宇都宮で4年連続開催のFIBA3x3ワールドツアー開幕戦(宇都宮オープナー2025)は「MIAMI(アメリカ)」が連覇

優勝したMIAMI(©3x3のまち宇都宮推進委員)
FIBAが通年で展開する3x3の世界サーキット「FIBA 3x3 World Tour」の今季開幕戦となる「FIBA 3x3 World Tour Utsunomiya Opener 2025」が、4月26日、27日の両日、宇都宮二荒山神社参道及びバンバ市民広場を舞台に開催された。「3x3のまち」を自負する宇都宮市でワールドツアー開幕戦が行われるのはこれで4年連続。両日とも同じJR宇都宮駅そばのライトキューブ宇都宮で3x3の国内女子プロリーグの「3x3.EXE PREMIER 2025 Women(プレミア)」の今季開幕戦が同時開催されたこともあり、街にはまさしく3x3のお祭りのような雰囲気が漂い、両日で約8万人が熱戦を身に宇都宮を訪れたという。
3チームずつ4つのグループに分かれて行われたプールラウンドと、各グループの上位2チーム(計8チーム)による決勝トーナメントを経て優勝したのはMIAMI(マイアミ/アメリカ)。ファイナルではパリオリンピックの金メダリストを3人登録させて臨んだAmsterdam(アムステルダム/オランダ)を21-17のノックアウトで破った。
昨年の世界ランキングトップ10をにぎわした強豪チームが集う中、MIAMIはバスケットボールの本場としての誇りを感じさせる戦いぶりで、昨年に続く連覇達成。ファイナルで2Pショットを3本成功させ、最後に決勝の21点目となるフリースローを成功させたディラン・トラビスは、「最高の気分です。日本は素晴らしいですね! 最高の形でシーズンのスタートを切ることができました」と喜びを言葉にしていた。

ファイナルのラストシーン。MIAMIの21点目となるトラビスのフリースローはきれいな弧を描いてネットを通過した(©3x3のまち宇都宮推進委員)
MVPに輝いたのは、MIAMI(マイアミ・アメリカ)のミッチ・ハーン。203cmの長身とシュート力を生かし、2日間を通じて5試合で30得点を記録したが、特にファイナルでは18-17と競った終盤の重要局面で値千金の2Pショットを決めている。トラビスの決勝フリースローも、ノックアウトに王手をかけるハーンの一撃でおぜん立てされたものだった。

3x3のまち宇都宮推進委員会の委員長を務める宇都宮市長の佐藤栄一氏とMVPに輝いたMIAMIのハーン(©3x3のまち宇都宮推進委員)
今大会には日本からも、開催枠の地元UTSUNOMIYA BREX.EXEと、クォリファイング・ドロー(本大会出場権をかけて行われた予選会)を勝ち抜いたTennozの2チームが出場した。しかし、いずれもプール戦を白星なしの2連敗で終え、決勝トーナメント進出を逃す結果となっている。また、並行して開催されたキッズトーナメントの「3x3 Jr.CUP 2025」では、男子が成田ボンバーズBlue(千葉県代表)、女子がLIT(栃木県代表)の優勝で幕を閉じた。
なお、MIAMIの連覇で幕を閉じたワールドツアー開幕戦「宇都宮オープナー」だが、ロサンゼルスでオリンピックが開催される2028年まで、毎年開催されることがすでに決定している。来年・再来年とますます盛り上がるであろう3x3。ぜひとも注目してほしい。
■最終順位
1位 MIAMI / アメリカ
2位 AMSTERDAM / オランダ
3位 UB / セルビア
4位 TOULOUSE / フランス
5位 RAUDONDVARIS / リトアニア
6位 RIFFA / バーレーン
7位 PARTIZAN / セルビア
8位 VIENNA / オーストリア LIMAN / セルビア
9位 LIMAN / セルビア
10位 LONDON / アメリカ
11位 UTSUNOMIYA / 日本
12位 TENNOZ / 日本
13位 HIRATSUKA(SHONAN SEASIDE.EXE) / 日本
14位 SAGAMIHARA(HIU ZEROCKETS.EXE) / 日本
※HIRATSUKAとSAGAMIHARAはクォリファイング・ドローのみ出場
☆優勝インタビュー:ディラン・トラビス(MIAMI)
ファイナルで果敢なアタックを見せるトラビス(©3x3のまち宇都宮推進委員)
——今日は乗っていましたね。いいところで3本、2Pショットを決めて流れを持ってきたと思います。
今日はいい感覚がありました。風がありましたが、「Mind over Matter(気持ちで決める)」ということです。チームメイトたちがいいところで僕にパスをくれたので、自信を持って狙えました。絶好調ではなかったですけど、役割は果たせたという感じですね。プール戦では僕が得点しなくてもよかったんですが、今日は状況が違いました。4人とも得点がとれるメンバーなので、今日は僕の順番が来たというところです。
——連覇達成ですが、どんな気持ちですか?(トラビスはチームで唯一、昨年の有所いうを経験したプレーヤー)
最高の気分です。日本は素晴らしいですね! 最高の形でシーズンのスタートを切ることができました。とてもうれしいです。
——会場についてはどんな感想ですか?
驚いてしまいますよね。神社の目の前で、人々の行き交う大通りにも面したコートでプレーできるなんて。たくさんの人々が通りかかるのが見えたりして、とても楽しくプレーできました。日本の人たちは皆さん親切で僕らに敬意を払ってくれるし、来年もぜひここにきてプレーしたいですね。
——餃子は食べましたか?
ええ、もちろんたくさん食べましたよ!ダンプリング(Dumpling=英語で餃子やシュウマイ、団子などを指す言葉)の一種で有名な食べ物ですよね。おいしかったです。今日は日本のビールも味わって楽しむつもりですよ!
■3x3 Jr.CUP 2025最終結果
▼男子
1位 成田ボンバーズBlue(千葉県代表)
2位 HELLDOGS(埼玉県代表)
▼女子
1位 LIT(栃木県代表)
2位 UMJ東六郷(東京都代表)
文/柴田健