月刊バスケットボール10月号

NBA

2025.05.19

ナゲッツ、2シリーズ連続第7戦で力尽きる|ヨキッチ「層の薄さが課題」

2シリーズ連続で7戦も勝ち抜けず


デンバー・ナゲッツの歩みは、カンファレンス・セミファイナルで止まった。現地5月18日に行われたオクラホマシティ・サンダーとの第7戦に93-125で完敗。勢いに乗る若きサンダーが、そのままカンファレンス・ファイナル進出を決めた。

ナゲッツのエース、ニコラ・ヨキッチはこの試合で20得点、9リバウンド、7アシストを記録。ただし、第6戦までのアベレージ(30.0得点、14.8リバウンド、5.2アシスト)と比較すると、数字は控えめ。ファーストラウンドのクリッパーズ戦に続く7戦シリーズが、蓄積した疲労を浮き彫りにしたかたちだ。

「この試合は、第2戦にとても似ていたと思う。ターンオーバーが多く、シュートも決まらなかった。相手はアグレッシブに走り、こちらにプレッシャーをかけてきて我々は受け身だった」。試合後の会見で、ヨキッチは静かに敗因を語った。

チームにとっての不運は、主力の負傷も重なったことだ。アーロン・ゴードンは左ハムストリングを痛めながらも出場。24分のプレーで8得点、11リバウンドを記録した。「出場はやめた方がいいと伝えていたんだ。でも彼はライオンのように戦ってくれた」とヨキッチは頑張りを称えた。
試合は26-21とナゲッツのリードで1Qを終えたが、第2クォーターで20-39と一気にリードを奪われてしまい、以降は完全に流れを失った。

「“たられば”の話なんてしない。チャンスはあったが、それをものにできなかっただけだ」と語るヨキッチは、今シリーズで対峙したシェイ・ギルジャス・アレクサンダーについては、「彼は特別な選手だ。自分のリズムでプレーし、ディフェンスでも常にボールを狙ってくる。まるで小さなパンサーのようだ」と、最大級の敬意を表した。




ナゲッツはレギュラーシーズン終盤の4月中旬にHCだったマイケル・マローンが辞任。その後を支えてきたデビッド・アデルマン暫定HCの采配についても「とても難しい状況での引き継ぎだったと思う。残りわずかな試合数で何かを変えるのは本当に大変なこと。でも彼はチームのエネルギーを変え、選手たちを奮い立たせ、信じさせてくれた。結果として、今季最高レベルのチームと第7戦まで戦えたのは素晴らしい仕事だった」と評価した。

来季以降に向けた課題としてヨキッチが挙げたのは、選手層の問題だ。
「自分の立場で言うことではないけど、やはり層の厚さは課題だと思う。長いシーズンを同じローテーションで戦い続けるのは大変だし、20〜30試合も出場していない選手に、いきなり活躍を期待するのは難しい。それでも、ジュリアン(ストローサー)はよく頑張ってくれたし、ペイトン(ワトソン)もいい活躍だった。ただ、最終的には、層が厚いチームが勝っている。ペイサーズ、OKC、ウルブズのようなチームがね」。

そのヨキッチは今季を「誇りに思う」と振り返る。「1回戦の時点で、多くの人がクリッパーズに負けると予想していたと思う。でも、我々はなんとか勝ち抜いた。いつも道を見つけてきた。今日はダメだったけど、それでもこのチームには誇りを感じている。個人としては、健康を維持できたことに感謝している。たくさん努力もしたし、自分のルーティンとやるべきことを信じて、それがうまくいった」。

昨オフはパリオリンピックもあって、長期の休みは取れなかったヨキッチ。だが、「オリンピックに出たことで、むしろ自分は良くなったと感じている。国の代表として違うルール、違う選手とプレーすることで学ぶことも多い。今年はユーロバスケットがあるから、それに出るかどうか考えないといけない。コーチや主力選手たちと相談して決める予定だよ」とセルビアのジャージーを着る可能性があると示唆。そのあと、「当面は…たぶん数日はビール三昧になると思うよ(笑)」と笑顔を見せて会見を締めくくった。





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