白鷗大が充実の戦いでリーグ戦全勝優勝、次なる挑戦はインカレ連覇
個々の成長でチームがさらにレベルアップ
10月27日、日本体育大学世田谷キャンパスで行われた第74回関東大学女子リーグ1部戦最終日、昨年のインカレ女王である白鷗大が14戦全勝を果たし、3年連続6度目の頂点に立った。白鷗大は春のトーナメント(関東大学女子選手権大会)に続いて、10月12日には国民スポーツ大会(旧国民体育大会)成年女子でも単独チームとして優勝しており、今季3冠と圧巻の強さだ。
昨年のインカレでは宿敵である東京医療保健大を下して7年ぶり2度目の優勝を果たした白鷗大。だがキャプテンだった樋口鈴乃(現アランマーレ)、桐原麻尋(富士通)、小林美穂(ミツウロコ)、三浦舞華、田中平和(共にトヨタ自動車)ら主力の4年生が卒業したこともあって、新チームのスタート時は未知数な部分も多かった。
だからこそ、リーグ戦3連覇を果たした白鷗大・佐藤智信監督は「ちょっと予想してなかったですね」と語る。「(4年生が卒業し)あまりプレータイムを得られなかった子たちが出てくることになり、どうなるかなと春は様子見でした。それでも、春を勝つことができた。それが自信につながり、ここまで成長してこられたのかなという風に感じています」。
頂点に立った春のトーナメントだったが、攻防において4年生#13オコンクウォ スーザン アマカ中心のチームだったことは否めない。しかし、今回のリーグ戦では周りを固めるプレーヤーがステップアップした姿を見せた。リーグ戦最優秀選手を獲得した#20舘山萌菜、同優秀選手賞受賞の#23高田栞里、#75佐藤多伽子ら4年生、バックコートを担う2年生コンビ、#5池田凜、#11佐々木凜らも力を発揮することで、さらに強力なラインナップとなったのだ。
戦うごとに自信が深まっていく。キャプテンの舘山は「全員、初戦では不安を持ったと思うんですけど、試合を重ねていくごとに自信がついたことが大きかったと思います。それまで試合に出ていなかった選手も多かったんですけど、リーグ戦に加えて、その途中にあった留学生が出場できない国スポにも出場し、1人1人がどれだけやれるかというところで、気持ちが大きく変化し、プレーにいい形で出たんだと思います」と説明。さらに「アマカも自分だけではなくて周りを見られるようになったし、各選手も自分の力で行ったり、周りを使ったり。ゴールに向かう、シュートを決めるといったことを色々な選手ができるようになったと感じます」と試合経験を積むごとにチーム・ケミストリーが高まっていったことが印象的だ。
リーグ戦での平均得点92.0は最多。しかし、オフェンスの充実もさることながら目立つのはディフェンスの堅さで最小の61.7。これは失点2位の筑波大(リーグ戦4位、69.2)に7.5点差、リーグ戦2位の東京医療保健大(72.6)に10.9点差という抜けた数字である。それでも、舘山は「まだディフェンス面で、相手の強度に負けてしまっている部分がありました。そこで負けない強さ、あとはもっと相手が嫌なディフェンスができるように、強度、クオリティーを高めていきたいです」と現状に満足はしていない。また佐藤監督も「オフェンスについてウチがやることは、多分色々なチームが分かっているので、いかにカウンターを取っていくかが課題だと感じています。リーグ戦でいいディフェンスができましたが、もっといいディフェンスができると思います」とインカレ(第76回全日本大学選手権大会)に向けてディフェンスに力を入れたいと語っている。
リーグ戦を全勝優勝した勢いのまま、インカレでも頂点に立つのか。それとも、そこに待ったとかけるチームが現れるのか。インカレは11月29日から12月8日(男子ファイナル4は12月14日・15日)の日程で開催される。
■第74回関東大学女子リーグ1部戦最終結果
優勝:白鷗大 14勝0敗/勝ち点28
準優勝:東京医療保健大 11勝3敗/勝ち点25
3位:拓殖大 8勝6敗/勝ち点22
4位:筑波大 7勝7敗/勝ち点21
5位:日本体育大 7勝7敗/勝ち点21
6位:早稲田大 5勝9敗/勝ち点19
7位:専修大 2勝12敗/勝ち点16
8位:立教大 2勝12敗/勝ち点16
※4位5位、7位8位はゴールアベレージにより順位を決定
■個人賞
・最優秀選手賞/舘山 萌菜(白鷗大No.20、4年)
・敢闘賞/大脇 晴(東京医療保健大No.91、3年)
・優秀選手賞/オコンクウォ スーザン アマカ(白鷗大No.13、4年)、高田 栞里(白鷗大No.23、4年)、ンウォコマーベラス
アダクビクター(拓殖大No.55、4年)
・得点王/オコンクウォ スーザン アマカ(白鷗大No.13、4年)313得点
・3ポイント王/菊地 実蘭(早稲田大No.1、2年)41本
・アシスト王/高田 栞里(白鷗大No.23、4年)52本
・リバウンド王/マカヌアンバ ロリアン(日本体育大No.19、2年)187本(OR76+DR111)
文・写真/広瀬俊夫(月刊バスケットボール)
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