ミズノ&東海大九州が20年近く続くキャンプを今年も開催!心技体を鍛える場に

「TOKAI & MIZUNO BASKETBALL CAMP 2025」が、3月22日から25日の4日間、東海大付熊本星翔高と東海大九州キャンパスの体育館にて開催された。
九州エリアを中心とした男子12チーム、女子8チームの計20チームが集結。交歓試合や参加者に向けたクリニック、昨年7年ぶりに発売されたミズノの新作シューズ「WAVE TRANSISTA(ウエーブトランジスタ)」の紹介などが行われた。

東海大九州キャンパスとミズノが共同で主催する本キャンプは、20年近くの歴史を持つ伝統ある大会だ。毎年春の新チーム始動期に開催され、参加する高校生たちが東海大九州キャンパスの大学生に胸を借り、また仙台大明成高などの全国屈指の強豪校と切磋琢磨することで、技術のみならず心や体をタフに鍛え上げることを目指している。
現在NBAのレイカーズで活躍する八村塁も、明成高出身で、本キャンプに参加経験のある選手の一人。東海大九州キャンパスの元炳善(ウォン・ビョンソン)監督は「以前八村選手と再会した際、『熊本遠征、嫌でしたよ』と笑っていました」と明かす。このように、タフなキャンプで鍛えられた選手たちの中から、BリーグやNBAで活躍するプロ選手が輩出されているのだ。

仙台大明成高は、創部初期から毎年キャンプに参加している。今は亡き佐藤久夫コーチもこのキャンプを春先のチーム作りにおける重要なポイントとしており、それは教え子の畠山俊樹コーチに引き継がれた今も変わらない。同校で長年アシスタントを務める高橋陽介コーチは、「僕らのチーム作りの段階として、東北新人が終わるとトレーニング期に入ります。このミズノキャンプは、チームの連係というより、フィジカル面や体力面、精神力の強化を確認できる良い機会だと捉えています」と語る。また、宮城県からはるばる熊本県まで遠征することで「飛行機での移動、慣れない土地での試合は、多少なりともストレスになる。それが、過酷な全国大会を戦うためのいい経験になります」と、遠征による成長の機会も重視している。

全国から集まってきた強豪校に対し、手を抜くことなく全力を尽くすのが東海大九州キャンパスの大学生たちだ。元監督は「技術も大事だけれど、一番大切なのは試合に取り組む姿勢です。我々も、ただバスケットがうまいだけのチームにはしたくない。一生懸命ひたむきに頑張るチームを目指しています。『大学生ってこんなに一生懸命頑張るんだ、走るんだ』と感じてもらえたら、それが高校生にも刺激になると思うので、大学生たちには一切手を抜かずに細かい部分まで徹底することを求めています」と言う。実際、参加した監督たちからも「東海大と戦うと勉強になる」「得るものが多い」といった声が聞かれた。

大会2日目の23日には、元監督がバスケットボールクリニックを開催。東海大九州キャンパスの大学生たちがデモンストレーションをしながら、「ドロップゾーン」や「シュート」などの基本技術を丁寧に解説した。特にシュート指導では、かつてシューターとして名を馳せた元監督ならではの独創的な指導法が展開。アーチの高さを意識させるための椅子を使ったシュート練習や、バックボード裏からのシュートなど、ユニークかつ実践的な練習メニューが紹介され、高校生たちは熱心に耳を傾けていた。



WAVE TRANSISTAを履いてクリニックし、「軽くてスタッフにもおすすめ」と元監督
同日には、ミズノの新作シューズ「WAVE TRANSISTA(ウエーブトランジスタ)」も紹介され、観客席に試し履きブースが設置された。このシューズは1on1に特化した機能性を備え、ローカットながら足首周りのフィット感を高めた構造。クロスオーバーやサイドステップなど、1対1を仕掛ける際の素早い横のフットワークをサポートしてくれる。かかとのクッションは反発に優れたミズノ独自素材を採用し、前後の縦方向の動きやジャンプなど垂直方向の動きにも対応。また、ソールとフロアの接地面を広げることで、急激な切り返しにも安定して付いていける設計となっている。試し履きブースでは、発売中のWAVE TRANSISTAのみならず、開発段階の試作品などもあり、多くの選手たちが興味深そうにチェックしていた。

試し履き用のため分かりやすくシューズサイズのシールが貼られている

今年発売予定で現時点では未発売の新色WAVE TRANSISTA
実際に試合で「WAVE TRANSISTA」を選んで履いている選手もいた。着用の感想を尋ねると、とある女子選手は「すごく軽くて履いている感があまりない。ジャンプしやすい」と語り、また別の女子選手は「軽くて走りやすい」と評価。男子選手からは「踏み込むときや、1対1のときの切り返しがしやすいです。かかとの部分のクッションもしっかりしているので安心してプレーできるし、色もシンプルで気に入っています」という意見が聞かれた。



参加チームの選手たちにとって、全国屈指の強豪校との対戦や東海大九州キャンパスの大学生との交流は、バスケットボールの技術向上はもちろん、試合に向き合う姿勢や精神面での成長にもつながる貴重な機会となった。ミズノは今後も、選手たちの成長を支える機会づくりをサポートしていく。

【出場チーム】
男子(12チーム)
・東海大九州キャンパス(熊本)
・東海大付熊本星翔高(熊本)
・仙台大明成高(宮城)
・熊本工高(熊本)
・佐世保工高(長崎)
・長崎工高(長崎)
・開新高(熊本)
・玉名工高(熊本)
・柳川高(福岡)
・高知高(高知)
・帝京高(東京)
・東海大付相模(神奈川)
女子(8チーム)
・東海大九州キャンパス(熊本)
・東海大付熊本星翔高(熊本)
・熊本商高(熊本)
・長崎女高(長崎)
・柳川高(福岡)
・藤蔭高(大分)
・熊本第一高(熊本)
・鳳凰高(鹿児島)
写真/山岡邦彦 文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)