Wリーグが登録規定を改定、2025-26シーズンから施行へ「外国籍選手の門戸が広がる」

「通算5年在留」要件を撤廃、新たな才能の流入に期待
Wリーグは6月6日、2025-26シーズンより施行される「外国籍選手登録規定の改定内容」を正式に発表した。1月に方針を示していたが、5月15日の理事会にて承認され、このたび正式な文書として公表された。
今回の改定で最大のポイントとなるのは、これまで必要だった「通算5年以上日本に在留していること」という外国籍選手への要件を撤廃した点である。より柔軟な形で外国籍選手の獲得と活用が可能になる。
この改革は、Wリーグが掲げる「世界中の目標となるリーグへ」というビジョンに沿ったものであり、世界の競技水準に挑戦し続ける姿勢を体現するものだ。導入初年度となる2025-26シーズンは、実際の運用を通じて課題を抽出し、必要に応じて制度の調整を行っていくとしている。
新たな制度では、外国籍選手を「A登録外国籍選手(A外国籍)」と「B登録外国籍選手(B外国籍)」に区分している。A外国籍とは、従来の在留要件などに該当しない、新たに門戸を開いた選手たちを指す。一方のB外国籍は、これまでの制度で認められていた、「日本における3年以上の就学実績があり、卒業後直ちに選手登録を希望する者」に該当する選手を指す。この分類によって、チームはより多様な外国籍選手の登録が可能になり、競争力の底上げにつながることが期待される。また、外国籍選手の登録上限は従来通り2名のまま。新たにA外国籍選手もその対象に含まれるようになった。
そしてオンザコートでは、外国籍選手1名までという制限は維持しつつも、「外国籍選手1名+帰化選手1名」という同時出場が可能に。これは日本バスケットボール協会の規定に則る形で適用される。
なお、2025-26シーズンからの新たな定義において、満16歳を超えてから帰化した選手は原則として「帰化選手」として扱われ、1チームにつき1名までの登録とされる。ただし、帰化前に「見なし日本人選手」として登録されていた選手は、帰化後も日本人扱いとなり、「帰化選手」には数えられないとしている。
さらに登録期限にも一部変更が加えられた。これまでは日本人・外国籍問わず、追加登録は「毎年8月末日」までとされていたが、2025-26シーズンからは前年度にJBA登録実績がない選手に限り、「レギュラーシーズン三分の二の期間が経過するまで」追加登録が可能となる。これにより、国際的な移籍などで合流が遅れる選手にも柔軟に対応できる制度となった。
また、若手育成を目的としたアーリーエントリー制度においても、外国籍選手の条件が緩和された。これまで「通算5年以上日本に在留し、高校または大学を卒業見込みであること」とされていたが、今後は、「通算3年以上の在留」かつ「日本の高校または大学を卒業できる見込みがある」ことが条件となる。
これら制度の柔軟化により、リーグ全体の底上げと、若手選手への刺激という二重の効果も期待される。2025-26シーズンの開幕とともに、この新制度がどのようなインパクトをもたらすのか、注目していきたい。
以下はリーグ発表の登録規定のリンク、主な改定内容である。
<登録規定 2025 年5 月15 日付>
https://www.wjbl.org/static /topics/27th_pdf/20250606_registration_regulations_0515.pdf
主な改定内容
【1】登録の条件
以下、登録規定の抜粋です。
第3条 (登録の条件)
(1) 登録できる選手は、「日本⼈選手」と「外国籍選手」とする。
(2) 現に日本国籍を有する者(満16 歳となった後に国籍法に基づく帰化によって日本国籍を取得した者
(以下、帰化選手という)を含む)及び公益財団法⼈日本バスケットボール協会(以下、JBA という)
基本規程第99 条1項各号に該当し「日本⼈選手」と⾒做される者を総称して「日本⼈選手」という。
なお、同条項の各号に該当し「日本⼈選手」と⾒做すことができる選手が、満16 歳となった後に帰化 した場合、⾒做し日本⼈選手の効力は失わず帰化選手扱いとしないものとする。 (3) 「外国籍選手」とは、日本国籍を有しない者のうち、前項の⾒做し日本⼈選手を除いた者をいう。 (4) 「外国籍選手」にかかる登録等の手続は、本規程のほか別途定める規程による。 ※帰化選手については、2025-26 シーズンから適用いたします。2024-25 シーズン以前に帰化した選手は 帰化選手の対象外となり、日本⼈扱いとなります。
【2】外国籍選手の区分
W リーグに登録する外国籍選手を次の2 種類に区分し定義いたします。
・A登録外国籍選手(以下A 外国籍)
外国籍選手のうち、B登録外国籍選手の条件に該当しない選手
・B登録外国籍選手(以下B 外国籍/=従来の外国籍選手)
外国籍選手のうち、日本において3 年以上の就学実績を有し、かつ、卒業後直ちに選手登録を
希望する選手
【3】外国籍選手に関するルールの変更点
登録人数/現行・外国籍選手2 名まで(B 外国籍のみ)▶︎▶︎▶︎改定後・外国籍選手2 名まで(A 外国籍およびB 外国籍いずれも可能)
オンザコート人数/現行・外国籍選手オンザコート1 名▶︎▶︎▶︎改定後・外国籍選手オンザコート1名/・帰化選手1 名、外国籍選手1 名の同時出場は可能※JBA 規定に則る
登録期限(※日本人選手も同様)/現行・二次エントリー(毎年8月末日)まで▶︎▶︎▶︎改定後・前年度JBA 登録(=W リーグ登録)実績がある選手は、二次エントリー(毎年
8 月末日)まで、前年度JBA 登録(=W リーグ登録)実績がない選手は、当該年度のレギュラーシーズン三分の二の日程が経過するまで
アーリーエントリー/現行・・「通算5年以上日本国に在留」かつ「高等学校または大学の卒業⾒込みがある」選手が対象▶︎▶︎▶︎改定後・「通算3 年以上日本国に在留」かつ「日本の高等学校または大学を卒業できる⾒込みがある」選手が対象
