池内勇太GMと振り返る千葉ジェッツの前半戦「苦しい経験がこれから先、必ず生きてくる」

NBAで6シーズンを戦った渡邊雄太がBリーグ参戦を表明し、所属先の発表を多くのファンが待ち望んだ。その中で彼を獲得したのは千葉ジェッツ。富樫勇樹や原修太、ジョン・ムーニーら既存のスター選手と合わせた豪華ロスターを形成し、優勝候補本命としてシーズンを迎えた。
しかし、開幕2戦目でその渡邊が負傷離脱すると、立て続けに期待の新戦力ディー・ジェイ・ホグ、さらにジョン・ムーニーもケガで離脱するなど、なかなかフルメンバーで戦えないもどかしい期間が続いた。オールスターブレイクを前に19勝11敗と勝ち越してはいたものの、順位は東地区の3位と苦しんだ。そんな、前途多難なシーズン前半戦を池内勇太GMへのインタビューで振り返る。
※取材は2月2日の第20節ゲーム2後に実施

「初めての経験」だった
──オールスターブレイクが明けてからここまで3勝2敗という結果です。今日の横浜ビー・コルセアーズとのゲーム2に勝利(76-71)し、少し落ち着きましたね。
そうですね。本当に開幕してから試練が続いているなというのが率直な感想です。開幕2戦目で雄太がケガをして、彼が戻ってきたかと思えば、今度は琉球ゴールデンキングスとのゲーム2後に今度はDJがケガ、ムーン(ムーニー)もずっと我慢していたものが限界を迎えてしまったという感じで、一旦休まなければいけない状況でした。これまでずっとGMという仕事をしていますが、同時に2人の外国籍選手が欠場して、かつそれが2人ともビッグマンだというのは初めての経験でした。DJに関しては当初は早めに復帰できる予定ではあったのですが、毎週トライしてはダメ、トライしてはダメという感じで、一時的に新しい選手を入れるべきかという判断も難しかったです。今週はいけるのか、いけないのかというところで彼には期待していた部分ももちろんあるので、難しい期間が続いたなと思います。
──ムーニー選手をインジュアリーリストに登録し、ジョナサン・ウィリアムズ選手をチームに迎えました。彼の貢献は大きかったのではないですか?
そのとおりで、J3(ウィリアムズの愛称)が本当に献身的に、自分のできることを最大限にやってくれました。彼は性格も抜群に良く、チームにすぐにフィットしてくれました。そういった意味ではこのプロセスや彼の想いも今後につなげていかないといけないと感じています。まだケガをしている選手もいますが、今節はようやくメンバーがそろってきました。ゲーム1は悔しい結果でしたし、今日もベストゲームではなかったかもしれませんが、勝ち切れたことは評価しなければいけないなと思います。
──新加入選手が多く、トレヴァー・グリーソンHCもBリーグでの指揮は初めてです。選手と戦術をフィットさせる苦労も大きいと思いますが、現状その辺りはどう見ていますか?
