八村塁、渡邊雄太、ホーキンソンで49点と牽引もW杯王者ドイツに初戦を落とす【パリ五輪】
W杯王者に善戦もリードは奪うことはできず
7月27日、第33回オリンピック競技大会(2024/パリ)男子バスケットボール競技が開幕。第2試合で男子日本代表(FIBAランク26位)は、FIBAワールドカップ2023王者のドイツ(同3位)と対戦。日本はディフェンスで頑張りを見せ、八村塁、渡邊雄太がオフェンスを引っ張ったが77-97で敗れた。
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日本とドイツは前週、強化試合で対戦。その際はドイツが104-83で勝利している。日本は河村勇輝、吉井裕鷹、八村塁、渡邊雄太、ジョシュ・ホーキンソンとサイズのある5人が先発に。ドイツは前週と同じヨハネス・フォウクトマン、フランツ・バグナー、ダニエル・タイス、デニス・シュローダー、アンドレアス・オブストでスタートとなる。
日本はスタートから積極的にスリーを放っていくが、なかなか入らず。しかし、残り7分半、八村のジャンパーで初得点を奪うと渡邊、河村が3Pシュートを成功。残り5分で8-11と喰らいついていく。その後、展開はアップテンポに。ドイツはタイスが3Pシュート、アリウープと連続得点してリードを広げようとするが、日本は吉井が河村のパスを受けてゴール下でさらに右コーナーで3Pシュートを成功。1桁差をキープする。残り3分、富樫勇樹、渡邉飛勇が入ると、渡邊、富樫の3Pシュート(1Qは3/10)が飛び出し、21-28で1Qを終えた。日本は富永啓生を除く11選手が出場した。

2Q日本は渡邊の速攻から得点。さらにホーキンソンのフックシュート、八村のダンクが飛び出して会場が盛り上がる。しかし、ドイツはアイザック・ボンガ、F.ワグナーの得点でじりじりと点差を広げ、残り6分を切ったところで29-40となる。日本にとって苦しい時間帯が続いたが、ホーキンソンが攻防で見せ場を作ると富樫からのパスを受けて渡邊がこの日3本目の3Pシュートを成功。これで日本は勢い付く。河村のアシストでホーキンソンがトマホークダンクを決めるなど連続得点を決めて47-36と点差を縮めると、F.ワグナーからアンスポーツマンライクファウルを引き出して河村が2本フリースローをメイク。さらにホーキンソン、八村の得点などで迫り、44-52でハーフタイムを迎えた。日本は前半、速攻から10得点をマーク(ドイツ2点)、一方、ペイントエリアではドイツに24点(日本14点)を奪われている。
3Q序盤は点の取り合いに。その中で日本は渡邊、八村がそれぞれ3Pシュートを沈めていくが、ドイツが2桁差をキープ。61-74と13点差で3Qを終えた。4Q開始直後、日本はリバウンドで頑張りを見せると、河村がトップからディープ3Pシュートを沈める。何とか点差を縮めようとするが、ドイツはうまくズレを突いてポイントを重ねていく。日本は吉井の3Pシュート、リバウンドからの得点といいところを見せると八村がフリースローで着実に得点。残り5分で70-84とする。その後、日本はホーキンソン、八村がファウルをもらってフリースローで着実に得点していくと、残り1分には河村がプルアップスリーを成功。最後まで集中してプレーしたが、77-97で敗れた。
日本は八村が20得点でチームトップ。3Pシュートを4本沈めた渡邊が16得点、ホーキンソンが13得点、河村が11得点、吉井が10得点と5人が2桁得点をマーク。3Pシュートは12/34(35%)という数字だった。
日本の2戦目は7月30日24時15分より、開催国・フランスと対戦する。

<コメント>
■トム・ホーバスヘッドコーチ
結果は残念ですが日本のバスケットを見せる事は出来たと思います。ドイツと戦ったこれまでの2試合(ワールドカップと強化試合)はハーフタイムで大きなリードを奪われましたが今日は前半は接戦に持ち込めたのはポジティブに捉えています。スタッツ上でリバウンドも勝っているしスリーポイントパーセンテージも悪くはないのですが後半に相手オフェンスを止める事が出来なかったのが敗因。次戦のフランス戦はサイズもありますが、チームの目標であるベスト8を達成すべくチャレンジして戦いたいと思います。
■#5 河村勇輝選手
パリオリンピックは自分が目標としていた舞台だったので、コートに立ちプレー出来た事は嬉しかったです。しかし今日のゲームでは簡単なターンオーバーがあったり、ポイントガードとしてゲームコントロール出来ない時間帯があったのは反省点です。アリーナには日本のファンもたくさん駆けつけてくれました。そして日本以外の方も僕たちのプレーに拍手してくれるなど応援を感じながらプレーしていました。
■#12 渡邊雄太選手
前半の戦い方は自分たちが間違いなく成長出来ていると手ごたえを感じました。しかし後半、相手の高さ、パワーで来たところに対応しきれなかった事で体力を奪われてしまい自分たちの足が止まってしまったのは反省点です。次戦のフランスは間違いなく高さで勝負してきます。高さを嫌がって自分たちが足を止めてしまったら終わりなので、自分たちからオフェンスを早く仕掛けて相手を疲れさす事が大事になります。
