デンソーが悲願の初優勝に王手[Wリーグファイナル]
『京王電鉄 presents Wリーグプレーオフ 2024-25 ファイナル』第3戦が4月12日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都・調布市)で行われた。先週末、4月5日に行われた第1戦は2Qに爆発した富士通レッドウェーブが63-49でデンソー アイリスに圧勝。翌6日の第2戦は後半巻き返したデンソーが69-67と僅差の勝利を挙げ、1勝1敗とファイナルシリーズをタイとした。5日間のブレイクを挟んで行われた第3戦は、これまでの2試合と違った展開を見せた。
1Qは富士通はジョシュア ンフォンノボン テミトペが、デンソーは馬瓜エブリン、高田真希がそれぞれオフェンスを引っ張っていく。そうした中、デンソーがテミトペへのパスをスティールするなど、ディフェンスから流れをつかむと、高田が3Pシュートも決めてチームに勢いを付ける。19-12とデンソーがファイナル3試合目にして初めて、1Qでリードを奪う立ち上がりを見せた。2Qに入っても引き続きデンソーが積極的なオフェンス、ディフェンスを繰り広げその差を2桁に開いていく。

富士通は宮澤夕貴、町田瑠唯が3Pシュートを決めるなど追い上げムードを作るが、その度にデンソーは勝負強く決め返し、流れを渡さない。前半終了間際には富士通の林咲希がシリーズ初となる3Pシュート、さらに内尾聡菜も続き、1桁差に詰めるが、デンソーは高田が決め返し40-29で前半を終えた。高田は前半だけで17得点の活躍でチームを鼓舞する。
後半に入ると町田がいきなり3Pシュートを決めるなど、積極的に富士通オフェンスをけん引。両チーム、ディフェンスが厳しさを増すなか、そのディフェンスから得点につなげた富士通が徐々に点差を詰めていく。一時は46-47と1点差まで詰め寄るもデンソーは川井麻衣の3Pシュート、梅木千夏のスティールから高田がシュートを決め、52-46とその差を6点に戻して3Qを終えた。
最終クォーターに入ると、ディフェンスから得点につなげたのはデンソー。ジリジリと点差を広げると、高橋未来がドライブ、3Pシュートと試合を決める働きを見せた。ディフェンスの強度を緩めることなく、シュートを決め続けるデンソーはみるみる富士通を突き放し76-53で2勝目を挙げた。
デンソーのヴラディミール・ヴクサノヴィッチHCは「プレーオフ、ファイナルといった戦いではディフェンスがカギになります」と話したが、デンソーはそのディフェンスからリズムをつかみ、オフェンスでも要所のシュートを決め切る勝負強さを見せた。
一方、敗れた富士通のBTテーブスヘッドコーチは「大事なゲームで19ものターンオーバーが出てしまいました」とデンソーのディフェンスの前に、自チームにミスが多発したことを指摘。「チャンピオンシップを戦うチームが、これだけミスが出てしまっては勝てません。また、デンソーさんはシュートを決め切り、うちは決められるシュートも決められませんでした」と厳しい言葉を口にする。
セミファイナルでシャンソン化粧品シャンソンVマジックを相手に初戦を落とした後、2連勝でファイナルに進出を果たしたデンソーだが、この試合最多の24得点を記録した高田は「セミファイナルも、ファイナルも1試合目の入りが悪かったのですが、それを反省し、自分たちの悪いところが出ないように、強気にプレーすることができました。厳しい状況のときも、全員で励まし合って、声をかけあってプレーすることができました」とチーム状況の良さを話した。
初優勝に王手をかけたデンソー。明日の第4戦で悲願を手にすることができるか。Wリーグ連覇、皇后杯との2冠を目指す現・女王が再びファイナルをタイに戻すか。死力をかけた戦いが明日も繰り広げられる。
京王電鉄 PresentsWリーグプレーオフ 2024-2025【ファイナル】
セミファイナルの勝者2チームによる3戦先勝方式
<2025年4月5日(土)~14日(月)>
開催地:武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(東京都調布市西町290-11)
セミファイナル【Game2】の勝者vs セミファイナル【Game1】の勝者
5日(土) 富士通 63-49 デンソー
6日(日) デンソー 69-67 富士通
12日(土) デンソー 76-53 富士通
13日(日)14:00
14日(月)19:00
文・飯田康二/写真・石塚康隆