中村拓人が広島を電撃退団、契約継続発表から一転移籍へ「成長を求めて決断に至りました」

クラブ初優勝に貢献した司令塔が移籍へ
5月20日に広島ドラゴンフライズとの契約継続が発表されていた中村拓人が一転、クラブを離れる決断を下した。広島は6月17日、2025-26シーズン以降の契約を解除し、同選手が移籍することを正式に発表した。
中村は大東文化大を経て、2020-21シーズンにレバンガ北海道で特別指定選手としてプレー。翌2021-22シーズンには同じく特別指定選手として広島に加入した。2023-24シーズンの終盤、エースガードの寺嶋良が故障というピンチの中でステップアップし、チャンピオンシップでは平均10.0得点を記録してクラブの初優勝に大きく寄与。日本生命ファイナル賞も受賞した。続く2024-25シーズンは57試合に出場し、うち47試合で先発。9.2得点をマークし、Bリーグ王者として臨んだEASL(東アジアスーパーリーグ)では優勝メンバーとしてチームに力を添えた。
5月20日の契約継続発表では、「より成長し、充実したシーズンにしたい」と前向きなコメントを発していたが、その後、本人およびエージェントより「別の道で挑戦したい」という強い申し出があり、クラブとの協議の末に移籍が決定。違約金を伴う契約解除という異例の対応となった。
中村は、クラブを通じて以下のようにコメントしている。
「特別指定選手の頃から含め約4シーズン、たくさんのご声援ありがとうございました。一回きりの人生、そしてあまり長くはない選手人生を納得いくものにしていくために、今回とても悩みましたし、すごく難しい決断ではありましたが、成長を求めて今回の決断に至りました。(中略)この広島の地で、バスケットボールを通してたくさんの方と出会い、素晴らしいチームメイトに恵まれとても充実したシーズンを過ごすことができました」
また広島の岡崎修司ゼネラルマネージャーは「継続発表後のタイミングでの契約解除となり、関係者の皆様には大変申し訳なく思っております。中村選手とは最長4年の契約を締結しており、来季以降もローテーションの中心として期待をしておりましたが、最終的には移籍を容認する判断となりました。(中略)本人も非常に悩んで出した結論であり、これまで広島で築いてきたものには大きな誇りを感じています」と率直な心情を明かしている。
移籍先は現時点で未発表。「成長を求めて」選んだ新天地で、どのような飛躍を遂げるのか。注目は尽きない
<広島リリースより>
・中村拓人選手 コメント
広島ドラゴンフライズのブースターの皆さん、こんにちは。まずは、特別指定選手の頃から含め約4シーズンたくさんのご声援ありがとうございました。今回広島を離れるという決断をしました。
一回きりの人生、そしてあまり長くはない選手人生を納得いくものにしていくために、今回とても悩みましたし、すごく難しい決断ではありましたが、成長を求めて今回の決断に至りました。
この広島の地で、バスケットボールを通してたくさんの方と出会い、素晴らしいチームメイトに恵まれとても充実したシーズンを過ごすことができました。みなさまのおかげでとても幸せでした。これまで支えてくださったスポンサー、クラブそして何よりもブースターのみなさま本当にありがとうございました!
広島で培ったものを今後のキャリアでも精進していきます。これまでありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています!
・岡崎 修司 ゼネラルマネージャー コメント
広島ドラゴンフライズの関係者の皆様、平素より温かいご支援をいただき、誠にありがとうございます。この度、中村拓人選手との来季以降の契約を解除することになりましたのでご報告いたします。
来シーズンの継続発表後にこのようなご報告をする形となり、応援やサポートしてくださっているブースターの皆様、スポンサーの皆様を含め、全ての関係者にお詫び申し上げます。
中村選手とは最長となる4年の契約締結をしておりました。今シーズンは、昨シーズンよりも重要な役割を求められる中で苦しむ時期もありましたが、プレータイムは昨シーズンより伸び、成長した部分と新たな課題を見つけられたシーズンになっていたと思います。自分自身と向き合う姿勢から、来シーズン以降のさらなる成長に期待をしておりました。また、クラブとしては若手選手と一緒に成長しながら、Bプレミアを戦うつもりで編成や準備を進めてきております。中村選手とも中長期的にプレーしたいと考えており、彼がローテーションの中心を担うようなチーム構想と編成を進めておりました。
このような中、中村選手とエージェントより、来シーズンの契約を解除し、広島ではなく別の道で挑戦をしたいという申し出がありました。現場ではさまざまなことが起こると理解しておりますが、ご存じのように契約は希望すれば解除できるものではありません。また、どのクラブも編成が終了しているこのタイミングでの契約解除は、一般的にはクラブ・選手・移籍先すべてにとって非常に難しい状況となり得ますし、クラブとしても長期スパンで想定と調整をしてきた編成の計画の中で中村選手を失うことは、追加での補強や編成が必要となり、非常に大きな損失となります。
これまで何度も話し合いを重ね、来シーズン以降も一緒に戦いたいという思いを伝えてまいりましたが、結果的には新たなチャレンジをしたいという強い意志は変わりませんでした。そのため、双方が納得して前に進める落とし所を探し、様々な角度から解決策を模索する中で、最終的には残りの契約に対する大きな違約金を支払うという形で他クラブへ移籍する結果となりました。
クラブとしては中村選手との契約を継続し、共に戦い続けたかったというのが本音であり、このような形での別れとなることは非常に残念でなりません。本人としても、非常に悩んで出した結論だと思いますし、苦しい意思決定になったことは間違いないと思います。難しい局面が続きましたが、中村選手のエージェントを含め、関係者の皆様に真摯に対応いただき、移籍先クラブとの契約を取りまとめることになったと考えております。契約解除をこの文章で知る皆様にとっても、驚きや落胆を含め、色々と思うものがあるかと思います。全てをお伝えすることができないのが心苦しいですが、解除に関する取り決めについては、中村選手にとっても苦しい条件にもなっており、双方にとって非常に筋の通ったものになっていると考えておりますので、温かく中村選手を見送っていただければ幸いです。
学生時代の中村選手と出会い、これまで一緒に仕事ができたことと、彼が広島で積み上げてきたものに対してクラブとして誇りに思っております。彼の成長がなければ、今シーズンまでのBリーグ優勝・EASL優勝は成し得なかったです。誰よりも成長意欲が高く、真摯にバスケットボールに向き合う姿勢には、尊敬の念を抱いてきました。顔には出さない性格ですが、若手ながら大きな責任を背負ってコートに立ち、時には苦しみながらも着実に成長してくれた中村選手の姿は、チームメイトやスタッフ、そして私たちクラブにとって大きな刺激となりました。急な別れとなり、本当に寂しく思いますが、中村選手の新天地でのさらなる飛躍と今後のキャリアの成功を心から祈念しております。







