東京医療保健大が2冠目達成!ライバル白鷗大を下す[第15回関東大学女子新人戦]

東京医療保健大が2年ぶり6回目の頂点
6月8日、「第15回関東大学女子バスケットボール新人戦」は最終日を迎え、決勝で白鷗大、東京医療保健大によるライバル対決が実現した。1、2年生チームによる新人戦ではないものの、両校は1か月前にもトーナメント決勝で対戦し、東京医療保健大が99‐73で快勝している。注目の再戦となった今大会も、序盤から激しい攻防が繰り広げられた。

#7伊藤知里のドライブは強い印象を与えた
立ち上がりでリズムを掴んだのは白鷗大だった。インサイドの脅威となる187cm#0ロー・ジョバへのパスを封じると、#33緒方梨乃の3Pシュートや#7伊藤知里のドライブで先手を取る。だが、東京医療保健大はリバウンドの優位を生かして#7後藤音羽、#61深津唯生が得点。終盤には#4戸塚妃莉と#5絈野夏海がフリースローで着実に追加点を奪い、25-21と逆転して1Qを終えた。

東京医療保健大の#61深津唯生、#7後藤音羽
2Qに入っても東京医療保健大は勢いを保持。開始3分で37‐26と2桁リードを築いたが、白鷗大も#33緒方や#30清藤優衣の3Pシュートやドライブで応戦。このクォーターは22‐22と一歩も引かぬ展開となり、東京医療保健大の4点リードでハーフタイムを迎えた。
だが後半、駒の差が徐々に表面化した。白鷗大は10人のロスターで挑んだが、粒ぞろいの15人で臨んだ東京医療保健大はローテーションを駆使しながらプレー強度を維持。3Q残り7分半から18‐6のランを作り、主導権を完全に掌握した。白鷗大は#30清藤が試合を通じて7本の3Pシュートを射抜く活躍で粘りを見せたが、最後まで集中力を切らすことなく戦い抜いた東京医療保健大が95‐64で勝利。2年ぶり6度目の新人戦優勝を果たした。

自ら得点を取る一方、献身的なプレーも光った白鷗大#33緒方梨乃
シーズン5冠(トーナメント、新人戦、リーグ戦、インカレ、皇后杯)を目標に掲げる東京医療保健大にとって、これで2冠目の奪取。指揮を執った恩塚亨監督は、「練習してきたことを最後まで自信を持ってやり切れたことが何よりうれしい」と語ると苦しい時間帯に崩れることなく踏みとどまった点を評価。「どんな状況からでも再現性高く戦えることが次のステップ」と強調した。また30-12と一気にリードを広げた3Qについては、「我慢していいシュートを打ち、そこからディフェンスの強度が上がって流れを引き寄せた」と振り返った。
またキャプテンとなった#5絈野夏海も「前半は相手の当たりもあり苦しい時間が続いたが、落ちることなくやるべきことを再確認して後半に臨めた」と手応えを語った。特に後半は「全員で相手のプレー傾向を共有できたこと、確率の高いシュートを選べたこと」が勝因だと自己分析。次なる目標となるリーグ戦に向けて、「苦しい時間帯でどう自分たちの力で浮上できるかを高めていきたい」と語った。

キャプテンとしてチームを引っ張った東京医療保健大#5絈野夏海
一方、白鷗大は準優勝に終わったものの、試合には得るものも多かったと采配を振るった根本雅敏アシスタントコーチは話す。「サイズとフィジカルで劣る中、1対1で勝負し、サポートする戦い方で80点取られても85点で勝つという殴り合いのプランだった」と明かすと、前半は想定内の展開だったと振り返った。「医療さんの強度にアジャストし切れなかったが、やろうとしていることはできていた。精度を上げていければ」とリーグ戦を見据えてコメント。「プレッシャーがかかる中で思うようなプレーができずにもがいた選手が、自信を持ってやり切ったことは大きな収穫。ヘッドダウンせずにやり直せる、そんな選手になってほしい」と選手のメンタル面の成長にも期待を寄せた。
最終結果は以下のとおり。上位7チームは、「第3回全日本大学新人戦」(7月5〜9日、11〜13日、国立代々木競技場 第二体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場、大田区総合体育館)に進む。
「第15回関東大学女子バスケットボール新人戦」結果
【成績】
優勝:東京医療保健大(2年ぶり6回目)
準優勝:白鷗大
3位:山梨学院大
4位:筑波大
5位:立教大
6位:早稲田大
7位:拓殖大
8位:専修大
【個人賞】

★最優秀選手賞
絈野 夏海(東京医療保健大⑤2年)
★敢闘賞
緒方 梨乃(白鷗大㉝2年)

★ベスト8賞
後藤 音羽(東京医療保健大⑦1年)
東 小姫(白鷗大[77]2年)
アデバンジョブレッシング(山梨学院大⑭2年)
黒川 心音(筑波大⑬2年)
福島 瑠羽(立教大⑧2年)
清水 瑠莉(早稲田大⑥2年)
曽根 妃芽香(拓殖大⑦2年)
殖栗 佳穂(専修大⑤2年)

★得点王
アデバンジョブレッシング(山梨学院大⑭2年)96点
★3ポイント王
橋本 芽依(早稲田大⑨1年)12本
★アシスト王
絈野 夏海(東京医療保健大⑤2年)19本
★リバウンド王
ンドイ ウム(拓殖大⑧2年)OR28+DR36=64

文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)