3x3.EXE PREMIER 2025、女子開幕ラウンドはFLOWLISH GUNMA.EXEが王座に——アジアカップ銀メダリスト高橋芙由子がMVP

3人制バスケットボールの国内プロサーキット「3x3.EXE PREMIER 2025(以下プレミアと表記)」の女子開幕戦が4月26日、27日にライトキューブ宇都宮(栃木県宇都宮市)で行われ、FLOWLISH GUNMA.EXEがプールラウンドからファイナルまでの4試合全てをノックアウトで勝ち抜く会心の戦いぶりで王座に就いた。3月にFIBA3x3アジアカップ2025で銀メダルを獲得した高橋芙由子(「高」ははしごだか)は、力強いドリブルドライブや2Pショットでチームのオフェンスをけん引しMVPを受賞。また、ディフェンス面で奮闘した横井美沙がスーパードライ賞に輝いた。
今大会は昨年に続き、FIBAの男子3x3のワールドツアー開幕戦(宇都宮オープナー)と同時開催。徒歩で20分ほどの距離にある二荒山神社の大鳥居前では世界の男子3x3を盛り上げる実力派プレーヤーたちが繰り広げる熱戦も見られるとあり、好天の宇都宮には両大会を見に2日間で約8万人が訪れたとのことだ。

©月刊バスケットボール
宇都宮がまさしく「3x3の街」と化す中、プレミア女子開幕ラウンドは見応え満点の好ゲームがいくつも飛び出した。特に2日目の上位戦はいずれも白熱した展開の連続に客席が大いに沸いた。
FLOWLISH GUNMA.EXEとSHINSHU SAKU REGION.EXEのセミファイナルは、序盤に3-8と大きなビハインドを背負ったFLOWLISH GUNMA.EXEが、高橋の果敢なアタックを軸にそこから18-2のビッグランを作り21-10のスコアで決勝に進出。もう一方のセミファイナルはTOKYO VERDY.EXEとUENOHARA SUNRISE.EXEが大接戦を演じたが、最後は李人竹(り れんじゅ)がレギュレーション終了直前に劇的な逆転2Pショットを沈めて、UENOHARA SUNRISE.EXEが20- 19で勝利を収めた。
昨年の年間準優勝チームであるFLOWLISH GUNMA.EXEと、今年初参戦のUENOHARA SUNRISE.EXEの対決となったファイナルは、UENOHARA SUNRISE.EXEが李のカッティング・レイアップで先制し、さらに山桑惠望がドライビング・レイアップと2Pショットで連続得点を奪い、序盤は4-0とリードした。しかしFLOWLISH GUNMA.EXEの高橋がミドルジャンパーで1点返したところから、徐々に流れが変わっていった。高橋はさらに2Pショット、ドライビング・レイアップと畳みかける。

ファイナルで果敢なアタックを見せる高橋
UENOHARA SUNRISE.EXEは、吉武忍がフリースロー1本と2Pショットで連続得点を奪ったところで再び8-4とリードを4点に広げた。しかしFLOWLISH GUNMA.EXEは、ここでも高橋のオフェンスを軸に5点を連取するとともにディフェンスのギアも高めて9-8と一気に逆転に成功。オフィシャル・タイムアウトの時点では9-10と1点を追う立場だったが、10-10の同点に追いつく横井美沙のフリースローから12-4のビッグランを繰り出し、21-14のノックアウト勝ち。幸先良い開幕ラウンド制覇となった。
☆3x3.EXE PREMIER 2025女子開幕ラウンド最終結果
予選プール(4/26)
グループA 1位=FLOWLISH GUNMA.EXE(2勝)、2位=SAKU REGION.EXE(1勝1敗)、3位=TAITO OWLS.EXE(2敗)
グループB 1位=TOKYO VERDY.EXE(2勝)、2位=ST-KASUMI.EXE(1勝1敗)、3位=TONO VALKYRIES.EXE(2敗)
グループC 1位= UENOHARA SUNRISE.EXE(2勝)、2位=ECHAKE-NA NOTO.EXE(1勝1敗)、3位=SANJO BEATERS.EXE(2敗)
※各グループ1位の3チームと、2位の中で最高成績の1チームが決勝トーナメントに進出
決勝トーナメント(4/27)
セミファイナル
FLOWLISH GUNMA.EXE(グループA1位) 21-10 SAKU REGION.EXE(グループA2位)
UENOHARA SUNRISE.EXE(グループC1位) 20-19 TOKYO VERDY.EXE(グループB1位)
ファイナル
FLOWLISH GUNMA.EXE 21-14 UENOHARA SUNRISE.EXE
☆開幕ラウンドMVPに輝いた高橋芙由子(FLOWLISH GUNMA.EXE)のコメント

開幕ラウンドでMVPに輝いた高橋芙由子(©月刊バスケットボール)

スーパードライ賞の横井美沙もにっこり(©月刊バスケットボール)
——決勝トーナメントでのチームのプレーぶりについて
アウトドアでのプレーで風の影響を受けていたのもありましたが、試合の入りで集中し切れていませんでした。どこか“ふわっと”入っちゃって…。最初から、ファイナルの終盤に発揮したのと同じぐらいの集中度を持って入らなければいけないというところが反省点です。
ディフェンスとかリバウンドの強度が、スタートのところでゆるいのは課題。どのチームも映像を見てそこをついてくるでしょう。ウチのインサイドが強いのは誰が見てもわかるので、「それなら外から打っていこう」という戦法になってくると思うんですけど、出だしで今日のような展開にならないように今後はやっていきたいなと思います。
——今シーズン開幕ラウンドを、全試合ノックアウトでの優勝という最高の形で終えられたことについて
課題はあるにしても、接戦からでも勝ち切れたのはすごくよかったです。ポストアップだとか、オフェンス面で全員がファイトできたし、ディフェンスでもファイトする姿勢を他のチームに示せたと思います。今日は突き放されたところで大橋さん(#37大橋実奈)の2Pが飛び出したし、ディフェンスで横井さん(#1横井美沙)、井齋さん(#8井齋沙耶)が泥臭いところを頑張ってくれたのが大きかったです。
今年はチームで「オールタフ」という年間のスローガンを掲げているので、今回出場した選手だけではなく、ベンチで応援してくれたメンバーも含め、誰がコートに出てもそれを表現していきたいと思っています。
——今季個人的に念頭に置いている目標など
MVPを取りに行くという感覚はあまりないんですけど、自分が点を取りに行く姿勢を見せ、結果としてちゃんと点を取ってくるのは、チームの流れを作る上ですごく大事です。チームで点を取りに行くというのはもちろんのことなんですけど、自分の意識としては21得点しにいくくらいのつもりで常にプレーしていきたいなと思っています。自分が攻めないでパスばかり狙ってしまうと、今日のような苦しい流れになってしまうと思うので、得点を狙う、そして取ってくることがチームの流れを作ることにつながるのを常に念頭に置いて、プレーしていきたいです。
文/柴田健
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