「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」が開幕、4連覇を目指す北海道 U18は快勝で好発進
年に1度のビッグタイトルが開幕
11月29日、群馬県の高崎アリーナで「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」が開幕した。
B.LEAGUE U18 チームの文化の構築と醸成、ならびに B.LEAGUE のミッションである世界に通用する選手やチームの輩出に向け、個人の能力に応じた育成強化の環境の礎を形成する機会を与えるという意味で開かれる今大会。過去3大会はすべてレバンガ北海道 U18が制覇し、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18が準優勝となっている。
チャンピオンシップ初勝利を挙げた群馬クレインサンダーズ U18を指揮する山田大治HC(写真左)
大会初日の本日は、1回戦と2回戦で計22試合が行われ、多くのドラマも生まれた。その一つが、アルティーリ千葉 U18を下してチャンピオンシップ初勝利を挙げた群馬クレインサンダーズ U18だ。一昨年4月にコーチに就任した元日本代表の山田大治HCは「うれしいです。本当にようやくですね。何より選手たちにとって、ここで勝てたというのは、大きいと思います」と笑顔を見せた。チーム設立当初は、「レイアップから指導した」というから、喜びもひとしおだろう。同日行われた2回戦の琉球ゴールデンキングス U18戦で惜しくも敗退したものの、歴史に刻む1勝はこれからの財産になるはずだ。
「自己犠牲がどれだけできるかが大事だと教えてきました。いかにチームとして戦えるか。ディフェンスからリズムをつかんでくれたと思います。まだ真剣勝負での試合経験が足りてないと感じているので、チームはもっとよくなるはずです」と山田HC。群馬 U18のこれからがより楽しみである。
19得点8リバウンド5アシストと勝利に貢献した川崎 U18の#4安彦海音
また、昨年までとは違うバスケを展開したのが、U18 川崎ブレイブサンダースである。ベスト8となった昨年は、個の力が目立つ戦い方だったが、今回はチームとして戦い、多くの選手が攻防で見せ場を作ってみせた。
「キャプテンの上原一芦がケガをしてしまったトラブルはありますが、ディフェンスの強度やトランジションというところをやってきて、特にトランジションのオフェンスに関しては手応えがあります。サイズがない分、そこでズレを作ろうとしています」と村岡史哉HC。チームとしてのステップアップの秘密はもう一つ。それがトップチームへの練習参加だ。トップチームを任されているロネン・ギンズブルグ新HCの後押しによって実現した試みだが、村岡HCは、「強度の部分が特に変わりました。例えばダッシュ一つにしても、ユースの練習で力抜いていたというわけではないはずですが、トップのレベルを知ったことで『もっと走れる』という気持ちになって1ランク上がったという感じです」とメリットは大きいと語った。ある意味、生まれ変わったチームでどんな戦いを見せるか。明日の3回戦では、滋賀レイクス U18と対戦する。
そのほか、4連覇を目指すレバンガ北海道 U18は、初戦となる2回戦でシーホース三河 U18に101-51で快勝。内藤耀悠(北海道にU22枠で加入)ら1期生が卒業となり、戦力も様変わりしたものの、依然として高い戦力を持つことを示した。
齋藤拓也ヘッドコーチは「4連覇は当然頭の片隅にはあります。でも、彼らはチャレンジャーであり、僕も『トライしなければいけない大会だよ』と伝えています。昨年までのような準決勝まで 100点ゲームで勝利というのは考えていません。苦しんでも、40分後に勝っているのは自分たちだ。そういうマインドを持って戦ってくれていると思います」と選手たちも一戦必勝の姿勢で臨んでいると明かした。その北海道 U18に雪辱を期す名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18は、三遠 ネオフェニックス U18に107-50と好発進。さらに昨年3位の琉球ゴールデンキングス U18、同4位の仙台89ERS U18も勝利して3回戦に駒を進めている。
北海道 U18に雪辱を期す名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18も快勝で3回戦へ(写真は#7今西優斗)
明日11月30日(土)は3回戦8試合を予定。ベスト8に残るのはどのチームか。注目が集まる。
【大会初日/11月29日(金)試合結果】
<1回戦>
三河 U18 93-86 神戸 U18
横浜BC U18 79-59 奈良 U18
京都 U18 94-67静岡 U18
三遠 U18 100-49 福島 U18
U18 島根 73-71 茨城 U18
群馬 U18 63-55 A千葉 U18
<2回戦>
U18 川崎 88-64 信州 U18
越谷 U18 83-72 大阪 U18
長崎 U18 100-72東京Z U18
A東京 U18 96-81 鹿児島 U18
FE名古屋 U18 90-55横浜EX U18
香川 U18 79-65 さいたま U18
北海道 U18 101-51 三河 U18
滋賀 U18 108-43 広島 U18
千葉J U18 96-45 横浜BC U18
仙台 U18 80-48 京都 U18
琉球 U18 105-62 群馬 U18
富山 U18 78-59 U18 島根
秋田 U18 81-52 熊本 U18
名古屋D U18 107-50 三遠 U18
宇都宮 U18 87-64 福岡 U18
SR渋谷 U18 99-69 佐賀 U18
【大会2日目/11月30日(土)試合予定】
<3回戦>
[Aコート]
9:30〜 A東京 U18×仙台 U18
11:15〜 川崎 U18×滋賀 U18
13:00〜 北海道 U18×長崎 U18
14:45〜 千葉J U18×宇都宮 U18
[Bコート]
9:30〜 越谷 U18×秋田 U18
11:15〜 琉球 U18×FE名古屋 U18
13:00〜 SR渋谷 U18×富山 U18
14:45〜 香川 U18×名古屋D U18
【大会概要】
「インフロニア B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2024」
主催:公益財団法人日本バスケットボール協会、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
主管:公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
特別協賛:インフロニア・ホールディングス株式会社
協賛:株式会社モルテン、大塚製薬株式会社
日程:2024年11月29日(金)~12月2日(月)
会場:高崎アリーナ(所在地:群馬県高崎市下和田町4-1-18)
出場資格:B.LEAGUE U18 チーム規程を充足しているチーム
大会形式:トーナメント戦によるノックアウト方式
表彰:チーム表彰/優勝・2位・3位、個人表彰/MVP・BEST5・MIP ※優勝、準優勝チームには「インフロニア B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2025」 の出場権を付与
大会オフィシャルサイト:https://www.bleague.jp/u18-championship/2024/
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)