月刊バスケットボール10月号

Wリーグ

2025.04.13

富士通がデンソーをシャットアウトし逆王手[Wリーグファイナル]

富士通が逆王手!



『京王電鉄 presents Wリーグプレーオフ 2024-25 ファイナル』第4戦が413日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都・調布市)で行われた。今シーズンのファイナルは3戦先勝方式に変更され、2週にわたり最大5ゲーム開催されるタフなシリーズとなっている。富士通レッドウェーブ、デンソー アイリスという昨年と同じ顔合わせとなった頂上決戦は、第1戦は富士通が圧勝したものの、第23戦はデンソーが制し、21敗と王手をかけた。



初優勝の懸かるデンソー、連覇に向けて最終戦に望みをつなげたい富士通の戦いは、出だしから両者の気持ちが入ったプレーが続き、序盤は互角な戦いを見せる。その後、富士通はジョシュア ンフォンノボン テミトペがインサイドで力強いプレーで連続してゴールを決めて15-8とリードを奪う。

2Qに入ると藤本愛妃、赤木里帆、宮下希保が得点を重ね、富士通がいい流れを継続。一方のデンソーは馬瓜エブリンがこのクォーター2本、高田真希も1本の3Pシュートを決めるなど反撃し、23-27とその差を4点まで詰めて前半を終えた。





互いにディフェンスを引き締める後半、富士通の赤木がバスケットカウント、ショットクロック間際に苦しい体制からシュートを決めて、流れを引き戻す。さらにテミトペがインサイドで優位に立ち、オフェンスリバウンドから得点につなげていく。

対するデンソーは点が入らない時間帯が続いてしまい、ずるずると点差を開かれ、29-4415点のビハインドを背負ってしまう。

4Qに入っても、デンソーはなかなか効果的な得点を重ねられない状況が続き、富士通は赤木が3Pシュートを決めて53-3320点差と勝負を決定付けた。

64-35で敗れたデンソーの赤穂ひまわりは「35点というのは、もう少し、自分たちがやれることがあったと思います」と後半のオフェンスに対して振り返ったように、デンソーは富士通ディフェンスの前に後半12点しか取れずに終わった。


「今日は出だしから40分間粘り強いディフェンスができました」と富士通のBTテーブスHCは話したが、前日の第3戦ではデンソーに76点を奪われたディフェンスを修正。特に24点を取られたエース、高田真希をこの試合では9得点に封じ込めた。

ディフェンスでマッチアップすることが多い富士通の宮澤夕貴は「私ひとりの力で守ったわけではありません。周りがしっかりとシュリンク(インサイドを引き締めて)して、ヘルプしてくれたおかげで高田選手の得点を抑えられました」と明かしたように、富士通のチームディフェンスが機能した結果となった。

オフェンス面では、テミトペと並び、チーム最多の14得点で流れを引き寄せた赤木は「誰かに頼るのではなく、自分の役割をしっかりと果たさなければと思っていました」と強い気持ちでプレーした。



Wリーグのトップを争う富士通とデンソー。今季のレギュラーシーズンでは22敗、そしてファイナルでも22敗とまったくの五分。また、昨年12月の皇后杯では準決勝で対戦し、勝利した富士通が優勝を遂げている。ファイナル第5戦は今季10回目の対戦であり、お互いを知り尽くした最終決戦。富士通がWリーグ連覇、今シーズン皇后杯との2冠を達成するのか、それともデンソーが悲願の初優勝を遂げるのか。Wリーグのクライマックスの行方を見届けよう。





京王電鉄 PresentsWリーグプレーオフ 2024-2025【ファイナル】
セミファイナルの勝者2チームによる3戦先勝方式
<2025年4月5日(土)~14日(月)>
開催地:武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(東京都調布市西町290-11)
セミファイナル【Game2】の勝者vs セミファイナル【Game1】の勝者
5日(土) 富士通 63-49 デンソー
6日(日) デンソー 69-67 富士通
12日(土) デンソー 76-53 富士通
13日(日) 富士通 64-35 デンソー
14日(月) 19:00



文・飯田康二/写真・石塚康隆

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