大人"と評価されたのかもしれません」と笑顔で語っていた。

今後、男子日本代表は、7月11日(金)・13日(日)に韓国で「男子日本代表国際試合2025 in 韓国」を行い、さらに7月19日(土)・20日(日)にはLaLa arena TOKYO-BAYで「SoftBank CUP 2025(千葉大会)男子日本代表国際試合」(vs.デンマーク)を行うスケジュール。8月5日(火)から17日(日)にかけてサウジアラビア・ジッダで開催される「FIBAアジアカップ2025」に向け、チーム作りが急ピッチで進められている。



写真/石塚康隆 取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)




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