月刊バスケットボール1月号

美濃加茂ら全国から10チームが下呂市に集結! AOKICKSもゲストで登場したミズノキャンプ

八村塁らも出場してきたミズノキャンプ in 岐阜

7月23〜26日の4日間、岐阜県・下呂交流会館アクティブにて「MIZUNO BASKETBALL CAMP in 岐阜」が開催された。北は福島県から南は高知県まで、全国9都府県の全10チームが集結。インターハイに出場するチームも、惜しくも出場権を逃して冬を見据えるチームも、それぞれにタフな真剣勝負を戦う中で多くの収穫を持ち帰った。

コロナ禍で中止された年や、インターハイの開催地に合わせて岐阜以外の場所で開催された年はあるものの、このミズノキャンプは10年以上前からほぼ毎年恒例で開催されてきた。出場選手をさかのぼれば仙台大明成の八村塁(レイカーズ)や富山第一の馬場雄大(長崎)、四日市工の安藤周人(A東京)など、日の丸クラスの選手たちもかつて通ってきた道だ。



夏の時期、普段はなかなか対戦できない他県の強豪校との試合から、多くの学びを得てチームの強化につなげることがこのキャンプの狙い。参加するチームは毎年変わり、今年は帝京安積(福島)、長狭(千葉)、日本学園(東京)、サンロッカーズ渋谷U18(東京)、高岡工芸(富山)、美濃加茂(岐阜)、四日市工(三重)、関西大北陽(大阪)、玉野光南(岡山)、高知(高知)という顔ぶれになった。





出場チームの中でも、岐阜でのミズノキャンプの“常連校”になっているのが美濃加茂と四日市工だ。美濃加茂のとある選手は「今大会は、林(龍幸)先生に頼らず苦しい時間帯を自分たちで打開することを意識しました。どのチームも自分たちとの試合に照準を合わせてくる中で、苦しい時間帯でもみんなで声をかけて楽しく戦えたと思います」と収穫を話す。林コーチは「僕自身、明成の佐藤久夫先生など、ほかの学校の先輩方から鍛えてもらって今があります。参加するチームに若い指導者も増えてきている今、自分は今までの先人たちから学んだものを若い人に伝えていく役割もあると思っています」と、ただの強化試合にとどまらない今大会の意義を語っていた。





また、四日市工の水谷幸司コーチは「うちは普段の練習で5対5をほとんどやりません。普段は分解練習やシチュエーション練習をたくさんやって、こういう大会でその練習の成果をどれだけ出せるかを試します」と明かし、今大会をインターハイ直前の大事な調整の場として位置付けている。



なお今年のミズノキャンプには、大会史上初めてBリーグユースチームのサンロッカーズ渋谷U18が参戦した。強いフィジカルと高い個人スキルを生かし、参戦初日には帝京安積、高岡工芸との連戦で2連勝。翌日の美濃加茂との大一番も、敗れはしたが臆せず積極的なプレーで流れを引き寄せる時間帯もあった。森茂達雄コーチは、「留学生と対戦することもほとんどないですし、美濃加茂さんのような全国上位クラスの1対1の力、ディフェンスの強度などは、うちにはまだないので、すごく良い経験になりました。初日は東京から移動してきてそのまま2試合フルゲームという、今までにないほど負荷のかかる状況でしたが、2試合勝ち切れて、精神的にも肉体的にもだいぶタフになれたと思います」と手応えを語っていた。




白熱の1on1大会で威力を発揮した新作シューズ

大会2日目、7月24日の夕方には、YouTube等での発信をしているAOKICKS(アオキックス)がゲストとして登場し、1on1のトーナメント大会を開催した。翌25日からの参加となった高知をのぞく全9チームから、各1名がチームを背負う代表選手として出場。応援するチームメイトたちがぐるりとコートを囲んで大声援を送る中、ガチンコ勝負に臨んだ選手たちは華麗なテクニックや3Pシュートの応酬を披露し、アオキックスからマイクを振られたコーチたちがユーモアたっぷりに解説するなど、会場は大盛り上がりとなった。





そんな1on1イベントの中で、注目となったのが選手たちの足元。今回出場した9人の選手たちは、ミズノが7年ぶりに発表した新作シューズ「WAVE TRANSISTA(ウエーブトランジスタ)」を履いてプレーしたのだ。

このウエーブトランジスタは、1on1に生きる機能性に特化したバスケットボールシューズ。ローカットながら足首周りのフィット感を高めた構造で、クロスオーバーやサイドステップなど、1対1を仕掛けるときに発生する素早い横のフットワークをサポートしてくれる。かかとのクッションは反発に優れたミズノ独自素材で、前後の縦方向の動きやジャンプなど垂直方向の動きにも強い。また、ソールとフロアの接地面を広げることで、急激な切り返しにも安定して付いていける設計になっている。







1on1トーナメントに参加した選手の一人は、「ミズノを履くのは初めてでしたが、軽くて機動性があり、特に横の動きがすごく良い感じです。ディフェンスが売りの自分にマッチしていると思いましす」と感想を述べる。また、決勝まで勝ち上がったとある選手は、「このシューズのおかげで決勝まで勝ち上がることができたと思います。すごく履きやすくて、とにかく軽いしグリップが効いてピタッと止まれるので、普段は入らないシュートも入りました」と太鼓判を押していた。軽さ(片足340g/27.0cmの場合)や機能性のみならず、シンプルなデザインも選手たちに好評で、試し履き用にミズノから提供されたシューズを実際に試合で履いている選手が多数いたのが印象的だ。









真剣勝負の白熱したゲームや、笑顔にあふれた1on1大会など、選手一人一人が貴重な経験を積んだ今回のミズノキャンプ。これまで出場してきたチームがそうだったように、今年もこの下呂での経験が今後の飛躍の糧となるはずだ。実際、今年のミズノキャンプで全勝を飾った美濃加茂は、勢いそのままに臨んだインターハイ、強豪校を次々に破って創部初の全国準優勝を果たした。選手たちの中にはインターハイ中も「ウエーブトランジスタ」を履いてプレーしていた選手も多く、新作シューズで切れ味鋭い1on1を遺憾なく披露していたことが印象的だ。美濃加茂のみならず、ミズノキャンプを乗り越えた選手たちとその足元に、秋以降も注目していきたい。













取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)、写真/石塚康隆

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