男子U18日本代表がU18アジア杯に向けて強化合宿中、マルチネスHC「勝利できるように準備していきたい」
アレハンドロ・マルチネスHC
大会に向けて14選手が強化合宿中
8月27日、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、男子U18日本代表チームが練習を公開した。チームは9月2日からヨルダン・アンマンで開催予定の「FIBA U18アジアカップ2024」に向けて直前強化合宿を実施している。
今回の合宿者は14選手。4月に参加したアルバート・シュバイツァートーナメント(ドイツ・マンハイム、8位)のメンバーから11選手が参加している。アレハンドロ・マルチネスHCは、「バスケットボールIQを高め、少しでも成長すること。この大会が、長いバスケ人生のステップになるようにできればいい」とアンダーカテゴリーの選手たちなので成長のプロセスも重視していると前置き。そのうえで合宿では選手たちに “可能な限りベストショットを打つこと”“ディフェンスリバウンドの強化”“ターンオーバーを減らす”という3つを指摘していると明かした。
グループCに入った日本はグループフェイズでカタール(現地9月2日)、カザフスタン(同3日)、中国(同4日)と対戦する。カギとなるのは、過去2度の優勝を誇る中国戦だ。「お分かりのとおり、一番重要なのは高さと強さがある中国戦になるだろう。(合宿の中で)どう戦うのがベストなのかを探っていきたい。まずはディフェンスの準備を進めること。一方で、大会では1試合ずつ向き合っていくことが大切なんだ。中国と戦う前にあるカタール、カザフスタン、その後のラウンドと1試合1試合に勝利できるように準備していきたい」とマルチネスHCは一戦必勝で臨む構えだ。
チームで得点源と目されるのは、先日インターハイで東山高を初優勝に導いた瀬川琉久(東山高)である。アルバート・シュバイツァートーナメントでは7試合中6試合でスタメンPGとして出場。平均17.0得点(大会9位)をマークした。そのドイツでの大会では「最後のシュートを決めきれなかった」と反省を語ると「海外よりも身長が低い日本では、自分のやりたいことをスムーズに進めやすい。国際試合で一番困るのは、相手の腕の長さと身長の高さ。僕は突っ込んでしまうクセがあるので、強引に行くのではなく、ペイントタッチした際に、パスの選択など判断を正しくしたい」と大会に向けて語った。
瀬川琉久
チームのキャプテン、内藤耀悠(北海道)は「フィジカル面でもチームの中では強いほうだと思うので、いろいろな部分でチームに足りない穴をサポートできたらいいなと考えている。また、自分のスタイル、考え方を出していきたい」と意気込みを語ると、新しいメンバーに対して短期間の中で、マルチネスHCのバスケの理解度を上げられるような手助けをするつもりとチームをまとめるために尽力したいとしている。
内藤耀悠
そしてアルバート・シュバイツァートーナメントにも出場した最年少15歳、白谷柱誠ジャックは今合宿にも参加。ロスター入りを目指す。前週に行われた第54回全国中学校バスケットボール大会では、豪快なボースハンドダンク、リングの上でのショットブロックなど中学生離れしたプレーを見せて四日市メリノール学院中をけん引。見事に大会3連覇に導いた。しかし、U18男子日本代表での役割は「泥臭いプレー、ルーズボール、ディフェンス、リバウンドが求められる。そういうところをハッスルして頑張りたいと思います」と求められたことをこなしていきたいと発言。この1年間ではオールラウンドにプレーできるように、ハンドリングやシュート力などを磨いてきたというだけに、“泥臭いプレー”もまた楽しみではあるが、チャンスがあったら「相手の上から(ダンクを)かましたい(笑)」とも語っているだけに、12名のロスターに入った暁には期待したい。
白谷柱誠ジャック
今大会でベスト4入りすれば、来年スイス開催されるFIBA U19ワールドカップへの出場権獲得となる。2022年に行われた前回大会では、日本はパリ五輪にも出場したジェイコブス晶(現ハワイ大)、湧川颯斗(現三遠)、川島悠翔(NBAアカデミー→シアトル大進学予定)らが出場。決勝で韓国に敗れた(73-77)ものの、準優勝という好結果を残している。
■2024年度バスケットボール男子U18日本代表チーム
「FIBA U18 アジアカップ 2024」直前合宿参加メンバー
【スタッフ】
チームリーダー 常田 健 (中部大学第一高等学校)
ヘッドコーチ アレハンドロ・マルチネス (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ 入野 貴幸 (東海大学)
アシスタントコーチ 片峯 聡太 (福岡大学附属大濠高等学校)
サポートコーチ 宮田 知己 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ 佐藤 晃一 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレチックトレーナー 高橋 基樹 (専修大学)
チームドクター 丸岩 侑史 (さいたま市立病院)
マネージャー 髙木 歩幸 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
【選手】※14名
内藤 耀悠 (SF / 191cm / 18歳 / レバンガ北海道)
フリッシュ ニコラス聖 (C / 195cm / 18歳 / 明治大学)
菅野 陸 (PG / 177cm / 18歳 / 山梨学院大学)
深澤 桜太 (PF / 198cm / 18歳 / 中央大学)
渡邉 伶音 (C / 204cm / 18歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
和田 拓磨 (SG / 187cm / 18歳 / 北陸高等学校)
瀬川 琉久 (PG / 183cm / 18歳 / 東山高等学校)
十返 翔里 (SF / 191cm / 17歳 / 八王子学園八王子高等学校)
髙田 将吾 (F / 189cm / 17歳 / 福岡大学附属大濠高等学校)
千保 銀河 (SF / 188cm / 17歳 / 開志国際高等学校)
清水 祥敬 (SF / 197cm / 17歳 / 中部大学第一高等学校)
シリル・ミュロ (PG / 175cm / 16歳 / Willetton Senior High School)
ベネディクト 研一郎 (SF / 193cm / 16歳 / St. George’s School)
白谷 柱誠ジャック (PF・C / 194cm / 15歳 / 四日市メリノール学院中学校)
※平均:190.1cm、17.2歳
※年齢・所属は2024年8月21日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
【大会概要】
大会名:FIBA U18 Asia Cup 2024
日程:2024年9月2日 (月) ~ 9月9日 (月)
開催地:ヨルダン・アンマン
参加チーム :
【グループA】 オーストラリア、チャイニーズ・タイペイ、レバノン、モンゴル
【グループB】 イラン、韓国、インド、クウェート
【グループC】 日本、中国、カタール、カザフスタン
【グループD】 フィリピン、ニュージーランド、ヨルダン、インドネシア
日本戦スケジュール (予定):
9月2日 日本 vs カタール (日本時間20:00)
9月3日 日本 vs カザフスタン (日本時間20:00)
9月4日 日本 vs 中国 (日本時間 17:30)
9月6日 クォーターファイナル進出決定戦
9月7日 クォーターファイナル
9月8日 セミファイナル / 5-8位順位決定戦
9月9日 決勝 / 3位決定戦 / 5-8位順位決定戦
【大会公式サイト】 https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-u18-asiacup-2024
【試合の配信はこちら】https://www.fiba.basketball/en/events/fiba-u18-asiacup-2024/videos
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)