月刊バスケットボール7月号

Wリーグ

2024.04.07

デンソー6年ぶり3度目のファイナル進出、気迫を見せたENEOSを退ける[Wリーグプレーオフ・セミファイナル]

デンソーが連勝でファイナル進出


4月7日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナでWリーグプレーオフ・セミファイナル第2戦が行われ、デンソーアイリス(シーズン2位)はENEOSサンフラワーズ(同3位)と対戦。負ければシーズンが終わるENEOSは気迫のプレーを見せたものの、デンソーが82-66で勝利し、6年ぶり3度目のファイナル進出を決めた。

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第1戦、前半で作られたリードを返すことができずに敗れたENEOS。記者会見では「後半のようにアグレッシブにやりたい」(#32宮崎早織)、「明日は攻めるしかない」(#10渡嘉敷来夢)と語っていたとおり、ディフェンスで強烈なプレッシャーをかけると、オフェンスではファイブアウトからペイントにアタックしていく。#32宮崎の3Pシュートで先取点、さらに#17三田七南が続く好スタートを切ったが、タレント豊富なデンソーを抑えるのは簡単ではない。#88赤穂ひまわり、#0馬瓜エブリンに得点を許すと8-19と一気に2桁差を付けられてしまう。それでもENEOSは#3長岡萌映子が気迫あふれるディフェンスを見せると2Q開始から連続得点。流れが生まれ、#33中田珠未のブザービーター3Pで38-44として後半を迎えた。




闘争心を前面に出して引っ張った#3長岡萌映子は3Q、負傷退場に

迎えた3Q開始直後、ENEOSにアクシデントが起きる。#3長岡が接触して倒れ込むと立ち上がることができず。担架で搬送されてしまったのだ。このピンチにステップアップしたのが#32宮崎。武器であるスピードを生かしてゴールに飛び込んでいくと次々とレイアップを沈めていき、3Qだけで10得点。8点差で最終クォーターを迎えた。
しかし、「絶対に拮抗した展開になるとみんなに伝えていた」とデンソー#0馬瓜。4Q立ち上がり、ディフェンス強度を上げてENEOSの攻撃を凌ぐと、3Pシュート成功率リーグ1位の#8高田真希がトップから射抜き、#88赤穂もインサイドで着実に得点。68-51と一気にリードを広げた。ENEOSは#32宮崎、#11岡本彩也花の得点で何とか望みをつなごうとしたが点差は縮まらず。82-66でデンソーが勝利した。


セミファイナルでは18.5得点、9.5リバウンドのアベレージをマークした#88赤穂ひまわり



デンソーは、近年では第24回(2022-23)や第22回(2020-21)など、ENEOSに敗れてきた歴史があるが、今季は皇后杯(89-56)に続いて勝利することに。#88赤穂は、「(これまでENEOSに対しては)相手のペースになった時にずるずると行き、追いつかれて最後に負けることが多かったけど、悪い流れでも立て直せるようになった」とチームの成長について語っている。

ENEOSにとって今季は2007-08シーズン以来となる無冠のシーズンに。#32宮崎は「すごく悔しい」と語ったうえで「でも、それ以上に得た物があると思っている」と続けた。「若い子の底上げがすごくあったシーズンだった。星(杏璃、2月代表活動中に左膝前十字靭帯断裂)だったり、藤本(愛瑚、11月に右膝前十字靭帯断裂)がケガをしてしまった。試合慣れしてない選手も大変だったし、その選手たちと合わせるのも大変だった。キャプテンを務める中で、若い選手に声をかけ続ける中で成長を感じられた」と若手の成長によってチームは底上げできたとアピールした。スポーツに“たられば”は禁物だが、星は今季16試合出場で平均12.19得点、藤本は同7試合で10.29得点。もし両者が最後まで出場できていたら、また違った戦いができたことは間違いない。


「若い子の底上げがすごくあったシーズンだったと語った#32宮崎早織

また#10渡嘉敷は「今持っている自分のベストは出したと思っている。でも、点数を取ってないのでこれじゃ勝てない。一番の反省」と敗因を背負った。しかしながら、第1戦での13得点8リバウンド、第2戦での12得点7リバウンドは、1点の重みが増すプレーオフでは悪くない数字と言ってもいい。デンソー#8高田も前日、「どのチームもわかっていてやられる」といかに#10渡嘉敷をディフェンスすることが難しいかを説明している。

「試合後、退場した三田が泣く姿を見てうれしかった。もっと上を目指してくれているんだと伝わった。すごくうれしかった」と声を震わせながら語った#32宮崎は「ケガ人が多くアクシデントもあった中で、全員でタフに戦えた。また大きくなったENEOSとして帰ってきます」と力強く語った。



[Wリーグプレーオフ・セミファイナル]
デンソー(2勝) 82(21-15/23-23/15-13/23-15)66 ENEOS(2敗)
[トップパフォーマー]
■デンソー
#88赤穂ひまわり 24得点3スティール
#0馬瓜エブリン 16得点5アシスト
#8高田真希 13リバウンド5アシスト

■ENEOS
#32宮崎早織 18得点5アシスト
#11岡本彩也花 15得点
#10渡嘉敷来夢 12得点7リバウンド

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)、写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)

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