デンソー逆転勝利で1勝1敗のタイに、第3戦は4/12[Wリーグファイナル]
デンソー勝利でタイに
『京王電鉄 presents Wリーグプレーオフ 2024-25 ファイナル』第2戦が4月6日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都・調布市)で行われた。前日に開催された第1戦は2Qに爆発した富士通レッドウェーブが63-49でデンソー アイリスに勝利。富士通は勢いのまま連勝を、デンソーは前半で勝負を決められたような一戦のあと、どう巻き返せるのかが注目のポイントとなった。
第1戦に続き、好調な出だしを見せたのは富士通。一方、デンソーも髙田真希がバスケットボールカウントを決め切るなど、第1戦に欠けていた積極性を出し、しっかりと付いていく。そんなデンソー以上の積極性を見せたのが富士通の赤木里帆。ドライブ、3Pシュートと1Qだけで11得点。第1戦では、スターターの中で5番目となる5得点に終わった赤木の活躍は、デンソーのディフェンスを混乱させることになった。

1Qで20-11と先手を取った富士通は、2Qも引き続き赤木が積極的に攻め続け、さらに内尾聡菜のドライブも効果的に決まる。デンソーも前日の反省から、しっかりとペイントアタックをして攻め込んではいるものの、それを超える富士通のオフェンス力が光り、42-32と2桁リードで前半を終えた。
デンソーはシュートチャンスを作れているものの、成功率が上がらずに我慢のゲームを強いられていたのだが、そんな流れが後半に入ると変わる。オフェンスリバウンドから連続得点につなげると、ディフェンスでもアグレッシブさを増し、梅木千夏が町田瑠唯のドリブルをスティール。そのままファストブレイクに持ち込む。さらに町田にダブルチームを仕掛けるなど、富士通のリズムを崩していく。攻めては梅木が3Pシュート、馬瓜エブリンがジャンパーで続き、11連続得点で43-42と逆転に成功する。その後、富士通も前半好調の赤木、内尾が得点を重ね、デンソーに対抗するも、エブリンが3Pシュート、バスケットカウントを決めて55-50と5点差をつけて最終クォーターに入った。

富士通は宮澤の3Pシュートで4Qがスタート。すると、そこからはお互いに点を取り合う展開で63-61とデンソーがわずかワンゴールのリード。するとここから3分近く両チームの得点が止まる。その均衡を破ったのは富士通の町田瑠唯。満を持して放った3Pシュートを射抜き、64-63と富士通がリードを奪い返す。このシュートで富士通に流れが傾きかけるが、この日のデンソーは積極性を失わず、梅木が3Pシュート、エブリンが連続してジャンプシュートを決めるなど対抗。最後まで競り合いとなったゲームを69-67でしのぎ、ファイナルシリーズを1勝1敗のタイに戻した。

「昨日の大差での敗戦からカムバックしたチームを誇りに思う」とデンソーのヴラディミール・ヴクサノヴィッチHC。
チームに活力をもたらしたエブリンは「個々がしっかりと修正して帰ってこられるのがデンソーの強さ」と敗戦から立ち直れた要因を話す。また「出だしでリードされたときも、チーム全員で声を掛け合った」と梅木が語るように、チーム全員で富士通に立ち向かった結果のカムバックだった。
敗れた富士通のBTテーブスヘッドコーチは「後半、相手のディフェンス・プレッシャーに引いてしまった。ターンオーバーが出て、オフェンスリバウンドも取られました。デンソーさんのハングリー精神に負けてしまいました。チャンピオンになるためには乗り越えなければなりません」と振り返った。
ファイナルシリーズ第3戦以降は、5日間のブレイクを挟み4月12日から行われる。この間、両チームがどのようにコンディションを整え、戦略をアジャストしていくかが優勝への大きなカギとなる。ここまでの2試合と違った攻防が見られる第3戦に注目したい。
京王電鉄 PresentsWリーグプレーオフ 2024-2025【ファイナル】
セミファイナルの勝者2チームによる3戦先勝方式<2025年4月5日(土)~14日(月)>
開催地:武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(東京都調布市西町290-11)
セミファイナル【Game2】の勝者vs セミファイナル【Game1】の勝者
5日(土) 富士通 63-49 デンソー
6日(日) デンソー 69-67 富士通
12日(土)15:00
13日(日)14:00
14日(月)19:00

文/飯田康二(月刊バスケットボール)、写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)