月刊バスケットボール1月号

成立学園(男子・東京)&島原中央(女子・長崎)はモルテンB+シューティングマシンでどう変わった?

SoftBank ウインターカップ2023
molten B+ presents
スリーポイントグランプリ

「from Downtown」追跡レポート

SoftBank ウインターカップ2023でモルテンB+が企画した、1試合当たりの3Pアテンプト最多チームにmolten B+のシューティングマシンを寄贈する3Pショットグランプリ「from Downtown」。シュート力強化を目的に開発されたシューティングマシンを使ってさらに積極的にゴールを狙ってほしい、と期待を込めた企画で、みごとグランプリに輝いた成立学園(男子・東京)と島原中央(女子・長崎)に、マシン導入後の変化や影響を聞いた。

「皆、打ちたいという気持ちが出てきています」(成立学園/永田雅嗣郎 監督)

昨年のウインターカップでフィールドゴール全体の65%を3Pショットが占めたほど、長距離弾に積極的だった成立学園。永田雅嗣郎監督はそのスタイルを大会後の新チームでも変えていない。「ペイントタッチを入れて、ペネトレートやポストから。スリーはどんどん積極的にやってほしいですね」と話し、チームに昨年以上の意欲を求めている。都総体と関東ブロック大会予選はいずれもベスト8決めで敗退となったが、特に都立駒場と67-68と大接戦を演じた都総体Cブロック準決勝は、シューターが故障離脱という中でフルコートプレスが効果を挙げ、後半3Pが炸裂する良い流れを作れたという。今年度は全国大会への道を閉ざされたが、永田監督は「選手たちは(ベンチの意図を)よく体現してくれました」と来年度に向け力強い手応えを感じている。

その手応えと期待の裏に、ウインターカップの最多3Pアテンプトチームとして寄贈を受けたモルテンB+シューティングマシンの存在がある。導入以降、「皆に打ちたいという気持ちが出てきている」という。



一つの例は、3年生のシューターがハーフの20分間に3Pを6本成功させたというもの。本人に理由を聞くと「マシンで数をこなしたことで自信が出てきました」とのことだ。永田監督のセレクトメンバーとして夕方からマシンを使う居残り練習に参加し、メンバー外のチームメイトがマシンを使う朝練でも、マシンなしで普通のゴールに打ち込むという取り組みの結果、ボールがきたらちゅうちょなく打ち切る習慣が付いてきた。

永田監督としては、都内のライバル校に3Pを警戒されるのはもちろん承知している。しかし「シュートは芸術」という捉え方とともに、それでも打ってほしいという強い思いがある。「相手が跳んでこようが、打てるんだったらブロックされないところで打ってほしいし、決めてほしい。ドライブしたあげく長身選手相手にタフショットを無理にねじ込もうとするよりも、3Pの方が確率も高いと思うんですよ」。この信念が先ほどの例のような爆発力につながっているのだ。

練習内容には、ワンモーションのシューティングフォームを定着させるストローク練習もあれば、トラベリングやコーナーでのラインクロスを撲滅する目的で徹底しているタップフット(キャッチに際して両足をタタンという細かな1カウントで踏むステップ)からのシュート、さらにそこからドリブルを入れてのプルアップジャンパーなど、実戦的な動きを伴うメニューを用意している。動きの習得に本数が伴うことで、先ほどとは別の選手は、「マシンで数を打っていることで3Pをミドルレンジのように軽々打てるようになってきました」と飛距離の伸びも実感していた。「もっとマシンを活用する方法を模索したい」―永田監督の貪欲な姿勢の先には、さらに大きな成果が待っているに違いない。


●成立学園/永田雅嗣郎 監督
永田監督率いる成立学園は、SoftBank ウインターカップ2023で3Pアテンプト数が大会最多の1試合平均62本だった。オフェンス面で長距離弾を武器とするスタイルはその後も継続しており、シューティングは重点練習項目だ。取材にお邪魔した日は、マシンを使った練習以外にも、フォームづくりに余念がなかった。

「マシンをセンターだと思って活用している」(島原中央/崔純也 監督)



島原中央チームのプレースタイルは、まずはペイントを攻略して、それに相手が対応してくるからこそのアウトサイドやミドルレンジという考え方を土台にしている。ゲームライクな練習を心がける崔純也監督は、「負荷をかけたシューティングとフリースローを大事にしている」といい、日頃の練習からマシンを重宝している。「ペイントを攻めるためにシュート力をつける。そのためにマシンを使う」と活用の意図も明確だ。

普段練習は週6日で、マシンは全体練習後に使う。大きな大会が続いた5月から6月にかけては、決められたメンバーの動きの確認が多くなったが、それをひと通り終えた後、1〜2時間個人ワークアウトで使っていた。「寄贈後3ヵ月でマシンを使って打った本数が4万246本。本数は嘘つかないですから、ありがたいです」。崔監督はこう話す。

選手たちに話を聞くと、個々のニーズに合わせてマシンを上手に使っている。シューターの選手が「止まった状態よりも動いた状態でのシュートを多くしたいので、ポジションを変えながら打つのを多くしている」と話せば、小柄な司令塔は「ドライブからのジャンプシュートだったり、フローターだったりをもっと使っていきたい。マシンのネットの高さをディフェンスの高さとして意識してやっている」という具合。一人でできないキャッチ&シュートやプレー・オフ・ザ・キャッチも可能なので、シュート練習の効率も高まったという。



長身の留学生が2人いる島原中央らしくユニークなのは、「マシンがうちのセンターだと思えばいい」という捉え方。ポストアップしたセンターからパスが振られてくるという意識も持ちながら動きの中で打つことで、いっそうゲームライクな感覚になれる。崔監督は、「マシンの価値は高まります。うちのセンターなので!」と笑顔を見せていた。

結果的に導入後には、「動きながらシュートを狙うようになった」とチーム全体のシュートに対する積極性と自信の向上を実感している。「打ち込み練習もそうですし、コーナーやトップでシューターたちはこれまで以上にリングを狙っていますよ」。

島原中央ではスポットごとの確率をノートに記して意識するような取り組みをしているが、確率上昇の声や、そのノートを基に苦手スポットを重点強化して克服しつつある選手など、マシンの有用性は高い。「スリーもミッドレンジも練習できて使いやすい。「簡単に設置準備できて、慣れてしまえばすぐシューティングに入れますしね」と崔監督が言うとおり、使い勝手もいい。1人からでも朝練からでも活用されている。

県総体では主力の故障もある中で決勝に勝ち進み、九州ブロック大会でもベスト4入りを果たしたが、インサイドが攻めきれない状況でそれ以外が消極的になったと分析した崔監督。冬は必ず全国へ。シューティングマシンは心強い援軍だ。



●島原中央/崔純也 監督
SoftBank ウインターカップ2023で島原中央が記録した3Pアテンプト数の1試合平均記録は45本で、これが大会(女子)の最多数値だった。フィールドゴール全体は81本で、3Pアテンプトの比率は55.5%。インサイドがある程度計算できるだけに、崔監督はミドルレンジ以上の成功率向上に向けマシンを有効活用したい考えだ。


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取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB)、写真/山岡邦彦

タグ: 高校バスケ モルテンモルテンB+

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