月刊バスケットボール1月号

Wリーグ

2024.04.06

デンソーが前半猛攻を見せてENEOSに先勝[Wリーグプレーオフ・セミファイナル]

写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)

前半18点差を付けたデンソーが逃げ切り


4月6日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナでWリーグプレーオフ・セミファイナルが行われ、デンソーアイリス(レギュラーシーズン2位)はENEOSサンフラワーズ(レギュラーシーズン3位)と対戦。前半で作ったリードを守って77-58で勝利し、6年ぶり3度目のファイナル進出に王手をかけた。

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クォーターファイナルでトヨタ紡織 サンシャインラビッツを71-58で下してセミファイナルに勝ち上がってきた昨季の女王ENEOSとデンソーの対戦。レギュラーシーズンでは1勝1敗ながら、皇后杯決勝では89-56でデンソーが勝利。ENEOSとしてはそのリベンジを果たしたい舞台になった。



ENEOSは立ち上がり、#10渡嘉敷来夢にボールを入れてインサイドから得点を狙って行くが、デンソーは#8高田真希を中心にうまく対応して仕事をさせない。するとクォーター中盤、デンソーは#8髙田の3Pシュートをきっかけに、#6本川紗奈生、#13木村亜美、#88赤穂ひまわりの得点も続いて14-3のラン。21-11と2桁リードを作って1Qを終えた。ENEOSは2Q、スピードスター#32宮崎早織がドライブからねじ込むと#10渡嘉敷が初のフィールドゴールを成功。ここから流れを引き寄せるかと思われたが、デンソーはここで#12赤穂さくら、#10渡部友里奈とベンチスタートのメンバーが存在感を発揮。流れを渡さず、40-22と18点差を付けて折り返した。ENEOSはターンオーバーが14(デンソーは2)とミスが目立つ前半になった。
流れを変えたい後半、ENEOSは#3長岡萌映子がインサイドで躍動を見せると、#11岡本彩也花が強烈なプレッシャーでミスを引き出す。積極的なシュートも出て得点を重ねるが、ここで得点できれば流れに乗るというところでデンソーがことごとく得点。反撃の芽を摘んでいき、77-58で大事な初戦をものにした。



ENEOSにとって痛かったのは、前半ミスが増えてシュート試投数が減ってしまったこと(ENEOSはFG8/23、デンソー17/38)。「前半プッシュが足りなかった。受け身になってディフェンスでプレッシャーをかけられず、好きなように攻められてしまった」とENEOS#32宮崎は反省。デンソー#8髙田は「今日に向けて特にディフェンスを徹底的に準備してきた。特に前半はアグレッシブなディフェンスからブレークにつなげられた」と前半の差が勝利につながったと説明した。また、出場機会の中でしっかり結果を残したベンチスタート陣について、デンソーのヴラディミール・ヴクサノヴィッチHCは「シーズンを通して練習からハッスルしてくれている。(今日も)エナジーを出して、コートの中でやるべきことを体現してくれた」と称えた。



追い込まれたENEOSは連覇に向けて明日是が非でも勝利しなければならない。13得点8リバウンドというスタッツを残したものの、「自分がもうちょっと乗っていればというのは一番の反省です」と口にした#10渡嘉敷は「後半は本当にいい形でできている部分もあった。明日、明後日と2つしっかりと勝ちたい。選手にも先ほど言ったんですけど、やっぱり気持ちだと思う。まずは明日、しっかり全員で最初から最後まで気持ちを出してやりたいな」と明日に向けて気合いを入れた。




[Wリーグプレーオフ・セミファイナル]
デンソー(1勝) 77(21-11/19-11/16-19/21-17)58 ENEOS(1敗)
[トップパフォーマー]
■デンソー
#8高田真希 15得点
#88赤穂ひまわり 13得点13リバウンド
#10渡部友里奈 10得点

■ENEOS
#10渡嘉敷来夢 13得点8リバウンド
#11岡本彩也花 12得点
#3長岡萌映子 11得点9リバウンド
#32宮崎早織 9得点5リバウンド3スティール



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)、写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)

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