月刊バスケットボール1月号

大学

2024.12.13

VAYoreLAも支える江戸川大男女バスケ部のひたむきな挑戦

男女ともに関東2部リーグで奮闘を見せている江戸川大。それぞれ元プロ選手の粂川岳勤監督と石川優希監督が指揮を執り、理想とするバスケットを追い求めながら毎年1部昇格を目指している。バスケットボールウェアブランド「VAYoreLA(バイオレーラ)」がサポートしている同チームに潜入し、練習環境や監督、選手の思いを取材した。

 

千葉県流山市に位置する江戸川大。19904月に開学し、それぞれ3つの学科を持つ「社会学部」と「メディアコミュニケーション学部」で成り立つ。キャンパスは1つ、学生数は20245月時点で2,512名という小規模大学だが、日本中から学生が集まり、留学生も在籍する多様性にあふれた大学だ。


そんな江戸川大において、強化指定部となっているのが男女バスケットボール部。男子部は2003年、女子部は2005年に創部され、2005年に完成した第二体育館をバスケットボール部専用で使用している。さらにはトレーニングルームやトレーナーズルーム、シャワールームなども完備され、選手たちが競技に集中できる充実の環境を誇る。



 

現在指導に当たっているのは、男子部の粂川岳勤監督と、女子部の石川優希監督だ。2人とも元プロ選手で、リンク栃木ブレックス(現・宇都宮)の下部組織だったTGI D-RISE(現在は解散)で元チームメイトだった縁もある。粂川監督は江戸川大の卒業生で、つくばロボッツなどでプレーした後、2016年に引退して母校の指導者に。2019年にはアシスタントコーチから監督に就任して指揮を振るうようになった。一方の石川監督はもともと2014年に引退した後、宇都宮でスクールインストラクターをしていたが、2018年、粂川監督の誘いもあって同大男子部のアシスタントコーチに就任。2020年からは前任の守屋志保氏(現部長)から引き継ぎ、女子部の指導に当たっている。

男子バスケットボール部 粂川岳勤監督

女子バスケットボール部 石川優希監督


粂川監督は、かつて関東3部リーグに所属していた学生時代、2年生の頃から3年連続で2部との入れ替え戦に臨み、最上級生になった2012年、“3度目の正直”で2部昇格を果たした過去がある。それから10年後の2022年。今度は指導者の立場で、2部リーグ優勝・創部初の1部自動昇格を成し遂げた。飛躍の大きな要因が、「基本的にセンターではなくフォワードの留学生を取って、外からでも中からでも攻められるスタイル」という独自の“5アウト”スタイルを貫いたこと。留学生のケガなどで1年で2部に舞い戻ることにはなったが、「1桁点差の試合も多く、自分たちの目指している方向性は間違いではないと手応えを感じる部分もありました」と粂川監督。今年度は混戦の2部で5位に甘んじたものの、再びの1部昇格と定着、そしてその先にある日本一をぶれずに目指している。

 

一方の女子部も、関東2部Aブロックに所属し、入れ替え戦進出と1部昇格を目指して邁進している。今年度、その目標はかなえられなかったが、得点源となるオズルンバ グッドネス アヨミデ(2年/195cm)を軸に新人インカレへ初出場し、リーグ戦でも上位に入ってインカレに2年連続の出場を果たすなど、今まさに上昇気流に乗っているチームだ。石川監督は「インカレ出場は、お世話になっている周りの人たちへの一つの恩返しになったかなと思うので、すごくホッとしました」と言う。

 


また、男女ともに高いレベルでの学問と競技スポーツの両立を目指し、授業なども疎かにしない。粂川監督いわく「うちは授業や単位についても結構厳しく指導していて、例えば単位にも、バスケ部だけのノルマがある。それは北原名誉教授が、アメリカのNCAAの文化を日本の大学にも取り入れてやってきて、今も継承している部分です」。チームポリシーとして、男子部は「大学教育とバスケットボール競技を通じて社会に貢献できる人材の育成」、女子部は「『感謝と努力の文化』〜自律から自立、社会に貢献できる人材の育成〜」を掲げている。

