男子日本代表3連敗、後半詰め寄ったがブラジルの3P攻勢に屈する【パリ五輪】
4Q1点差まで迫ったが、捕らえきれず
8月2日、第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)男子バスケットボール競技。男子日本代表(FIBAランク26位)は、予選グループ最終戦で同じく0勝2敗のブラジル(同12位)と対戦。10点差で迎えた3Q、攻守から点差を縮めて4Qを迎えるなどいい流れを作ったが、捕らえることはできず。84-102で敗れ、予選グループB3敗で大会を終えた。
【写真】日本×ブラジルフォトギャラリーをチェック
日本は大会初戦、W杯王者のドイツ(同3位)と対戦。5点差で前半を終えたが、後半はハーフコート・オフェンスを強いられ、79-97で敗戦。続く東京2020大会銀メダリストで開催国のフランス(同9位)戦は勝負どころの4Qで八村塁が退場になったものの、河村勇輝がステップアップしてリード。しかし、試合終了直前に同点に追いつかれてオーバータイムにもつれると90-94で敗れた。八村はこの試合で左腓腹筋の負傷を負ったことが判明し、チーム離脱が決定。河村、比江島慎、渡邊雄太、ジョシュ・ホーキンソン、吉井裕鷹が先発になった。
日本はまず河村からゴール下のホーキンソンにパスを入れて先取点。さらにトップからディープスリーを沈めた河村は、果敢にゴールにアタックする。しかし、ディフェンスでは41歳の司令塔マルセリーニョ・ウェルタスにジャンパーを許し、ジョージーニョ・デ・ポウラ、ブルーノ・カボクロに3Pシュートを決められるなど連続得点を許す。それでも日本は河村がさらにスリーを決めるとドライブから3Pプレーをメイクし、残り5分を切ったところで13-14とする。
残り4分強、富永啓生がコートイン。すぐに2本のスリーを放つがいずれも決まらず。この間、ブラジルはカボクロがインサイド、3Pシュートで追加点。さらに速攻を許して一気に2桁差にされる。1Q終盤、吉井が苦しい中で3Pシュートを沈めると、渡邊、ホーキンソンが早い展開から得点につなげたが、20-31で1Qを終えた。
流れを変えたい2Q、日本はまず富樫勇樹がトップから3Pシュートを沈めると、馬場雄大、渡邊も立て続けにスリーを成功。渡邊はさらにオフェンス・リバウンドから決めて31-36と5点差にする。その後、ベンチメンバーで戦う時間帯となると、ジェイコブス晶のレイアップで36-39としたが、ここから連続失点。またも2桁差にされてしまう。それでも残り3分を切って先発メンバーの多くを戻すと、馬場のダンク、渡邊の3Pシュート、ホーキンソンのフリースローと連続得点。さらに河村も続いたが44-54としてハーフタイムを迎えた。日本は河村が11得点、渡邊、ホーキンソンが10得点を記録。2Pシュート50%(9/18)、3Pシュート33%(8/24)とまずまずのチームスタッツを残したが、ブラジルには3Pシュート85%(11/13)と高確率で決められてしまった。
3Q前半、日本はホーキンソンがアウトサイドでプレーして3P3連発。それでも、なかなか縮まらなかったが、日本のディフェンス強度が上がると、ホーキンソンのフリースロー、渡邊のレイアップで59-66とする。さらにテクニカルファウルを引き出した河村がフリースロー、レイアップ、3Pシュートを決めて65-68と3点差となる。その後は点の取り合いに。残り27秒、河村が左ウイングからプルアップ3Pを決めて2点差に。その後、フリースローを決められたものの3Qは29-17。73-77として4Qを迎えた。
4Qファーストプレー、ホーキンソンがトップから3Pシュートを沈めて76-77に。決められてもボールをプッシュして攻めていく日本。必死のディフェンスを見せて僅差でブラジルを追っていく。残り5分で80-88となるが、吉井がゴール下でいい動きを見せて渡邊の得点を演出。6点差とするが、ウェルタスに連続得点を奪われて82-93とリードを広げられる。体力的に苦しい終盤に来ても集中力をキープし、必死のディフェンスを見せる日本だが、ブラジルは着実に得点。リードを広げられて万事休す。悔しい3連敗で大会を終えた。
日本はインサイド、アウトサイドの双方で良さを見せたホーキンソンが26得点、10リバウンド、3Pシュート4本を決めた河村が21得点10アシストでダブルダブルをマーク。さらに渡邊が13得点、馬場が11得点と4人が2桁得点をマーク。3Pシュートは16本決めて39.0%と高い成功率をマークしたが、ブラジルには17本成功で60.7%と高い確率で3Pシュートを決められてしまった。
TEAM STATS(日本:ブラジル)
FG/39.5%(30/76):52.1%(38/73)
2P/40.0%(14/35):46.7%(21/45)
3P/39.0%(16/41):60.7%(17/28)
フリースロー/80.0%(8/10):90.0%(9/10)
リバウンド/34:49
オフェンス・リバウンド/14:16