開幕してすぐに雄太がケガをしてしまいましたが、それ以降しばらくはほかの選手はそろっている状況だったので、良い状態で進めていたのかなと思います。ですが、そこからはどちらかというと選手個人の個性を出して勝ってきたところがありました。勇樹とも話しましたが、今のBリーグは個人技だけでチャンピオンシップ(CS)を勝ち上がれるリーグではありません。
トレヴァーコーチの考えるシステムと、僕たちが得意とするハイペースな展開とタレントの能力を合わせなければいけない。ただ、それを合わせていくにも、軸となる選手が2人欠場してしまったので、本来の役割でないこともそれぞれが補っていた状態でした。選手もコーチもかなり悩ましい状況で、想像以上にうまくいかない期間を過ごしてしまったなというのがここまでです。

ムーニーは横浜BCとのシリーズで復帰を果たした
──仮に復帰したとしても、そこから本来のゲームシェイプに戻すのにも時間がかかります。
そこも大きく感じています。何とかいろいろな選手を試しながら戦っていますが、なかなか『これだ』というチームの方向性をつかめているようでつかみ切れていませんでした。トレヴァーコーチもそれを作ろうとして、こだわってやってくれてはいるのですが、やっぱりそこでなかなか勝てなかったので、選手たちに成功体験を与えることができませんでした。そういう部分はやはり信頼関係などにも影響してくると思いますし、決して雰囲気が悪いとか、信頼がないということは全くないのですが、『こうやっていけば勝てるよね』という勝ち方をまだつかめていない印象です。
──タレントが多い分、選手起用の難しさもありますね。
はい。どうしてもタレントが多い分、みんながゴー・トゥ・ガイ(勝負どころの主役)になってしまうときもあって、じゃあ勝負どころでどうするのかという共通認識のようなものがまだできていないのかなと思います。もちろん、スカウティングをしっかりとして相手にアジャストしていかなければいけない部分もあるのですが、まだまだオフェンスもディフェンスも遂行力が低いです。
タレントが多いことで起用が難しくなるのは贅沢な悩みではあるので、まずは『自分たちはこうやって戦うんだ』というものをしっかりと作っていくことに尽きるのかなと思います。本来であれば前半戦でそれを作るところを、ケガによってそれが作れずに後手に回ってしまってはいますが、逆にいえばこうした苦しい思いをしたことは、CSで必ず生きてくると信じています。これからは本当に負けられない試合が続きますが、もう一度チームとしての軸しっかりと作って戦っていきたいです。
──昨季もケガ人やコンディション不良に悩まされる時期が続きましたが、少し意味合いが違いますね。昨季は天皇杯や東アジアスーパーリーグ(EASL)があったことで「そこでリズムをつかむことができた」と富樫選手が話していました。今回はその2大会への出場がないですが、その分、練習に割ける時間が増えますね。
そうですね。昨季は勝ってタイトルを取ることによって良くなっていったシーズンでした。もちろん、シーズン途中にゼイビア(クックス)が入ってくれたり、クリス(クリストファー・スミス)が戻ってきてくれたりといったこともありましたが、その2つの大会がないことは勢いの作りづらさにはなるかもしれません。ただ、おっしゃるようにポジティブな側面はレギュラーシーズンだけにフォーカスできることです。相手ごとにどうやって戦っていくかに、じっくりと時間を使えるので、そこにフォーカスして良い状態でCSにつなげなければなりません。そこは全員の共通理解としてあるので、とにかく進んでいくしかありません。

順風満帆でないからこそ
──ブースターやファンの中には不安を感じている方もいるかと思います。
そうだと思います。すばらしいアリーナができて、毎試合1万人のブースターの皆さまにお越しいただいている中、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。なかなか良いゲームをお見せできていないし、ブースターの皆さんもスポンサー様もモヤモヤしている方はいると思います。それは選手も同じです。繰り返しになってしまいますが、こればかりはチーム一丸となって、目の前の試合にしっかりと勝ってCSに向かっていくしかありません。まずはチームの中から自分たちを信頼して、選手とコーチ、選手同士が信頼関係をしっかりと作っていくこと。それを構築している最中なので、皆さんには期待して見守っていただければと思っています。
それに今日のミーティングでも、『これをやらないとCSで戦えない。でも、しっかりと遂行できれば優勝できる』といった言葉も飛び交っていましたし、みんな頭では分かっているんです。あとは選手それぞれがやりたいことと、自己犠牲を払わなければいけないことのバランスを取ることです。本当に細かなディテールの部分ですが、そこをつかむことができれば必ず結果は付いてきます。
