月刊バスケットボール8月号

日本代表合宿で収穫を得た期待の高校生コンビ・瀬川琉久&渡邉怜音

収穫を得た期待の高校生コンビ


5月20~30日、トム・ホーバスHC率いる男子日本代表チームは、若手選手中心の第1次強化合宿(ディベロップメントキャンプ)を実施した。


20代のBリーグ選手が大半を占めた参加メンバーの中で、高校生にして代表候補に選出されたのが瀬川琉久(東山)と渡邉伶音(福岡大附大濠)だ。

両者ともに、今年の春先にはU18日本代表のドイツ遠征に参加した有望株。PGの瀬川は2月にバスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・グローバルキャンプにも参加して世界の高いレベルを肌で感じ、渡邉もライジングゼファー福岡の特別指定選手として約5か月間、Bリーグで戦うなど、それぞれ高校カテゴリーの枠を飛び越えて貴重な経験を積んでいる。



アンダーカテゴリーにおいては経験豊富な2人にとっても、初のA代表招集となった今回の合宿は大いに刺激的だったようだ。まず「相手のディフェンスのフィジカルの部分は、本当に今まで体験しなかったような強さがありました」と語るのは瀬川。17歳の瀬川はメンバー最年少で、「アグレッシブさやエナジーの部分を求められていると思ったので、しっかり周りに声を出すように意識したり、求められていることを遂行しようと挑みました」と声出しや姿勢の面でも全力を尽くした。その中で「ハンドリング、スピード、シュートなどは通用したと思うので、それをもっと伸ばせるようにしたい」と収穫を得たようだ。

一方の渡邉は、「アンダーカテゴリーのときとはまず練習の雰囲気が違いました。一つ一つの練習を、本当にアグレッシブにやる」と感想を述べる。204cmの長身を誇る渡邉は自チームではセンターの役目を担うが、今合宿では4番ポジション。得意の外角シュートのみならず、攻防にわたってアウトサイドでの動きや状況判断が求められた。合宿の終盤には、ホーバスHCからその判断について厳しく指導されたと言う。「もっと判断すべきところを、強引に行き過ぎてしまいました。トムさんから『今の高校カテゴリーでその身長であれば全然行けると思うけれど、ここはそういうところじゃないよ』と強く言われたので、そこはこれからも意識して頑張りたい」と、明確な課題を持ち帰った。

ホーバスHCは2人を高く評価しており、最年少の瀬川について「ショック。17歳であのぐらいフィジカルなバスケットができて、落ち着いているなんて。いい選手になりそうです」と驚きを隠さない。2人の将来を見据えて「この経験は必要です」と言い切り、「僕が17歳のときに代表合宿に参加できていたら最高ですよ!」と話していた。



この合宿期間中、瀬川と渡邉は同部屋で寝食をともにし、声をかけ合いながらチャレンジの日々をやり切った。「前から仲はいいですけど、この合宿を通じてよりコミュニケーションを取るようになりました。高校は別々のチームですが、切磋琢磨できていると思います」と渡邉。

自チームに戻ればすぐにインターハイ予選を戦うことになる。福岡県は6月2日、京都府は8日が予選の最終日。また、8月にはインターハイ本戦があり、9月にはFIBA U18アジアカップが予定されている。高校でのラストシーズンと代表活動とを両立する充実の日々の中で、彼らはさらなる進化を遂げるはずだ。

 

 



取材・文・写真/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

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