TEAM STATS(日本:ドイツ)
FG/36.4%(24/66):53.5%(38/71)
2P/37.5%(12/32):64.3%(27/42)
3P/35.3%(12/34):37.9%(11/29)
フリースロー/85%(17/20):90.9%(10/11)
リバウンド/39:36
オフェンス・リバウンド/12:5
ディフェンス・リバウンド/27:31
アシスト/16:24
スティール/5:4
ブロック/4:1
ターンオーバー/13:5
ターンオーバーからの得点/4:13
速攻での得点/14:4
セカンドチャンスでの得点/10:6
ペイントエリアでの得点/20:46
ベンチメンバーの得点/7:38
■2024年度バスケットボール男子日本代表チーム
第33回オリンピック競技大会(2024/パリ) 5人制バスケットボール男子日本代表チーム (12名)
【スタッフ】
チームリーダー 東野 智弥 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
ヘッドコーチ トム・ホーバス(公益財団法人日本バスケットボール協会)
アソシエイトヘッドコーチ コーリー・ゲインズ (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントコーチ 勝久 ジェフリー(川崎ブレイブサンダース)
アシスタントコーチ 佐々 宜央( – )
スポーツパフォーマンスコーチ 佐藤 晃一 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
スポーツパフォーマンスコーチ 緒方 博紀 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アスレチックトレーナー 一柳 武男 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントアスレチックトレーナー 古澤 美香 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
テクニカルスタッフ 冨山 晋司 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントテクニカルスタッフ 磯野 眞 (長崎ヴェルカ)
チームマネージャー 西村 拓也 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
アシスタントチームマネージャー 大木 瀬音 (公益財団法人日本バスケットボール協会)
【選手】※12名
#2 富樫 勇樹 (PG / 167cm / 千葉ジェッツ)
#4 ジェイコブス 晶 (SF / 203cm / ハワイ大学)
#5 河村 勇輝 (PG / 172cm / 横浜ビー・コルセアーズ)
#6 比江島 慎 (SG / 191cm / 宇都宮ブレックス)
#7 テーブス 海 (PG / 188cm / アルバルク東京)
#8 八村 塁 (PF / 203cm / ロサンゼルス レイカーズ)
#12 渡邊 雄太 (SF / 206cm / – )
#18 馬場 雄大 (SF / 195cm / – )
#24 ジョシュ・ホーキンソン (C・PF / 208cm / サンロッカーズ渋谷)
#30 富永 啓生 (SG / 188cm / – )
#34 渡邉 飛勇 (C / 207cm / 信州ブレイブウォリアーズ)
#91 吉井 裕鷹 (SF / 196cm / 三遠ネオフェニックス)
※平均(Average):193.7cm、26.4歳
※所属は2024年7月8日現在
※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター
■大会概要
大会名称: 第33回オリンピック競技大会 (2024/パリ)
予選日程・対戦:※カッコ内はFIBAランキング(2024年2月27日現在)
2024年7月27日(土) TIPOFF 20:30 日本(26位)77-97 ドイツ(3位)
2024年7月30日(火) TIPOFF 24:15 日本(26位)vs フランス(9位)
2024年8月2日(金) TIPOFF 18:00 日本(26位)vs ブラジル(12位)
開催期間:2024年7月26日(金)~8月11日(日)/バスケットボール競技:7月27日(土)~8月11日(日)
会場:ベルシー・アリーナ(パリ)、スタッド・ピエール・モーロワ(リール)
参加国:男女各12か国
■男子グループフェーズ組み合わせ
【グループA】オーストラリア(5位)、ギリシャ(14位)、カナダ(7位)、スペイン(2位)
【グループB】日本(26位)、フランス(9位)、ドイツ(3位)、ブラジル(12位)
【グループC】セルビア(4位)、南スーダン(33位)、プエルトリコ(16位)、アメリカ(1位)
※国名の下のカッコ内は2024年2月27日現在のFIBAランキング
※男子予選グループフェーズは2024年7月27日~8月5日、準々決勝は8月6日、準決勝は8月8日、決勝戦および3位決定戦は8月10日に開催予定