ディフェンス・リバウンド/20:33
アシスト/19:24
スティール/4:4
ブロック/6:5
ターンオーバー/9:12
ターンオーバーからの得点/11:8
速攻での得点/9:13
セカンドチャンスでの得点/29:17
ペイントエリアでの得点/26:32
ベンチメンバーの得点/18:39
■2024年度バスケットボール男子日本代表チーム
第33回オリンピック競技大会(2024/パリ) 5人制バスケットボール男子日本代表チーム (12名)
【スタッフ】
チームリーダー 東野 智弥 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ トム・ホーバス(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アソシエイトヘッドコーチ コーリー・ゲインズ (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ 勝久 ジェフリー(川崎ブレイブサンダース)
アシスタントコーチ 佐々 宜央( – )
スポーツパフォーマンスコーチ 佐藤 晃一 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ 緒方 博紀 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレチックトレーナー 一柳 武男 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントアスレチックトレーナー 古澤 美香 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
テクニカルスタッフ 冨山 晋司 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントテクニカルスタッフ 磯野 眞 (長崎ヴェルカ)
チームマネージャー 西村 拓也 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントチームマネージャー 大木 瀬音 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
【選手】※12名
#2 富樫 勇樹 (PG / 167cm / 千葉ジェッツ)
#4 ジェイコブス 晶 (SF / 203cm / ハワイ大学)
#5 河村 勇輝 (PG / 172cm / 横浜ビー・コルセアーズ)
#6 比江島 慎 (SG / 191cm / 宇都宮ブレックス)
#7 テーブス 海 (PG / 188cm / アルバルク東京)
#8 八村 塁 (PF / 203cm / ロサンゼルス レイカーズ)
#12 渡邊 雄太 (SF / 206cm / – )
#18 馬場 雄大 (SF / 195cm / – )
#24 ジョシュ・ホーキンソン (C・PF / 208cm / サンロッカーズ渋谷)
#30 富永 啓生 (SG / 188cm / – )
#34 渡邉 飛勇 (C / 207cm / 信州ブレイブウォリアーズ)
#91 吉井 裕鷹 (SF / 196cm / 三遠ネオフェニックス)
※平均(Average):193.7cm、26.4歳
※所属は2024年7月8日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
■大会概要
大会名称: 第33回オリンピック競技大会 (2024/パリ)
予選日程・対戦:※カッコ内はFIBAランキング(2024年2月27日現在)
2024年7月27日(土) TIPOFF 20:30 日本(26位)77-97 ドイツ(3位)
2024年7月30日(火) TIPOFF 24:15 日本(26位)90-94 フランス(9位)
2024年8月2日(金) TIPOFF 18:00 日本(26位)84-102 ブラジル(12位)
開催期間:2024年7月26日(金)~8月11日(日)/バスケットボール競技:7月27日(土)~8月11日(日)
会場:ベルシー・アリーナ(パリ)、スタッド・ピエール・モーロワ(リール)
参加国:男女各12か国
■男子グループフェーズ組み合わせ
【グループA】オーストラリア(5位)、ギリシャ(14位)、カナダ(7位)、スペイン(2位)
【グループB】日本(26位)、フランス(9位)、ドイツ(3位)、ブラジル(12位)
【グループC】セルビア(4位)、南スーダン(33位)、プエルトリコ(16位)、アメリカ(1位)
※国名の下のカッコ内は2024年2月27日現在のFIBAランキング
※男子予選グループフェーズは2024年7月27日~8月5日、準々決勝は8月6日、準決勝は8月8日、決勝戦および3位決定戦は8月10日に開催予定
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)