月刊バスケットボール1月号

Wリーグ

2025.02.10

初代女王はシャンソン!決勝でデンソーを退ける[Wリーグ ユナイテッドカップ2024ー25]

シャンソンは2Qデンソーを捉える


2月7~9日、Wリーグ ユナイテッドカップ2024ー25ファイナルラウンドが横浜武道館(神奈川県横浜市)で開催された。ユナイテッドカップは今シーズンより2ディビジョン制を敷くことになったWリーグが、ディビジョンを超えたカップ戦として創設した大会である。

昨年の9月に東西に分かれてグループラウンドを行い、西地区からデンソー・アイリスとトヨタ紡織サンシャインラビッツ、東地区からはENEOSサンフラワーズとシャンソン化粧品シャンソンVマジックが勝ち上がった。この4チームに昨シーズン優勝チームの富士通レッドウェーブ(FIBA Women’s Basketball League Asiaに日本代表として出場するためグループステージを免除)を加えた5チームがファイナルラウンドで相まみえた。





デンソーとシャンソンの顔合わせになった決勝戦はデンソー#0馬瓜エブリンの3Pシュートで幕を落とす。#0馬瓜は1Qの5分弱で9得点のパフォーマンスで存在感を発揮した。一方のシャンソンは#45佐藤由璃果、#1小池遥を中心に応戦し、1Qを20-23と3点のビハインドで付いていく。

2Qも先行するデンソーにシャンソンが付いていく展開となったが、シャンソン#4イゾジェ ウチェがインサイドで強さを見せて連続得点、さらに#11堀内桜花からの絶妙なアシストからの得点と34-33と一気に逆転した。#4ウチェとルーキー#11堀内は1学年違いだが、京都精華学園中・高で5年間ともにプレーした間柄。#11堀内のプレータイムはまだ長くないが、2人のコンビプレーはシャンソンの新たな武器となりそうだ。



38-35とシャンソンリードで迎えた後半、点の取り合いとなるものの、シャンソンは#14吉田舞衣らが勝負強くシュートを決めて56-50とリードを保って最終クォーターへ。確率良くシュートを決め続けるシャンソンは、ディフェンスの強度も上がり、徐々に点差を開いていく。デンソーも何度か連続得点を挙げて、追い上げを試みるが、シャンソンは#6白崎みなみ、#1小池らがその流れを断ち切るシュートを決め切る。最後まで集中力を切らさなかったシャンソンが79-63で優勝を遂げた。

「初代王者を目指して臨んできたのでうれしいです。選手たちは良く戦ってくれました。この3日間、勝ち切れたことは大きな財産になる」とベンチで指揮を執るシャンソンの濱口京子アシスタントコーチ。シーズン中断期に行われた大会のため、富士通、デンソーなど一部主力選手を温存するケースも見られたが、シャンソンはシーズン終盤に向けて、さらにギアを上げるための大会と位置付けていた。



レギュラーシーズン3位のシャンソンは1月に入ってから6連勝と調子を上げてきている。ユナイテッドカップでも同4位のENEOS、1位の富士通、2位のデンソーを破り、9戦負けなしと勢いを増す結果となった。
今大会のMVPに輝いた#14吉田は「自分のキャリアの中で、これまで優勝をしたことがなく、初めて優勝できたのはとてもうれしい」と話し、キャプテンの佐藤も「これまで我慢しきれずに負けてしまう試合が多かったのですが、今回は我慢の時間帯を乗り越え、自分たちのペースを取り戻し勝ち切ることができました」と、この大会で得たものを口にした。キャリアの浅い選手が多いシャンソンにとって、シーズン終盤、そしてプレーオフをにらみ、勝利の味を知り、勝ち方を知った経験・自信は大きなものになったに違いない。







『大樹生命 Wリーグユナイテッドカップ 2024-25』ファイナルラウンド結果

《優勝》
シャンソン化粧品 シャンソンVマジック
《準優勝》
デンソー アイリス
【ファイナルステージ 試合結果】
2月7日(金)準々決勝/シャンソン化粧品 シャンソンVマジック 72-63 ENEOSサンフラワーズ
2月8日(土)準決勝①/デンソー アイリス 78-71 トヨタ紡織 サンシャインラビッツ
2月8日(土)準決勝②/富士通レッドウェーブ 69-82 シャンソン化粧品 シャンソンVマジック
2月9日(日)決勝/シャンソン化粧品 シャンソンVマジック 79-63 デンソー アイリス

《表彰者》
【MVP】
吉田舞衣(シャンソン #14)





【ベスト5】ポジション毎に選出
■ポイントガード(PG):木村亜美(デンソー#13)
■シューティングガード(SG):白崎みなみ(シャンソン#6)
■スモールフォワード(SF):吉田舞衣(シャンソン#14)
■パワーフォワード(PF):馬瓜 エブリン(デンソー#0)
■センター(C):イゾジェ ウチェ(シャンソン#4)







文:飯田康二/刊バスケットボール 写真:石塚康隆/月刊バスケットボール

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