帝京長岡がライバルとの再戦を制す、女子は津幡が頂点に[北信越大会]

新潟ライバル対決を制したのは帝京長岡
6月21〜22日、福井県・セーレン・ドリームアリーナ(福井県営体育館)及び福井市体育館を舞台に「令和7年北信越高等学校体育大会 第64回北信越高等学校バスケットボール選手権大会」が開催。男子は帝京長岡(新潟1位)、女子は津幡(石川3位)がそれぞれ頂点に立った。
過去3年はいずれも開志国際が頂点に立っていた男子。ベスト4の一つは帝京長岡対東海大付諏訪(長野1位)に。アップテンポなオフェンスを見せる東海大付諏訪は#9持丸昭人のプルアップジャンパー、#15清田脩叶の3Pシュートなどで得点を重ねるが、帝京長岡は簡単にズレを作らせない。リバウンドで202cm#15ジョベ・パ・マリック、201cm#14トゥーレイ・モモドゥと2人の1年生が存在感を見せると、エースガード#7赤澤翔心のトリッキーなパスから得点を重ね、78-62で勝利。決勝に駒を進めた。もう一つの準決勝、開志国際(新潟2位)対北陸(福井1位)という好カードは、北陸が1点リードで3Qを迎えたが、開志国際が4Qに流れを掴んで80-74で勝利。果たして決勝は新潟県のライバル対決となった。

両者は県総体決勝でも対戦。帝京長岡が92-75で勝利しインターハイ出場権を奪取した。そのリベンジを狙う開志国際は、9-1というスタートを切る。#14ホーキンス然のレイアップで先制すると、キャプテン#4北村優太、#5中塚遼人もミドルからジャンパーを決める。絶好のスタートに見えたが、「開志さんが絶対に勝つという気持ちで来ることはわかっていました」と帝京長岡#7赤澤。ディフェンス強度を高めると、#15マリックの連続得点に加えて、#5佐藤汰頼、#9藤田珀の3Pシュートなど次々と得点し、逆に19-5というランを作って逆転。2Qでも相手に流れを渡さず、34-27でハーフタイムを迎えた。

それでも準々決勝の北陸学院戦(石川1位/67-56)、準決勝と逆転勝ちを収めてきた開志国際。3Q、#14ホーキンスの3ポイントプレー、#4北村の3Pシュートと効率良く得点して差を詰めると、残り4分、#5中塚のパスを受けた#11池田楓がトップから3Pシュート。これが決まって43-43と追いつく。ここからは競り合いとなったが、#7赤澤、#14モモドゥのレイアップなどで先に得点していった帝京長岡が54-51と3点リードを保って3Qを終えた。続く4Q序盤、開志国際は#14ホーキンスのレイアップ、#12早野剛のフリースローで55-54と一旦逆転。しかし、帝京長岡はここで#6田巻彪雅の3Pシュートですぐに逆転。さらに#7赤澤、#13小笠原立騎、#15マリックらが着実に得点。開志国際を振り切り、76-73で勝利。4年ぶり3度目の優勝を果たした。
勝利した帝京長岡・柴田勲コーチは「後から出ていく子たちが、ゲームが崩れそうなところで持ちこたえてくれた。ダブルヘッダーという厳しい状況の中で、それぞれが役割を果たしてくれた」と選手たちをたたえた。そして県内のライバル・開志国際については「素直に言えば、同県内にいられると困る存在です。それでも非常にレベルの高いチームであり、我々にとっては一つの高い基準となるし、勝つことで自信を得られる」と、その存在価値の大きさを認めた。
石川3位・津幡が走り勝つバスケで頂点に
一方、女子では準々決勝で3連覇中の鵬学園(石川1位)、準決勝で東海大付諏訪(長野1位)と県代表1位2校を下した地元の足羽(福井2位)、石川3位の津幡が決勝で激突。共に堅いディフェンスを軸に速いトランジションで攻めるという似たタイプの対戦だったが、好スタートを切ったのは津幡だった。#4荒井風鈴、#5若林亜季が得点源となり、リバウンドでも優勢に立つと28-17と2桁差をつけて1Qを終了。

