月刊バスケットボール1月号

女子日本代表、ドイツの高さに苦しみ波に乗れず、決勝T進出に向けて痛い連敗を喫す【パリ五輪】

アメリカ戦に続いて得点源になった髙田

高さに苦しみ終始リズムに乗ることができず


8月1日、第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)女子バスケットボール競技。女子日本代表(FIBAランク9位)は、初戦でベルギー(同6位)に勝利したドイツ(同19位)と対戦。出だしから相手の高さに苦しんだ日本は何度となく同点にしたものの、一気に逆転はできず。10点差で迎えた4Q、反撃を試みた日本だが奏功せず。64-75で連敗を喫した。

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初戦ではオリンピック7連覇中で東京2020大会では決勝で対戦したアメリカ(同1位)に15本の3Pシュートを決めたが、76-102で敗戦。その試合で脳震盪を負ったという山本麻衣は本日の試合を欠場となり、町田瑠唯、宮崎早織、林咲希、赤穂ひまわり、髙田真希という5人でスタートした。

立ち上がり、サイズのミスマッチを付いてくるドイツに対して苦しむが、ズレを見つけて町田がパスを配給。赤穂、髙田のレイアップ、林の3Pシュートにつなぐ。粘り強くディフェンスしていたものの、1Q中盤、ドイツの3Pシュートが2本決まったことで7-15とリードを奪われた。その後も高さに苦しむ日本は、ファウルが増えてリズムに乗れず。10点差まで離されてしまう。終盤、日本は町田のドライブに合わせて髙田が合わせて得点。さらに赤穂もファウルをもらってフリースロー、馬瓜ステファニーの3Pシュートと好オフェンスが続き、16-21として1Qを終えた。





2Q序盤、日本は馬瓜ス、町田がレイアップで得点。さらにピック&ロールから髙田が3Pシュートを沈めて同点に。ここから点の取り合いになると、宮崎、馬瓜エブリンがスリーを沈めていく。しかし、ドイツはサトウ・サバリーがシュートを外さず(前半23得点)。追いかける日本にミスが重なったこともあってリードが広がった。それでも残り0.7秒から2Qラストプレーで、髙田がレイアップを沈め、36-42でハーフタイムを迎えた。日本は前半3Pシュートを5本成功(35.7%)させたが、9本のターンオーバーから11点奪われてしまった(日本は4本)。

後半開始直後、オフェンスでは赤穂のレイアップ、キックアウトから髙田の連続3Pシュートで追加点。さらにディフェンスではシュートに対してしっかりコンテストしてミスを引き出すなどいい形が出て44-44と追いつく。しかし一気に逆転はできない。5分強、得点が止まった日本は残り3分強、馬瓜スのフリースローで久しぶりに得点。さらに宮崎もファウルをもらって得点につなげたが、インサイドでの失点が続き、49-59で3Qを終えた。

状況を打開したい日本は4Q、宮崎がレイアップで追加点。53-61と一桁差にするが、この後が続かず。10点差で残り5分を切る。残り4分10秒、林が2本目の3Pシュートを成功。さらに宮崎がフローターを決めて7点差にするが、ドイツはS.サバリーがすぐにフリースローで引き離される。その後、馬瓜エのフリースロー、赤穂のレイアップで連続得点。さらに林の3Pシュートで5点差に。しかし追い上げもここまで。ファウルゲームを展開したが、奏功せず。決勝トーナメント進出に向けて痛い連敗を喫した。日本の次戦(予選グループ最終戦)は8月4日18時~、3位での予選グループ突破を目指してベルギー(同6位)と対戦する。


サトウ・サバリーに33得点を許した

<コメント>
■恩塚亨ヘッドコーチ
選手たちはベストを尽くして頑張ってくれました。
苦しい時間帯でも自分たちのバスケットをやり切ろうとしてくれた事に対して誇りに思っていますし勝利に導けなかったことに関して責任を感じています。フリースローの得点が多いドイツに対して、ギリギリの攻防の中で、押し切られてフリースローを獲得された事が勝負の分かれ目だったと思います。次のベルギー戦では日本のバスケットをワンプレーワンプレーしっかりとコート上で表現したいのと、この悔しい状況の中で選手たちが持っている力を発揮できるようにしっかりと準備して勝利に導きたいと思います。