──苦しい時期を経験したことが、後々生きてくる可能性もありますね。
はい。もしかしたら、ケガがなければ高い順位で前半を折り返して、周囲からは「やっぱりジェッツは強い」と言われていたんじゃないかと思っていて、もしそうなっていたら2季前の状況に近かったです。チームというのは本当に生物で、いくらレギュラーシーズンを順調に過ごしていたとしても最後なかなか勝てないのがCSです。それはコンディションの良い悪いももちろんありますが、ゲームに向かうメンタルや、チームとしてそれぞれがピースになれているか、本当の勝負どころでチームとして力を発揮できるかだと思います。2022-23シーズンは24連勝のリーグ記録や53勝7敗(.883)のリーグ最高勝率を記録したシーズンで、今季同様にタレントがそろうチームでした。しかし、最後の最後に万全は状態で臨めなかったことが結果につながりませんでした。
今振り返ると、レギュラーシーズン中に何か問題が起こったときにどうするのかをつかめなかった部分はあったのかなと思います。当時は問題が起こっていたとしても「勝っているから大丈夫」という慢心になってしまっていたことが、最後の最後で露骨に出てしまった。「これくらいで戦える」「誰かがシュートを決めてくれるだろう」というところに、相手がハードなプレーをしてきて「おかしいな?」となって結局そのまま連敗してファイナルが終わってしまったというか。細かく言えば当時、体調不良者がいたとか、いろいろありますが、そういう良くない部分を今季はシーズン中に出せているのはある意味では良いことかなと思います。「こういうときはこうだっけ?」「あの選手はこう考えていたんだ」「ディフェンスのスイッチのタイミングはこれでよかったのか?」といったすごく細かなところまで今は話せている状況です。そうしたコミュニケーションをシーズンの前半戦で取れていた分、少々やられたとしてもみんなでリカバリーできるような形にはなってきていると思いますし、こういう苦しい経験がこれから先、必ず生きてくると僕は思います。
やはりシーズン中に苦しい時間に、いかに共通認識や共通言語で入れるかがとても重要です。今季の前半戦は言い訳できる状態ではありましたが、言い訳をせず、今プレーできる選手でどうやれば勝てるかを全員が本気で考えていました。前の千葉ジェッツなら投げ出しそうになっていたシーンもあったと思いますが、悪い中でもこれまでの経験値や選手のメンタルも成長した部分も感じられましたし、この苦しい前半戦で得たものは今後の戦いに必ず影響し、ウィニングカルチャーのある千葉ジェッツを更に強固にし、もっと強い千葉ジェッツが形成されると確信しています。
──「苦しい時期があって良かった」と最後には言えたら最高ですね。
そうですね。結果が必ず付いてくると信じています。
しかし、開幕2戦目でその渡邊が負傷離脱すると、立て続けに期待の新戦力ディー・ジェイ・ホグ、さらにジョン・ムーニーもケガで離脱するなど、なかなかフルメンバーで戦えないもどかしい期間が続いた。オールスターブレイクを前に19勝11敗と勝ち越してはいたものの、順位は東地区の3位と苦しんだ。そんな、前途多難なシーズン前半戦を池内勇太GMへのインタビューで振り返る。
※取材は2月2日の第20節ゲーム2後に実施

「初めての経験」だった
2人の外国籍ビッグマンの同時離脱
──オールスターブレイクが明けてからここまで3勝2敗という結果です。今日の横浜ビー・コルセアーズとのゲーム2に勝利(76-71)し、少し落ち着きましたね。そうですね。本当に開幕してから試練が続いているなというのが率直な感想です。開幕2戦目で雄太がケガをして、彼が戻ってきたかと思えば、今度は琉球ゴールデンキングスとのゲーム2後に今度はDJがケガ、ムーン(ムーニー)もずっと我慢していたものが限界を迎えてしまったという感じで、一旦休まなければいけない状況でした。これまでずっとGMという仕事をしていますが、同時に2人の外国籍選手が欠場して、かつそれが2人ともビッグマンだというのは初めての経験でした。DJに関しては当初は早めに復帰できる予定ではあったのですが、毎週トライしてはダメ、トライしてはダメという感じで、一時的に新しい選手を入れるべきかという判断も難しかったです。今週はいけるのか、いけないのかというところで彼には期待していた部分ももちろんあるので、難しい期間が続いたなと思います。
──ムーニー選手をインジュアリーリストに登録し、ジョナサン・ウィリアムズ選手をチームに迎えました。彼の貢献は大きかったのではないですか?