キャプテンである#4荒井は「県予選では自分たちの持ち味である走るバスケットが全然できずに悔しかったので、この2週間、走ることを意識して練習してきました」と振り返ると#5若林も「リバウンドとディフェンスを徹底し、最後まで走りきるバスケットを貫けた」と振り返る。津幡としては狙った形が出た1Qだった。
それでも足羽は2Q、敗れた同県他校の生徒も混ざっての大声援を受けて奮起を見せる。準決勝までのように3Pシュートが決まらない中で、#18橋本涼乃、#17中尾咲良、#7水野奏来がインサイドでポストアップから得点。オフェンスが好転し始めたものの、津幡は変わらず速さを生かしてレイアップ、フローターなどでスコアを伸ばし、44-34で折り返した。

3Qに入っても#18橋本がゴール下で存在感を発揮する足羽。だが、津幡は#11豊原璃佳がリバウンドから、#5若林、#6尾上莉子、#7中村柚葉がコンスタントにシュートを決めてリードを広げ、82-67で勝利した。
津幡の東山耕平コーチは「石川県ではなかなか勝てずに悔しい思いをしてきました。今大会では4試合とも走ってディフェンスをやりきった。あの子たちの頑張りと悔しさをバネにして、やっと結果に結びついたと思います」と選手たちの成長に手応えを感じていた。また#5若林は「キャプテンの荒井さんが、追いつかれそうな場面や雰囲気が悪くなった時でもしっかりシュートを決めてくれて心強かったです」と語ると、その#4荒井も「苦しい時に若林がドライブで決めてくれて、頼もしかったです」と互いの活躍を讃え合った。
津幡の優勝で、石川県のウインターカップ出場枠は2つになる。#5若林は「鵬(学園)にも航空(日本航空石川)にも勝って、県1位で臨めるように自分たちの強みをもっと磨きたいです」と冬に向けて実力を磨くと意気込みを披露した。

大会最終順位(上位4チーム)
[男子]優勝:帝京長岡
2位:開志国際
3位:北陸
4位:東海大付諏訪

[女子]
優勝:津幡
2位:足羽
3位:東海大付諏訪
4位:日本航空石川

全試合結果(男子)
[決勝]帝京長岡 76-73 開志国際
[3位決定戦]
北陸 88-59 東海大付諏訪
[準決勝]
帝京長岡 78-62 東海大付諏訪
開志国際 80-74 北陸
[準々決勝]
帝京長岡 78-57 福井商
東海大付諏訪 100-57 富山商
開志国際 67-56 北陸学院
北陸 111-53 七尾
[1回戦]
帝京長岡 89-52 高岡工芸
福井商 63-53 金沢市工
富山商 71-57 啓新
東海大付諏訪 87-63 北越
北陸学院 105-32 大野
開志国際 86-65 長野吉田
七尾 63-62 高岡第一
北陸 96-73 佐久長聖
全試合結果(女子)
[決勝]津幡 82-67 足羽
[3位決定戦]
東海大付諏訪 77-65 日本航空石川
[準決勝]
足羽 86-58 東海大付諏訪
津幡 67-63 日本航空石川
[準々決勝]
足羽 78-61 鵬学園
東海大付諏訪 60-55 新潟中央
津幡 94-54 松本国際
日本航空石川 75-57 開志国際
[1回戦]
鵬学園 105-53 岩村田
足羽 81-72 新潟産大附
東海大付諏訪 91-71 福井商
新潟中央 57-56 龍谷富山
津幡 95-94 福井工大福井
松本国際 75-61 高岡第一
日本航空石川 86-46 砺波
開志国際 95-52 啓新

写真/HERSSY、文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)