月刊バスケットボール6月号

Wリーグ

2024.04.08

シャンソン化粧品が劇的逆転勝利、勝負を第3戦に持ち込む [Wリーグプレーオフ・セミファイナル]

シャンソンは0-19のスタートから逆転勝利


「明日勝てないと敗退してしまう。強い気持ちでディフェンスをやり通して、ブレークを体現すること。アウトサイドのシュートを、自信を持って打っていきたい」。前日、#1小池遥(シャンソン)が第2戦に向けて語った言葉である。4月7日に行われたWプレーオフ・セミファイナル第2戦、富士通 レッドウェーブ(レギュラーシーズン1位)対シャンソン化粧品 シャンソンVマジック(同5位)は思わぬスタートとなった。

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富士通は試合開始から素晴らしいディフェンスを見せ、6分余りで19-0というスタートを切る。残り3分、シャンソンは#3金田愛奈のフリースローで初得点。#4イゾジェ ウチェ、#10トラオレ セトゥが続いて6点をあげたが、いきなり17点のビハインドを背負うことになった。「(入りが)悪すぎた。しょうがないので、一つ一つ返していくしかないよと言っていた。もちろん、あきらめるつもりはなかった」と振り返った鵜澤潤HC。2Qに入るとチェンジング・ディフェンスが富士通を苦しめ始め、#3小池に引っ張られる形で#4イゾジェがこのクォーターだけで13得点をマーク。2Qだけで12点縮めて30-35で後半を迎えた。




#10町田瑠唯がリードし、19-0というスタートを切った富士通に対してシャンソンは2Q5点差まで縮めて後半を迎えた

富士通としては苦しい2Qとなったものの、BT テーブスHCは「それでも、いい流れが掴めると思っていた」と振り返る。3Qに入るとディフェンス強度を再び高め、#8ジョシュア、#25内尾聡菜、#10町田瑠唯がこつこつと2ポイントシュートを決めて一時は14点差まで広げた。しかし、最後にシャンソン#3小池が3本のシュートを立て続けに決めて8点差に。その流れは4Qに入っても続き、じりじりと点差を縮めると残り5分40秒、#3小池からパスを受けた#6白崎みなみがトップから迷わず3Pシュート。これが決まって59-59と追いつく。この勝負どころで、富士通はすぐに#52宮澤夕貴がスリーを入れ返すと、#8ジョシュアが難しいシュートを決めて5点差とししたが、シャンソンはすぐに追いつき、66-66で残り2分を切った。




#6白崎みなみのペイントアタックもシャンソンの強みとなった

残り1分半、シャンソンの#3小池は#イゾジェのピックを利用してトップから躊躇なく3Pシュート。これが見事決まる。さらに#イゾジェがフリースローを決めて4点差に。それでも、このあと富士通#25内尾が3Pシュートを決めたこともあって2点差で最終盤を迎えた。残り11.5秒のタイムアウト明け、「2点が欲しい局面。宮澤がポスティングしてというずっと練習しているプレーだった。ファウルされて続けてやろうとしてうまくいかなかった」とテーブスHC。それでも、リバウンド争いの中で#8ジョシュアがファウルをもらい、残り1.1秒でフリースローを得る。2本決めれば同点に。しかし、2本目が外れて万事休す。シャンソンが71-70で勝利した。



勝負の第3戦に向け、富士通#7林咲希は「勝つだけ。40分の中で色々な流れがあると思うけど、スタートだけでなくてベンチメンバーも含めて勝ちたいという思いを出していく。ミーティングでも全員で共通理解して絶対勝ちたい」とコメント。対するシャンソン#3小池は「気持ちの勝負になると思う。富士通も負けて火が付くはず。引かないでアグレッシブにプレーしていく」と強気にいくとした。どちらが勝利するのか。本日4月8日に行われる第3戦は、19:00開始予定である。



[Wリーグプレーオフ・セミファイナル]
シャンソン化粧品(1勝1敗) 71(6-23/24-12/19-22/22-13) 70 富士通(1勝1敗)
[トップパフォーマー]
■シャンソン化粧品
#4イゾジェ ウチェ 24得点10リバウンド
#1小池遥 13得点6アシスト
#45佐藤由璃果 11得点
#3金田愛奈 10得点
#12知名祐里 6アシスト

■富士通
#8ジョシュア ンフォンノボン テミトペ 18得点10リバウンド3スティール3ブロック
#7林咲希 14得点
#25内尾聡菜 14得点8リバウンド3スティール
#52宮澤夕貴 13得点7リバウンド
#10町田瑠唯 11得点12アシスト

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)、写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)

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