月刊バスケットボール12月号

強豪4校が集う「飯塚カップ2024」は東山がブザービーターなどで3戦全勝!

 今年で2回目の開催となった「飯塚カップ」。4月2021日の2日間、飯塚市総合体育館(福岡県)に今年も開志国際、東山、福岡第一、福岡大附大濠の強豪4チームが集結した。21日のチケットが前売りだけで完売するなど、その注目度は高く、全国から足を運んだファンで体育館は超満員。立ち見が出るほどの熱気の中で、全国大会さながらのハイレベルな真剣勝負が繰り広げられた。

 

 結果的には、前回大会3戦全敗だった東山が、雪辱を果たす3戦全勝。次いで開志国際が2勝1敗、福岡大附大濠が1勝2敗、福岡第一が3敗となった。ただ、福岡第一が東山相手に最後まで大接戦を繰り広げるなど(70-76)、4チームに大きな力の差はなく、どのゲームも熱戦となった。全6試合の結果は下記のとおり。

 

開志国際 93-71 福岡第一

東山 80-77 福岡大附大濠

開志国際 79-70 福岡大附大濠

東山 90-76 開志国際

東山 76-70 福岡第一

福岡大附大濠 100-68 福岡第一

 

3戦全勝で大きな手応えをつかんだ東山。特に山場となった福岡大附大濠戦は、長く相手にリードされたものの、エース・瀬川琉久の3Pシュートがブザービーターで決まって劇的な逆転勝利となった。瀬川は今年、バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・グローバルキャンプやU18日本代表のドイツ遠征を経て、「海外の選手は大きいので、今までのような小さいドリブルだと効かない。ドリブルの振り幅を大きくしたりリズムをずらしたりするうちに、自然と今までと違うリズムになった気がします。メンタルの面でも、自信が付いてプレーに余裕が生まれました」と格段にレベルアップ。ますます止め難い選手へと成長しており、今大会も要所でエースとしてチームを引っ張った。今年の東山は、昨年度の四日市メリノール学院中でキャプテンを務めた1年生の中村颯斗も試合に絡み、瀬川、佐藤凪とともに3ガードを形成する時間帯も長い。大澤徹也コーチは「3ガードはずっとやりたかった初めての形。今大会はまだまだ個人技に頼っている部分が大きかったのですが、これから連係プレーや個々の連動を作っていって、主導権を握れるチームを作りたいです。自分も楽しみですし、今年は見ていておもしろいバスケットができるのではないかと思います」と、多くの収穫を持ち帰った。




 

昨年の前回大会では3勝した開志国際だが、今年は東山戦で黒星を喫した。ただ、福岡大附大濠に逆転勝利するなど、良い形も見せた。富樫英樹コーチは、夏冬の全国大会で悔しさを味わった昨年の反省を受けて「今年はあまり交歓大会の結果は気にしないようにしています」と、あくまでインターハイやウインターカップでの勝利を見据えている。

 

福岡大附大濠も、春先は片峯聡太コーチや渡邉伶音が代表活動で抜けていた時期も長く、エースの髙田将吾も手術後のリハビリから復帰したばかりだったため、チームはまだまだこれから。「波が大きい」と片峯コーチが言うように、今大会初日は2試合ともに接戦を落とす結果となった。ただ、2日目の福岡第一戦では100点ゲームの会心の勝利を挙げ、片峯コーチも「最初の2敗は、同じ逆転負けですがそれぞれ敗因は違いました。その反省を受けて福岡第一戦でやるべきことができたのは、一つの成長かなと思います」と手応えを得られた様子だ。ケガ人の復帰や有力な1年生の加入で、ポジション争いは激しさを増している。地元開催のインターハイを見据え、ここからどんなチームが形作られていくのか注目だ。



 

その大濠に100点ゲームで敗退と、苦い結果に終わった福岡第一。ただ、その前の東山戦では藤田悠暉らがリバウンドに気を吐き、宮本聡&耀兄弟らを起点にディフェンスから速攻の良い形を出していた。その東山戦に競り負けたことで、ダブルヘッダーの大濠戦は思うように体が動かなかった部分もあるだろう。インターハイ県予選での戦いは、同じような展開にはならないはずだ。キャプテンの八田滉仁は「開志国際戦でリバウンドが全然取れず、それを東山戦では少し修正できたと思います。でも大濠戦は負けから切り替えられずに、たくさんの課題が見えました。自分たちの持ち味である激しいディフェンスからの速攻を、日頃の練習からもう一度見直したいです」と話していた。

 

 

 5月25日発売の月刊バスケットボール7月号では、ミニバス時代から世代のトップレベルを走ってきたライバルコンビの瀬川琉久(東山)×平良宗龍(開志国際)、同じ富山県出身でU16アジア選手権でも活躍した幼馴染コンビ、髙田将吾(福岡大附大濠)×千保銀河(開志国際)のW対談や、入学間もなくにして早くも主軸を務めるルーキーの中村颯斗(東山)、高橋歩路(開志国際)のインタビューなどをお伝えする。お楽しみに!

 

◯取材・文/中村麻衣子(本誌編集部) ◯写真/佐々木啓次

 

 



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