そのとおりで、J3(ウィリアムズの愛称)が本当に献身的に、自分のできることを最大限にやってくれました。彼は性格も抜群に良く、チームにすぐにフィットしてくれました。そういった意味ではこのプロセスや彼の想いも今後につなげていかないといけないと感じています。まだケガをしている選手もいますが、今節はようやくメンバーがそろってきました。ゲーム1は悔しい結果でしたし、今日もベストゲームではなかったかもしれませんが、勝ち切れたことは評価しなければいけないなと思います。
──新加入選手が多く、トレヴァー・グリーソンHCもBリーグでの指揮は初めてです。選手と戦術をフィットさせる苦労も大きいと思いますが、現状その辺りはどう見ていますか?
開幕してすぐに雄太がケガをしてしまいましたが、それ以降しばらくはほかの選手はそろっている状況だったので、良い状態で進めていたのかなと思います。ですが、そこからはどちらかというと選手個人の個性を出して勝ってきたところがありました。勇樹とも話しましたが、今のBリーグは個人技だけでチャンピオンシップ(CS)を勝ち上がれるリーグではありません。
トレヴァーコーチの考えるシステムと、僕たちが得意とするハイペースな展開とタレントの能力を合わせなければいけない。ただ、それを合わせていくにも、軸となる選手が2人欠場してしまったので、本来の役割でないこともそれぞれが補っていた状態でした。選手もコーチもかなり悩ましい状況で、想像以上にうまくいかない期間を過ごしてしまったなというのがここまでです。

ムーニーは横浜BCとのシリーズで復帰を果たした
──仮に復帰したとしても、そこから本来のゲームシェイプに戻すのにも時間がかかります。
そこも大きく感じています。何とかいろいろな選手を試しながら戦っていますが、なかなか『これだ』というチームの方向性をつかめているようでつかみ切れていませんでした。トレヴァーコーチもそれを作ろうとして、こだわってやってくれてはいるのですが、やっぱりそこでなかなか勝てなかったので、選手たちに成功体験を与えることができませんでした。そういう部分はやはり信頼関係などにも影響してくると思いますし、決して雰囲気が悪いとか、信頼がないということは全くないのですが、『こうやっていけば勝てるよね』という勝ち方をまだつかめていない印象です。
──タレントが多い分、選手起用の難しさもありますね。
はい。どうしてもタレントが多い分、みんながゴー・トゥ・ガイ(勝負どころの主役)になってしまうときもあって、じゃあ勝負どころでどうするのかという共通認識のようなものがまだできていないのかなと思います。もちろん、スカウティングをしっかりとして相手にアジャストしていかなければいけない部分もあるのですが、まだまだオフェンスもディフェンスも遂行力が低いです。
タレントが多いことで起用が難しくなるのは贅沢な悩みではあるので、まずは『自分たちはこうやって戦うんだ』というものをしっかりと作っていくことに尽きるのかなと思います。本来であれば前半戦でそれを作るところを、ケガによってそれが作れずに後手に回ってしまってはいますが、逆にいえばこうした苦しい思いをしたことは、CSで必ず生きてくると信じています。これからは本当に負けられない試合が続きますが、もう一度チームとしての軸しっかりと作って戦っていきたいです。
──昨季もケガ人やコンディション不良に悩まされる時期が続きましたが、少し意味合いが違いますね。昨季は天皇杯や東アジアスーパーリーグ(EASL)があったことで「そこでリズムをつかむことができた」と富樫選手が話していました。今回はその2大会への出場がないですが、その分、練習に割ける時間が増えますね。
そうですね。昨季は勝ってタイトルを取ることによって良くなっていったシーズンでした。もちろん、シーズン途中にゼイビア(クックス)が入ってくれたり、クリス(クリストファー・スミス)が戻ってきてくれたりといったこともありましたが、その2つの大会がないことは勢いの作りづらさにはなるかもしれません。ただ、おっしゃるようにポジティブな側面はレギュラーシーズンだけにフォーカスできることです。相手ごとにどうやって戦っていくかに、じっくりと時間を使えるので、そこにフォーカスして良い状態でCSにつなげなければなりません。そこは全員の共通理解としてあるので、とにかく進んでいくしかありません。