 

そんな江戸川大の男女バスケ部をサポートしているのが、バスケットボールウェアブランドの「VAYoreLA(バイオレーラ)」。男子部はこれまでも練習着などで着用していたが、1部でプレーすることになった昨シーズン、ユニフォームもバイオレーラ製で新調した。粂川監督は「バイオレーラさんは、大手スポーツメーカーに比べたら正直、知名度も低いと思いますが、それでもすごく熱い思いをもって大手の競合に対抗しようとしている。そこは江戸川大も一緒で、規模が小さく知名度も低い大学だけれど、本気で1部に定着して日本一になることを目指しています。だから境遇が似ているというか、一緒に立ち向かっていきたい」と語る。女子部も男子部の翌年から新ユニフォームを制作。女子部は特に濃い紺色にこだわったそうで、石川監督は「こちらの要望を親身になって聞いてくれて、いろいろ融通を利かせてくださるので、感謝しています」と述べる。



 

バイオレーラも江戸川大も、業界内ではともにチャレンジャーの立場。バイオレーラでは「“チームの絆がさらに深まる”ウエアの提供」を目指しているが、似た境遇で互いに刺激を受け合う両者の間にも、強い絆があるようだ。彼らの挑戦は、これからも続いていく。

 

 

PLAYER'S VOICE

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「2年前にユニフォームが新しくバイオレーラのものに変わりましたが、着用感に違和感も全くなかったですし、デザインも含めて良い感じです。バイオレーラの方々も応援してくれているので、その分、頑張ろうという気持ちになりました。自分個人では、卒業後はプロ選手になることを目指しているので、それも見据えながら全力で頑張ろうと思っています。ディフェンスの強度などは4年間で上がったと思いますし、シューターとして入学したのですが、ガードのこともいろいろ教わりつつ成長できたかなと思います」

 

PLAYER'S VOICE 


 

「自分は3年生で、大学に入ってから得意のディフェンスがさらに磨かれたと思いますし、頭を使うバスケットも身に付いたと思います。昨年からバイオレーラにユニフォームが変わり、結構デザインが一新されたので新鮮でした。最初は少し見慣れない部分もあったんですが、2年目の今ではすごく気に入っています。形は、首のところが詰まっていてちょっとタイトな感じですが、着ていて違和感はないし着心地はいいです。以前、バイオレーラの方からインソールを紹介してもらって、足の裏を見てもらい一人一人にどんな癖があってどういうインソールが合うのかを教えてもらったことがあって、そういうサポートもありがたいなと思いました」

 

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「今年度から新しくバイオレーラのユニフォームになって、すごくデザインがかっこ良いのでうれしかったですし、新鮮な気持ちでプレーできるなと思いました。このユニフォームを着てインカレでも勝ち進んで、できるだけ長くプレーできれば、それが少しでも恩返しになると思います。江戸川大には『感謝と努力の文化』というスローガンがあるので、それを最後まで貫きたいです。インカレでは去年の結果を超えることが目標。トランジションの速いバスケットを展開しながら留学生の高さを生かすような、自分たちの良いバスケットを発揮して勝負したいです」

 

PLAYER'S VOICE 

 

「中学生の頃も、ユニフォームがバイオレーラだったので、今シーズンからユニフォームが新しくなったときにはまず『懐かしいな』と思いました。着心地もデザインも気に入っています。このユニフォームを着てインカレの大舞台にも立たせてもらえるので、全力で頑張りたいです。自分個人では、保育士の資格を取りながらバスケもできるということで、江戸川大に入学して、実習も多くて両立に苦労しましたが、すごく成長できました。卒業後も保育士をしながらバスケットボールは続けますが、学生としてはインカレが最後なので、去年の成績を超えられるようにチームに貢献したいですし、最後は笑って終わりたいです」



江戸川大学 男子バスケットボール部



江戸川大学 女子バスケットボール部




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