月刊バスケットボール1月号

東山が悲願の日本一! エース瀬川琉久が牽引し美濃加茂に勝利【北部九州インターハイ2024】




5度目の全国決勝で東山がついに頂点に


8月9日、「令和6年度 全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会 (北部九州インターハイ)最終日、男子決勝で美濃加茂(岐阜)と東山(京都)が対戦。8点リードで迎えた3Q、一気にリードを広げた東山が反撃を断ち切って78-62で勝利。全国大会5度目の決勝でついに頂点に立ち、歓喜のカモンロッソを披露した。



【特設】『北部九州インターハイ2024』(日程・出場校&選手名鑑・トーナメント表)

東海大会王者の美濃加茂は今大会2回戦で北陸学院(石川)に、3回戦で阪南大(大阪)に、準々決勝で開志国際(新潟)に、準決勝で福岡大附大濠(福岡)に勝利して勝ち上がり。その武器はスタメンの3年生5人である。対する近畿大会王者の東山は今大会、2回戦で桐光学園(神奈川)に、3回戦で北陸(福井)に、準々決勝で報徳学園(兵庫)に、準決勝で福岡第一(福岡)に勝利し、2年連続3度目の決勝進出を果たした。U18日本代表で3年生の#5瀬川琉久、爆発力ある2年生の#11佐藤凪と強力なスコアラーデュオ、四日市メリノール学院中時代に何度となく日本一を経験したオールラウンドな1年生ガードの#14中村颯斗も攻撃の軸となる。

まず美濃加茂は、ファーストオフェンスで#6エブナ フェイバーが得点。東山は#11佐藤のジャンパーで初得点を奪う。互いに好守を展開し、いい形でシュートを放てない時間が続いたが、美濃加茂は#5後藤宙らが得点。一方、東山は#6カンダ マビカ サロモン、#5瀬川、#11佐藤と活躍してほしい選手がしっかりシュートを決めていく。リバウンドで優位に立つ東山は残り4分、#5瀬川がプルアップ3Pを成功。さらに#7南川陸斗も決めて14-7とする。美濃加茂は慌てず。#5後藤がファウルをもらって得点につなげると#5藤田大輝もジャンパーを成功させるなどコツコツ得点。東山は#11佐藤がタフスリーを決めると1年生#14中村もミドルシュートで追加点。リードを作ったが、美濃加茂はブザービーターを沈め、東山の19-17で1Qを終えた。





2Q前半、タフショットを強いられる美濃加茂は#7関健朗が決めた2点のみ。逆に東山は#5瀬川のレイアップ、#8小野寺星夢、#11佐藤の3Pシュートでスコアを伸ばすと、残り6分、#4松島慎弥の3Pシュートで30-19と2桁差に。いいディフェンスから早い攻めに転じる美濃加茂だが、シュートはことごとくリングに弾かれてしまう。それでもクォーター終盤、美濃加茂は好守から#7関の得点などにつなげ、東山の34-26でハーフタイムを迎えた。

今大会、美濃加茂は3年生5人でほとんどの時間を戦い、決勝の舞台に上がってきた。そんな疲労の蓄積が3Q一気に出たのかもしれない。3Qは東山#5瀬川の連続得点からスタート。美濃加茂は#8深見響敏がリバウンドから決めると、#6フェイバー、#7関も続くが、東山は確率よくシュートを決めていき、一気にリードを広げる。そして残り2分50秒、#14中村の3Pシュートで56-35と21点差に。苦しい流れの美濃加茂は#7関、#8深見が3Pシュートを沈めたが、東山の63-42で3Qを終えた。



疲れも見える美濃加茂だが、4Q踏ん張りを見せて50-65と点差を詰める。さらにボールマンにプレッシャーをかけてターンオーバーを引き出す。残り5分半、美濃加茂#5後藤の速攻で13点差としたところで、東山がタイムアウト。悪い流れの東山だったが、#5瀬川が一瞬のスピードを生かしてレイアップを成功。連続失点を止める。それでも美濃加茂の集中は途切れず。#4藤田、#6エブナ フェイバーがファウルをもらって得点につなげる。11点差まで迫ったが、東山は#11佐藤がスリーを射抜いて1桁差にさせない。その後も、美濃加茂は#4藤田、#6ェイバーがシュートを沈め、ディフェンスでも必死にプレーしたが、東山が逃げ切り。悲願の日本一を成し遂げた。



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文/堀内涼(月刊バスケットボール)

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