順風満帆でないからこそ
「すごく細かなところまで話せている」
──ブースターやファンの中には不安を感じている方もいるかと思います。そうだと思います。すばらしいアリーナができて、毎試合1万人のブースターの皆さまにお越しいただいている中、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。なかなか良いゲームをお見せできていないし、ブースターの皆さんもスポンサー様もモヤモヤしている方はいると思います。それは選手も同じです。繰り返しになってしまいますが、こればかりはチーム一丸となって、目の前の試合にしっかりと勝ってCSに向かっていくしかありません。まずはチームの中から自分たちを信頼して、選手とコーチ、選手同士が信頼関係をしっかりと作っていくこと。それを構築している最中なので、皆さんには期待して見守っていただければと思っています。
それに今日のミーティングでも、『これをやらないとCSで戦えない。でも、しっかりと遂行できれば優勝できる』といった言葉も飛び交っていましたし、みんな頭では分かっているんです。あとは選手それぞれがやりたいことと、自己犠牲を払わなければいけないことのバランスを取ることです。本当に細かなディテールの部分ですが、そこをつかむことができれば必ず結果は付いてきます。
──苦しい時期を経験したことが、後々生きてくる可能性もありますね。
はい。もしかしたら、ケガがなければ高い順位で前半を折り返して、周囲からは「やっぱりジェッツは強い」と言われていたんじゃないかと思っていて、もしそうなっていたら2季前の状況に近かったです。チームというのは本当に生物で、いくらレギュラーシーズンを順調に過ごしていたとしても最後なかなか勝てないのがCSです。それはコンディションの良い悪いももちろんありますが、ゲームに向かうメンタルや、チームとしてそれぞれがピースになれているか、本当の勝負どころでチームとして力を発揮できるかだと思います。2022-23シーズンは24連勝のリーグ記録や53勝7敗(.883)のリーグ最高勝率を記録したシーズンで、今季同様にタレントがそろうチームでした。しかし、最後の最後に万全は状態で臨めなかったことが結果につながりませんでした。
今振り返ると、レギュラーシーズン中に何か問題が起こったときにどうするのかをつかめなかった部分はあったのかなと思います。当時は問題が起こっていたとしても「勝っているから大丈夫」という慢心になってしまっていたことが、最後の最後で露骨に出てしまった。「これくらいで戦える」「誰かがシュートを決めてくれるだろう」というところに、相手がハードなプレーをしてきて「おかしいな?」となって結局そのまま連敗してファイナルが終わってしまったというか。細かく言えば当時、体調不良者がいたとか、いろいろありますが、そういう良くない部分を今季はシーズン中に出せているのはある意味では良いことかなと思います。「こういうときはこうだっけ?」「あの選手はこう考えていたんだ」「ディフェンスのスイッチのタイミングはこれでよかったのか?」といったすごく細かなところまで今は話せている状況です。そうしたコミュニケーションをシーズンの前半戦で取れていた分、少々やられたとしてもみんなでリカバリーできるような形にはなってきていると思いますし、こういう苦しい経験がこれから先、必ず生きてくると僕は思います。
やはりシーズン中に苦しい時間に、いかに共通認識や共通言語で入れるかがとても重要です。今季の前半戦は言い訳できる状態ではありましたが、言い訳をせず、今プレーできる選手でどうやれば勝てるかを全員が本気で考えていました。前の千葉ジェッツなら投げ出しそうになっていたシーンもあったと思いますが、悪い中でもこれまでの経験値や選手のメンタルも成長した部分も感じられましたし、この苦しい前半戦で得たものは今後の戦いに必ず影響し、ウィニングカルチャーのある千葉ジェッツを更に強固にし、もっと強い千葉ジェッツが形成されると確信しています。
──「苦しい時期があって良かった」と最後には言えたら最高ですね。
そうですね。結果が必ず付いてくると信じています。
写真/©︎B.LEAGUE、月刊バスケットボール、文/堀内涼(月刊バスケットボール)