月刊バスケットボール10月号

富永啓生選手が語る、シュートの核心と今後の展望—5月18日 シューティングクリニック開催—

高校生12名に直接指導


5月18日、東京都江東区の「livedoor URBAN SPORTS PARK」にて、富永啓生選手によるシューティングクリニックが開催された。このイベントには、アンダーアーマー・カリーブランド契約の富永選手と、事前に選ばれた高校生12名が参加。シュート技術の向上を目指し、富永選手が自身の経験を交えた指導が行われた。

【写真】シューティングクリニック写真ギャラリー(25点)


指導を通じて得た新たな視点
「普段あまり教える立場にいないので、自分にとってもいい経験になった」と富永選手は語る。特に印象に残ったのは、シュートそのものではなく、「シュートを打つ前のプロセス」に関する質問が多かったことだったという。「シュートを決めることだけが大切なのではなく、そこに至る過程が重要。それに関する質問が多く、選手たちの意識の高さを感じた」と振り返った。



高校時代に戻るなら意識したかったこと
海外でのプレー経験を積んだ富永選手だが、自身の高校時代を振り返り、「体を当ててからの動きがもっとできるようになりたかった」と率直に語る。「高校時代はタフショットばかりになりがちだったが、早い段階でこの部分を強化しておけば、もっと戦いやすかったはず」と、高校生たちに向けた具体的な課題を共有した。

海外で戦うために必要なスキル
海外挑戦を目指す選手に向けて、富永選手は「シュートリリースのスピードを意識すべき」とアドバイス。「海外選手は体格差があり、フィジカルの強さも日本とは違う。その中でしっかりシュートを決めるには、速く正確に打つことが必要」と語った。さらに、海外への挑戦を夢見る若い選手に向けて、「自分のプレーに自信を持ち、向上心を忘れずに頑張ってほしい」と力強いメッセージを送った。

若い世代への指導の意義
シューティングクリニックを終え、富永選手は「技術を教える中で、選手たちの成長を実感できた」と述べる。「身体が成長している過程でシュートフォームが安定しないこともあるが、早い段階で自分のシュートを確立できれば他の選手との差をつけられる」と、長期的な視点でのスキル習得の重要性を語った。



NBAを目指す次なるステップ
クリニック終了後、富永選手は自身の今後の目標について、「NBA選手になるという夢に向かって、日々レベルアップし続けたい」と意気込みを語った。また、日本代表としての責任も強く感じており、「しっかり結果を残して貢献したい」と、未来への決意を新たにした。シュート技術だけでなく、戦うための意識や心構えについて深く学ぶ機会となった今回のイベント。富永選手の言葉が、未来のトッププレイヤーたちの挑戦を後押しすることだろう。






■ 富永啓生選手プロフィール
2001年2月1日、名古屋市生まれ。188センチ。ポジションはシューティングガード。桜丘高では3年時の全国高校選手権3位。レンジャー短大を経て、2021年にネブラスカ大に編入。2024年に全米の大学有力選手が参加する3Pシュートコンテストで優勝。2024年9月にNBAペイサーズと開幕前キャンプ参加の「エキシビット10」契約を結ぶも、2024-25シーズンはNBA傘下Gリーグのインディアナ・マッドアンツに在籍。日本代表として、2021年東京五輪に 3人制、2023年W杯、2024年パリ五輪に出場。
(画像提供 株式会社ドーム)

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