月刊バスケットボール8月号

男子日本代表12人がそろい踏み、渡邊雄太「大会が終わった後に“史上最強”と呼ばれるチームにしたい」

7月10日、都内にで男子日本代表が記者会見を実施。2日前に発表されたメンバー入り12名がそろい踏みし、パリ・オリンピックへの決意を語った。

会見に先立って登壇した日本バスケットボール協会の三屋裕子会長は、「オリンピアンとしての誇りと覚悟を持って戦い抜いてくれるだろうと思っています」と活躍を期待し、続けて「今回の代表チームには東京オリンピックを経験した選手が7名(富樫勇樹、渡邊雄太、馬場雄大、比江島慎、八村塁、渡邊飛勇、富永啓生)がいます。少しずつ、オリンピックの伝統というものが日本バスケ界、男子バスケ界の中で引き継がれていると思っています」と、その発展を噛み締めた。

トム・ホーバスHCは12人の選考について、「45人くらいのいろいろな選手を見てきて、最後のサバイバルもあり、(12人を選ぶのが)難しかったです。(選考から漏れた)選手が悪いということではなく、誰の方が合っているのかをいろいろと見ていました。この12人がファイナルロスター。長い間本当に大変で、選手たちもチームに入るかどうかというところでした。雰囲気は良かったと思いますが、やはりプレッシャーや緊張感が結構ありました。でも、今日12人が決まって練習をやったのですが、雰囲気が少し変わりました」と話した。過酷なサバイバルレースが終わり、選手たちもひとまずは落ち着きを取り戻したことだろう。

また、最終選考で惜しくも落選となった川真田紘也と佐々木隆成については、ヨーロッパ遠征にもリザーブメンバーとして帯同し、万が一の事態が起きた際にはロスターチェンジして本戦に出場する可能性があることも情報として付け加えられた。


八村、河村ら豪華メンバーも
「史上最強かは結果が決めること」

選手一人一人の言葉の中で、象徴的だったのはやはり渡邊雄太の言葉だ。オリンピックには副キャプテンのような立ち位置で参加し、プレー面でも精神面でもこれまで同様にチームの柱となる。まず、心配される足首の状態については、「今日もMRIを撮ってきて順調に回復しているので、オリンピックには問題なく出られるだろうと思います」とポジティブなコメントを残した。

2019年のワールドカップも、2021年の東京オリンピックも“史上最強”と言われてきた男子日本代表。そこからさらにステップアップし、河村勇輝や富永啓生といった若い才能も加わった今、渡邊は改めてチームの立ち位置──つまり、このチームが史上最強か──を問われるとこう答えた。

「史上最強といった言い方をしてくれるのは大変ありがたいことですが、実際、史上最強かどうかは結果が決めることだと思います。この12人ではまだ何も結果は残していないので、しっかりと結果を残した上で、(大会が)終わった後にそう呼ばれるようなチームを自分たちで作っていけたらいいなと思います」

また、昨夏のワールドカップでは「パリの切符をつかめなかったら代表を引退する」と発言していたが、今は「自分ができる限り、求められる限りは続けていきたい」と話した。


3年前の思いも胸に…
八村塁の決意

日本が対戦するのは昨夏のワールドカップ王者で世界ランキング3位のドイツ、同9位の開催国フランス、そしてラトビアでの世界最終予選を勝ち抜いた12位ブラジルの3か国と、ランキング上ではいずれもはるか格上の相手だ。

厳しい戦いが待ち受けているが、八村塁はそれ以上に3年前の悔しさも込めて戦い抜く構えだ。

「富樫くんと雄太さんと雄大さんとは、東京オリンピックが終わってから『もう一回オリンピックに行こう』という話をしていました。それから3年後の今、僕ら自身のレベルも上がっている中で、みんなとまたプレーできることを楽しみにしています。東京オリンピックの思いも含めてパリで戦いたいです」

まだ完全ではないものの、八村もチーム練習に合流しホーバスHCのスタイルを学んでいるところだ。その様子を見ている東野智弥技術委員長いわく、八村は「戦術理解のスピードがものすごく早い」そうで、すでに日本代表のシステムにも順応しつつある。また、八村のパス能力がチームの動きをスムーズにしているとも語っており、ひとまずバスケットの面では心配なさそうだ。

日本が目指すはベスト8、つまり決勝トーナメント進出だ。まずはヨーロッパ遠征でのドイツとセルビアとのテストマッチを楽しみに待ちたい。



取材・文・写真/堀内涼(月刊バスケットボール)

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