月刊バスケットボール6月号

Wリーグ

2024.04.14

デンソーが逆王手、オフェンス・リバウンドで上回り後半逆転[Wリーグプレーオフ・ファイナル]

Wリーグファイナルは最終戦での決着に!


4月14日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで富士通レッドウェーブ対デンソー アイリスによるWリーグプレーオフ・ファイナル第2戦が行われた。前日の第1戦で勝利した富士通は、16年ぶり2回目のリーグ制覇に王手。初優勝を目指すデンソーにとっては負けられない一戦となった。

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Wリーグ史上最多となる7,168人が詰めかけた会場は、ティップオフ前からボルテージが上がる。その雰囲気に応えるに両チームともに気持ちの入ったプレーを繰り広げ、序盤は点を取り合う拮抗した展開に。そうした中、先に抜け出したのは富士通だった。#52宮澤夕貴が積極的にシュートを狙い、流れを呼び込んだ。宮澤は1Qだけで3Pシュート2本を含む12得点。富士通が24-14と先手を奪った。


積極的にシュートを放った#52宮澤夕貴の活躍もあって富士通は1Qで12点リードを作った

しかし後がないデンソーは2Qに入ると、#0馬瓜エブリンらの得点で徐々に点差を詰めていく。富士通は要所で#7林咲希、#52宮澤が3Pシュートを決めるなど、デンソーの反撃をしのいでいたが、前半終了間際に#88赤穂ひまわりのブザービーターも決まり、33-37とその差は4点まで縮まっていた。

後半早々、デンソーは#23篠原華実の3Pシュートで38-38とついに富士通をとらえると、#0馬瓜の3Pシュート、#8高田真希のリバウンドシュートで43-38と逆にリードを奪う。富士通は#52宮澤が連続得点で対抗するが、デンソーは#0馬瓜、#88赤穂ひが3Pシュートで返しリードをキープ。54-49とデンソーが5点リードで最終クォーターに。


後半早々、デンソーは#23篠原華実の3Pシュートで同点に

勢いの出てきたデンソーは最終クォーターも積極的なシュートで点差を広げていく。6分15秒に#6本川紗奈生がバスケットカウントを奪い、フリースローも決まると61-49と12点差。その後、富士通は#7林、#52宮澤が3Pシュートを決めるなど、反撃を試みるが単発に終わる。最後までひるむことなく攻め続けたデンソーが73-62と逃げ切りを果たし、ファイナルを1勝1敗のタイに押し戻した。

「オフェンスリバウンドを取られてしまいました。昨日よりリングに積極的にアタックしてきて、そうしたアグレッシブな部分にアジャストが遅れてしまった」と富士通の#52宮澤は、自身は27得点を挙げたものの敗戦となったゲーム振り返る。それでも「富士通のバスケットボールをすれば勝てると信じているので、もう一回走る富士通のバスケットがやりたい」と最終戦に気持ちを切り替えた。

デンソーのウラディミール・ヴグサノビッチHCは前日の敗戦のあと、「もっと勇敢に戦わなければ」と試合に臨む姿勢について言及していたが、そうした部分でも「修正できた」ヴグサノビッチHC。それが表れたのが16-9と圧倒したオフェンスリバウンドの数であり、またゴールへの積極的なプレーだった。そこから得たフリースローで16点を挙げたデンソーに対し、富士通は3点と勝敗を分けた。
#8髙田は「後がない状況の中で、チーム全員で戦えました。ディフェンスを立て直しながら、チームで声を掛け合いながら、気持ちを切らさずにできました」と試合を振り返る。「今日の試合は、昨日の敗戦からのカムバックであり、まだ首の皮一枚つながっただけです。明日は、今日の勝利からいかに勝ちに行くか。また違うアプローチで準備をしたい」とヴグサノビッチHC。#0馬瓜も「明日もこの流れのまま勝利をつかみたい」とあと一勝をつかみにいく。

ファイナル第3戦は明日、4月15日(月) 19:00から、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市西町290-11)で行われる。なお、NHK BS(サブチャンネル)によりテレビ放送されるほか、バスケットLIVE (https://basketball.mb.softbank.jp/)でも配信される。



■主なスタッツ
デンソー
#0馬瓜 17得点6リバウンド
#88赤穂ひ 12得点11リバウンド
#8髙田 9得点6リバウンド3スティール
#13木村 6得点10アシスト

富士通
#52宮澤 27得点
#8ジョシュア 13得点12リバウンド
#14林 13得点
#10町田 4得点14アシスト

文/飯田康二(月刊バスケットボール)、写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)

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