杉浦佑成(横浜ビー・コルセアーズ)インタビュー——ラッシ・トゥオビHCのスタイルは「きついけどおもしろい!」
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横浜ビー・コルセアーズでウイングを務める杉浦佑成にインタビューの時間をもらった。取材は9月14日、トッケイセキュリティ平塚総合体育館にB2のアルティーリ千葉を迎えて行われた今プレシーズン初のホームゲーム後。この試合でチームハイとなる16得点 に3リバウンド、 1スティール、 1ブロックを記録し、79-68の勝利に貢献した杉浦の表情は柔らかく、シーズン到来の喜びがあふれていた。
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——今日はいいところで3Pショットもすごく決まっていました。この新しいチームでの役割や今の仕上がりはどんな状況ですか?
そうですね。今はナナーダニエル弾もケガをしていますし、もう一人の外国籍選手(ダミアン・イングリス)の合流が遅れていることもあって、4番ポジションでずっとプレーしています。多分その2人が練習に合流できるようになると、もっと3番ポジションでプレーするようになるのかなと。でもこういう状況というのはシーズン中にも起こりうることなので、ネガティブには捉えてなくて、そのときのための練習と思ってやっています。
2人が戻ってきたときには、もっと練習しなきゃいけないことやシステムにアジャストしていかないといけないところが出てきます。いろいろできた方がいいと思うので、経験というかいい準備だと思ってやっています。
——今日はビッグマン1人にウイングとガード4人のラインナップの時間がかなり長く、その中で4番ポジションを務めていたので、今シーズンはそんな場面も多くなるのかなと思って見ていました。
今日はゲイリー・クラークのファウルトラブルもありましたし、プレシーズンで明日も試合(川崎ブレイブサンダース戦)があるので(外国籍の)2人に負荷をかけすぎたら良くないということもあって、時間をシェアしながらいろんなことを試していたと思います。まだパーフェクトじゃないですけど、ミスマッチへの対応とかがうまくいくときもありましたし、本当にやっていて楽しいなという印象です。
——ラッシ・トゥオビHCのバスケットは、どんな捉え方をしていますか?
オフェンスに関して言えば、本当に全員が絡むようなバスケット。疲れるんですけどおもしろいです。ディフェンスもエネルギッシュで、みんながアクティブにコミュニケーションを取りながらやるので、きついんですけどおもしろいです。
——相手のアンドレ・レマニスHCは、どんどんカットしてきてそこにつながれて対応が難しかったと話していました。その中で杉浦選手が中に外に活躍できるのはかなり大きな要素だと思いますが、ご自分ではどんなスタイルを目指しているのですか?
強みはシュート。今日ちょっと躊躇する場面もあったんですけど、あんまり考えすぎずにどんどん打っていきたいなっていうのは一つあります。そこにプラスして、カッティングとかも大事なシステムの一部。自分がもしボールをもらえなかったとしてもカッティングすることで仲間がオープンになりますから。僕はサイズもありますし(杉浦は身長196cm、体重95kg)、全員で戦っていくスタイルの中でどんどんカッティングも増やしていきたいですね。
——何か目標数値的なものとか具体的な目標はありますか?
数値とかの目標は特にありません。思い切りシュート打つ、カッティングするというようなことです。入らないときもあると思うので、どんなときにも打てるか、打ち続けられるかというのが課題です。
——今年は河村勇輝選手がアメリカに行くし、ヘッドコーチも交代ということで、チーム内の変化はすごく大きいと思います。その点はご自分の中でどういうふうに受け止めていますか?
そうですね。勇輝は本当にすごい選手で、彼がいればオフェンスが成立するぐらいのインパクトのある選手でした。その選手がいなくなって、今は全員が絡むようなバスケット。昨シーズンの僕は、勇輝からのキックアウトパスを受けて3Pショットというのが多かったんですけど、ただ待つのではなく相手のディフェンダーを見てカッティングするプレーとかはこれまであまりやってこなかった感覚で、まだ勉強しながら練習している感じです。
——今日はホームで初めてのプレシーズンゲームに2千人越えのお客さんが集まって、声援もすごく大きかったです。久々大歓声を受けてどんな感覚になりましたか? それと、ブースターの皆さんへのメッセージをお願いします。
今日は率直に、「ホームに戻ってきたな!」という感じがありました。2年目を迎えも心地よくやりやすい環境でやらせてもらっていて、すごい気分が上がります。シュート決めたときも盛り上げてくれて! ブースターの皆さんには、シーズンが始まってもぜひ一緒に戦ってほしいです。僕たちもそれに応えられるように、どんどん良くなっていけるように頑張っていきたいですね!
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昨シーズンまで大黒柱だった河村勇輝がNBA挑戦に旅立ち、新指揮官にラッシ・トゥオビHCを迎えた横浜BCで移籍後2シーズン目を迎える杉浦は。今シーズンが20歳代最後という一つの節目を迎えている。このインタビューの翌週行われた第100回天皇杯2次ラウンドでは、2試合で9.0得点、3.0リバウンド、1.5アシストと堅実なスタッツを記録して存在感を示した。シュート力、サイズ、機動力を生かして、Bリーグの2024-25シーズンでも攻守両面で活躍する杉浦の姿を期待しよう。
取材・文/柴田 健 (月刊バスケットボール)
タグ: 横浜ビー・コルセアーズ 杉浦佑成