月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2024.03.05

Bリーグ歴代最長身226cmのビッグマン、リュウ チュアンシン(アルティーリ千葉)にインタビュー

©B.LEAGUE

中華人民共和国から来日し、現在アルティーリ千葉のユニフォームを着ている劉 傳興(リュウ チュアンシン)にインタビューを申し込んだ。いわゆる筆談によるやり取りではあるが、24歳の若者は言葉の壁を越えて生い立ちやバスケットボールとの出会いなど、様々なことを語ってくれた。


12歳で186cm、長身生かしてバスケの世界へ

――まずは故郷の中華人民共和国河南省濮陽市について教えてください。どんな街なのでしょうか?

濮陽は『顓頊の首都』とか『舜帝の故郷』(顓頊と舜帝はどちらも、古来中国に伝わる聖人)として知られる歴史と文化の都で、中国古都協会は『中国の帝都』とも名付けています。ギネスブックに載るようなアクロバティックな雑技の伝統でも有名ですし、古代遺跡で龍の埋葬品が見つかったことから『龍の里』とも呼ばれますね。中央平原の油田地帯としても知られている街です。

――バスケットボールは盛んですか?

バスケットボールは1990年代から今までずっと盛り上がっていて、著名なプレーヤーがやって来てプレーしてくれたことも何度もあります。今でも故郷に戻ればバスケットボールを愛する大勢の人たちに会うことができます。

――小さかった頃はどんな少年だったんですか? やっぱり12歳の頃には大きかったんでしょうね!

僕は比較的早く故郷を離れたので、子どもの頃から自立心が強いほうでした。自分で消化しなければならないことが多かったからでしょうね。身長は12歳の頃には186cmくらいあったと思います。

――ご両親やご家族も皆さん大きくてバスケットボールをする方々でしたか?

家族は父が172cmで母が163cm。ほかも皆そのくらいです。バスケはしないんですよ。皆故郷にいます。

NBAレジェンドのヤオ・ミンに影響された

――バスケットボールを始めたのはどんなきっかけだったんですか?

始めたのは子どもだった頃で、背が高かったからですね。家族の勧めで濮陽のスポーツスクールに通うようになって、そこで鍛えてもらいました。最初はあまり好きになれなかったんですけれど、ショットの感覚が身について得点できるようになると変わってきて、少しずつプレーするのが楽しくなっていったんです。いいコーチとの出会いもあって、プロになることができました。

――中国にはバスケットボールの素晴らしい伝統があります。NBAに衝撃を及ぼしたヤオ ミン(姚 明)、1980年代の中国代表で活躍したムー ティエジュー(穆 鉄柱)や15年ほど前にbjリーグでもプレーしたスン ミンミン(孫 明明)など偉大なビッグマンの名は日本でも知られていますが、あなた自身が最も影響を受けたり憧れたプレーヤーは誰でしたか?

僕は中国バスケットボール協会のヤオ会長に最も大きな影響を受けました。やっぱり僕たちがNBAでプレーできることを示した方ですから。影響力は大きい方で、ヤオさんのおかげで人生が変わったという人はほかにもいます。

――人生における恩師と言ったらどんな人が浮かびますか?

僕は高潔な指導者に恵まれたので、そういう人が何人かいます。その一人一人が僕のバスケットボール人生で大きな存在です。例えば、故郷のスポーツスクールで教えてもらったツァイ ジュンさんはその一人で、僕を深圳のスポーツスクールに送り出してくれた方です…(この回答に続き、リュウはひとしきり自身の成長を助けた恩師の名前を挙げ、「僕がプレーするのに必要な、大切な教えをもらいました」と感謝を述べた。義理堅い人柄が伝わる返答だ)。

——ウェブであなたのことを調べてみると、2020年に青島イーグルス時代に1試合25得点15リバウンドを記録したのをはじめ、CBA時代に素晴らしい試合をした記録がいくつも見つかります。16得点、19リバウンドを記録した同年の吉林ノースイーストタイガース戦もあったし、やはり同じ年(シーズンとしては翌2020-21シーズン)の天津パイオニアーズ戦では18得点、15リバウンド、5ブロックショット。ご自分では、これまでのキャリアで最も記憶に残るゲームはどれですか?

ベストゲームは2021年のプレーオフで四川ブルーホエールズと対戦した試合です。当時四川には、イラン代表のセンター、ハメッド・ハダディが所属していたんですよ。レギュラーシーズンではいいところなく負けてしまっていたんですが、最後のチャンスだったプレーオフでなんとか勝つことができて。僕も非常に調子が良くて、数字的にも悪くないプレーぶりでした(この試合もググってみると最終スコア93-91という大激戦での勝利で、リュウ自身は20得点、13リバウンドのダブルダブルに4ブロック、1アシストを記録している)。

取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: アルティーリ千葉 B2リーグ

PICK UP

RELATED