月刊バスケットボール6月号

女子日本代表がパリ・パラリンピック出場権獲得。オーストラリアを撃破

パラリンピック出場を決めた女子日本代表

420日、パリ2024パラリンピック出場権を争う「2024 IWBF女子車いすバスケットボール最終予選が大阪Asueアリーナ大阪(大阪府大阪市)で開催された。女子日本代表はオーストラリアとの決戦を制し、パラリンピックの出場権を獲得した。

日本代表は前日までに行われたグループリーグ(グループB)を12敗の3位で終えており、大会最終日の20日にはグループA2位、オーストラリアとの対戦となった。

パリ・パラリンピックより車いすバスケットボールの参加枠が10から8に削減。それに伴い、各ゾーン選手権大会で出場資格を得た4チーム(オランダ、イギリス、アメリカ、中国)に加え、最終予選大会にて残りの4チームを選ぶことになった。最終予選のシステムは4チームずつのグループリーグを行い、その順位により、もう一方のグループとのクロースオーバー戦(1位‐4位、2位‐3)を戦い、勝利したチームが出場権を得るシステム。そのため、最終日までどのチームにもパラリンピック出場の可能性が残された。

 

[グループリーグ順位]

  • グループA

1位/ドイツ(ヨーロッパ)

2位/オーストラリア(アジア・オセアニア)

3位/タイ(アジア・オセアニア)

4位/アルジェリア(アフリカ)

  • グループB

1位/カナダ(アメリカ)

2位/スペイン(ヨーロッパ)

3位/日本(最終予選開催国)

4位/フランス(パラリンピック開催国)

 

  クロースオーバー戦はカナダ、スペイン、ドイツとグループ戦上位チームが勝利を重ねる中、日本は最終試合に登場。前日、スペインとの一戦では、前半を4点差で付いていく展開ながら、終盤に突き放されての敗戦だったが、「下を向くことなく、オーストラリアにしっかりと勝ちたい」とキャプテンの北田千尋(4.5)が話していたが、その言葉どおり、日本は序盤から試合を優位に展開した。その北田のファストブレイクで先制すると、快調に得点を重ね1Q13-4とリードを奪う。日本は磨いてきたチームディフェンスが機能し、そこから北田、網本麻里(4.5)、柳本あまね(2.5)らが点を重ねていき、2Q以降もオーストラリアにペースを譲らなかった。50-26と会心のゲームで勝利を挙げ、パリ行きのチケットを獲得した。


18と得点でチームを引っ張った北田

18と得点でチームを引っ張った北田

「男子が東京パラで銀メダルをとってくれて、車いすバスケットボールの知名度はめちゃくちゃ上がりました。ファンもたくさん増えました。そのファンの方を次の世代につないでいく、最低限の仕事ができたと思い、ほっとしています」と北田は、会場のファンに向けて感謝の言葉を投げかけた。男子がパリ大会への出場権を得られなかったことで、女子が何とかつながなければとの思いが強さをうかがわせた。

 

[最終結果]

 〇カナダ 8830 アルジェリア

〇スペイン7835 タイ

〇ドイツ 5825 フランス

オーストラリア 2650 日本〇

 ※勝利チームがパリ・パラリンピック出場権獲得



写真/辻 光信

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