男子日本代表は河村の3Pで追い付き、オーストラリアに同点フィニッシュ

6月23日、北海きたえーる(北海道札幌市)にて「日本生命カップ2024 (北海道大会) 男子日本代表国際強化試合」のGAME2が行われた。前日のGAME1、日本は長くリードしていたものの89‐90の逆転負け。GAME1を超える6363人の観客が見守る中、このGAME2に雪辱を誓って臨んだ。
GAME1では思うようなプレーが出せなかった#5河村勇輝だが、この試合では立ち上がりから集中したプレーを見せる。「昨日は僕が出ている時間帯、単に外でボールを回す時間が長かったと思うので、今日はゲームの作り方を変えた方が良いなと。ゲームの入りから、ボールを持ったらしっかりペイントアタックして、ディフェンスを引き寄せて味方を生かそうと思いました」との言葉どおり、自らバスケットカウントを奪って得点したかと思えば、絶妙なパスで#24ジョシュ・ホーキンソンらの得点を演出。加えてこの試合スタメン起用の#30富永啓生も迷いなく3Pシュートを2本決め、チームを勢い付けた。だが、オーストラリアも譲らず、3Pを高確率で決めてのける。それでも、日本は#6比江島慎の3Pで同点にし、#2富樫のドライブや#9川真田紘也のダンクなどで6点リードして2Qへ。

2Qは、流れが行き来する展開となった。まずは日本が#33佐々木隆成のドライブや#5河村の速攻3Pでリズムを作り、ゾーンディフェンスも機能して#91吉井裕鷹の速攻で42‐30と12点リード。しかしここから日本はターンオーバーが重なって得点がピタリと止まってしまい、その間にオーストラリアに追い上げを許す。この苦しい場面、#24ホーキンソンが約3分ぶりに得点するも、結局49‐49の同点に追い付かれて試合を折り返した。
3Q、日本は#5河村のステップバックスリーや#18馬場雄大のドライブで流れを引き寄せようとするが、オーストラリアも要所で#21アレックス・コンドンらが内外角から得点。僅差でオーストラリアが先行する展開が続いた。3Q残り5分を切り、#6比江島のアシストから#24ホーキンソンがダンクを決め、#5河村が3Pを決めて同点に。その後、#91吉井の3Pで一時は逆転に成功するも、そこからシュートがことごとくリングに弾かれる。#24ホーキンソンのスピンムーブで得点するも、69‐72と3点ビハインドで最終Qへ。

いよいよラスト10分の4Q。いきなり#2富樫が3Pを決めてのけ、#18馬場がスティールから速攻でダンクをたたき込むなど、流れは完全に日本。#30富永の3Pも決まり、開始2分でオーストラリアにタイムアウトを取らせた。その後も激しいディフェンスで相手のミスを誘い、#30富永の会場をどよめかせるステップバックスリーなどで6点リード。
それでも、オーストラリアも黙ってはいない。#22アレックス・トゥーイーの速攻ダンクや#40エライジャ・ペッパーの3Pで逆転し、#22トゥーイーの速攻で4点差に。苦しくなった日本はタイムアウトを挟み、#5河村のドライブで2点差に迫るが、それでもオーストラリアにオフェンスリバウンドを奪われ、#40ペッパーの3Pで5点差にされてしまう。#5河村がドライブやバスケットカウントを決めてこの窮地を引っ張るものの、刻々と残り時間は削られる。
92‐95と3点ビハインド、会場が盛大なディフェンスコールで包まれる中、相手のオフェンスファウルを誘って残り35秒でマイボールに。ここで河村が相手のディフェンスをかいくぐり、値千金のステップバックスリーに成功。残り19秒、95‐95の同点に追い付いた。タイムアウト開け、観客が総立ちで大声援を送る中、オーストラリアのオフェンスを一度は阻止するも、馬場の速攻はターンオーバーとなり、逆速攻からゴール下で冷静に合わせのパスを出されて残り0.4秒でオーストラリアにフリースローを与えることに。ただ、大ブーイングの中でフリースローは2投とも落ち、95‐95でタイムアップ。強化試合のため、延長戦は行わずに引き分けでの試合終了となった。

チームとして、良いところも悪いところも見えたGAME2。トム・ホーバスヘッドコーチは「昨日の試合を終えて、いろいろな課題が見えたので結構長いミーティングをしました。ステップアップできた部分もありますが、まだまだ問題もあります。昨日89点、今日95点取れたことは良かったけれど、失点が多かったし、波も大きかった」とコメント。強化試合ということで、勝ち負けにはこだわりながらもテストマッチの意味合いも強かったが、新しく取り入れたプレーを実戦で積極的に試し、代表経験の浅い選手たちも全力でアピールした。6月末にNBA組がチームに合流すれば、さらに選手選考は激しくなる。7月5日、7日に行われるSoftBank CUP 2024 (東京大会) でも、会場を沸かせるゲームに期待したい。
写真/石塚康隆 取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)