■#8 髙田真希選手
日本チームの良いところをいかせるようなシーンは多くあったと思います。ただその中でなかなかシュートが入らず、単発になってしまったところがあったのでもう少しチームとして崩すことが出来たらよかったと思います。ドイツのHCはもともとカナダにいて日本のことをすごく知っていて本当に研究されていました。自分たちが相手を上回ることが出来ませんでした。

■#13 町田瑠唯選手
相手の高さだったり、エースを中々止めきれなかったです。オフェンスに関しては自分のコントロールでスローダウンしてしまったり、日本の強さをあまり引き出せなかったと思います。あと1戦あるので、しっかりベルギー戦に向けて準備していきたいと思います。

TEAM STATS(日本:ドイツ)
FG/36.5%(23/63):37.5%(24/64)
2P/42.4%(14/33):40.9%(18/44)
3P/30.0%(9/30):30.0%(6/20)
フリースロー/64.3%(9/14):87.5%(21/24)
リバウンド/34:48
オフェンス・リバウンド/8:14
ディフェンス・リバウンド/26:34
アシスト/20:21
スティール/4:6
ブロック/0:3
ターンオーバー/16:17
ターンオーバーからの得点/10:15
速攻での得点/12:4
セカンドチャンスでの得点/6:5
ペイントエリアでの得点/28:34
ベンチメンバーの得点/15:9



■第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)
 5人制バスケットボール女子日本代表チーム

【スタッフ】
チームリーダー 小栗 弘 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ 恩塚 亨(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ 鈴木 良和(株式会社ERUTLUC)
アシスタントコーチ 今野 駿(三井住友銀行)
スポーツパフォーマンスコーチ 臼井 智洋(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー 荻野 まゆみ(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレティックトレーナー 宮口 佳子(S-Life はりきゅう院)
マネージャー 成田 明香(デンソー アイリス)
マネージャー 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ)
テクニカルスタッフ 梅津 ひなの(公益財団法人日本バスケットボール協会)




【選手】※12名
吉田 亜沙美(PG / 165cm / 公益財団法人日本バスケットボール協会)
髙田 真希(C / 185cm / デンソー アイリス)
町田 瑠唯(PG / 162cm / 富士通レッドウェーブ)
宮澤 夕貴(PF / 183cm / 富士通レッドウェーブ)
本橋 菜子(PG / 164cm / 東京羽田ヴィッキーズ)
林 咲希(SF / 173cm / 富士通レッドウェーブ)
馬瓜 エブリン(PF / 180cm / デンソー アイリス)
宮崎 早織(PG / 167cm / ENEOSサンフラワーズ)
赤穂 ひまわり(PF / 184cm / デンソー アイリス)
馬瓜 ステファニー(PF / 182cm / CASADEMONT ZARAGOZA)
山本 麻衣(PG / 163cm / トヨタ自動車 アンテロープス)
東藤 なな子(SF / 175cm / トヨタ紡織サンシャインラビッツ)

※平均:173.6cm
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター



■大会概要
大会名称: 第33回オリンピック競技大会 (2024/パリ)
予選日程・対戦: 
2024年7月30日(火) TIPOFF 4:00 日本(9位) 76-102 アメリカ(1位)
2024年8月1日(木) TIPOFF 18:00 日本(9位)vsドイツ(19位)
2024年8月4日(日) TIPOFF 18:00 日本(9位)vsベルギー(6位)

開催期間:2024年7月26日(金)~8月11日(日)/バスケットボール競技:7月27日(土)~8月11日(日)
会場:ベルシー・アリーナ(パリ)、スタッド・ピエール・モーロワ(リール)
参加国:男女各12か国

■女子グループフェーズ組み合わせ
【グループA】セルビア(10位)スペイン(4位)中国(2位)プエルトリコ(11位)
【グループB】カナダ(5位)ナイジェリア(12位)オーストラリア(3位)フランス(7位)
【グループC】日本(9位)ドイツ(19位)アメリカ(1位)ベルギー(6位)
※国名の下のカッコ内は2024年2月11日現在のFIBAランキング
※女子予選ラウンドは2024年7月27日~8月5日、準々決勝は8月7日、準決勝は8月9日、3位決定戦と決勝戦は8月11日に開催予定



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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