月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2024.02.11

北海道、ドイツ・FRAPORT SKYLINERSが決勝進出を決める[Bリーグ U18インターナショナルカップ2024]

激戦を終え、決勝のカードが決定!


2月11日、「Bリーグ U18インターナショナルカップ2024」(国立代々木競技場第二体育館)大会2日目、準々決勝、準決勝4試合が行われ、北海道 U18とFRAPORT SKYLINERS U18(ドイツ)が決勝に駒を進めた。この大会はBリーグU18チームと海外チームの交流を通して、世界に挑戦する意識を高め、世界に通用する選手の輩出に向けた育成強化の礎を形成するための機会を提供することを目的としたもの。2021-22シーズンから実施されている同大会大会だが、過去2大会は新型コロナウイルスの影響で海外チームの招聘を断念。今回ついに海外のユースチームを招聘しての開催となっている。

準々決勝第1試合は琉球(A3位)と名古屋D(B2位)が対戦。1Q琉球は17-11といいスタートを切ったが、2Qに入ると#9春田結斗、#12宇藤アソブと名古屋D の3Pシュートが当たって逆転。名古屋Dの33-30で折り返すと、後半、名古屋Dのディフェンス強度がアップ。琉球のオフェンスをスローダウンさせて2桁のリードを作る。3Q終盤、琉球は#11平良南海輝が2本の3Pシュートを沈めて6点差として4Qを迎えたが、名古屋Dに対して琉球はなかなかオープンを作れず。#87比嘉圭、#1宜保隼弥、#0須藤春輝と今大会を最後に卒業となる3年生が得点で引っ張ったものの、名古屋Dが83-67で勝利して準決勝に駒を進めた。敗れた琉球のエース、#1宜保は「悔しいですが、相手のスカウティングに対して対応できませんでした。それは今後の自分の課題でもあります」と相手のディフェンスを称えた。


23得点、10リバウンドとダブルダブルの#7今西優斗(名古屋D U18)

準々決勝もう1試合、千葉J対広東宏遠(中国)は最後まで勝敗が分からない激戦になった。予選リーグ戦を戦った昨日、チームとして何を修正すべきか話し合ったという千葉Jは相手の高さをうまくいなすと、#00関谷間、#18クーリバリ セリンムルタラが中心となり、#30小倉貴志、#26藤井暖も得点につなげていく。3Q終了で72-61とした千葉Jだったが、4Q広東宏遠のエネルギーが再びアップ。211cm#11チョウ カエイがリバウンドで存在感ヲ発揮すると身体能力が高い#23ショウ カヒがクイックネスを生かしてズレを作り、#7カ シンホウ、#6リ ゲンが得点。1ポゼッション差に詰め寄ると、残り22.9秒に#23ショウがドライブから決めて千葉Jの88-87に。千葉Jはここでタイムアウトを取ると、バックコートから再開。時間を使おうとした千葉Jに広東宏遠がファウルする。残り9.1秒、#18クーリバリがフリースローを放ったが2本ともミス。しかし、ここで#00関谷がリバウンドを奪って勝負あり。残り3秒、#2崎元颯がファウルを受けてフリースローを得ると2本目を外したが、79-77で試合終了のブザーが鳴った。
12得点4リバウンドという数字以上の貢献度を見せた千葉J・#26藤井は「自分たちで意識してフィジカルに行こうと決めて、それが発揮できました。ビッグマンのポストアップをうまく止め、アウトサイドでタフショットを強いられたのとリバウンド(49本、広東宏遠50)も取り切れました。焦りはなかったけど、最後はドキドキしていました(笑)」と高さ対策がうまくいったと説明している。


千葉J U18が高さがある広東宏遠(中国)を撃破!

準決勝1試合目は、U18チャンピオンシップ、U18 エリート8リーグで共に3連覇を達成している北海道と名古屋Dが対戦。U18チャンピオンシップは3年連続準優勝、エリート8(昨年は6)リーグでも2年連続で準優勝と苦汁を舐めてきた名古屋Dにとって最後のリベンジの機会とあって試合開始からエネルギー全開でプレーしていく。好守から#7今西優斗のドライブからレイアップを決めると、#70中西真那斗がインサイドでねじ込むなどいいスタートを切ったかに見えたが、北海道は簡単にリードを作らせない。キャプテンの#11内藤耀悠を中心に2Pシュートを着実に入れて追いつくと、#4阿部竜大がトリッキーなムーブから得点を重ねてリードを作り、41-33で前半を終えた。それでも、名古屋Dは後半に強い。3Q、#2若野瑛太、#7今西優斗がゴールにアタックしていくと残り6分半から約3分で11-2のランを作り、46-45と逆転する。その後はリードを奪い合う攻防が繰り広げられ、北海道の50-46で4Qを迎える。その開始から北海道は内藤を下げた。これは「内藤のところで、だいぶゴールが止まってしまった」という齋藤拓也HCの判断。この間、#10越後晴貴がディフェンスをうまく指示。4Q開始6分で2失点と抑えてリードをキープする。名古屋Dは#9春田結斗の3Pシュートに続き、#70中西真那斗がインサイドで得点。残り41秒で59-63と4点差まで迫ったが追い上げもここまで。北海道がまたも勝利し、シーズン3冠に王手をかけた。


両チームトップの得点を奪った#5村上琥羽(北海道U18)

もう1試合の準決勝、千葉JとFRAPORT SKYLINERSは試合開始からアップテンポな展開となった。千葉Jは#00関谷が上手さを見せて前半だけで17得点を奪ったものの、29本(千葉J15本)とリバウンドで上回ったFRAPORT SKYLINERSがセカンドチャンスで18得点を奪い、47-35でハーフタイムを迎えた。後半に入るとドイツU16代表の203cm#13イヴァン・ツルンヤツ、前半14得点の200cm#9ライフ・ゼントグラフがドライブからレイアップ、さらに3Pシュートとアンストッパブルになる。2試合目とあって疲れも見える千葉Jは、#00関谷が気迫あるプレーで引っ張ると#18クーリバリ、#30小倉もリングにねじ込んだが3Qは18-29に。53-76で4Qを迎えると阿蘓宗之HCの声に応えて最後までハードにプレーをしてみせたが、FRAPORT SKYLINERSが88-71で勝利。決勝進出を決めた。
1期生としてチームを支えてきた千葉Jの#4越川智匡は「結果は振るわなかったですが、チームとしてやりたいことはよくできたと思っています。特にディフェンス面でしっかりローテーションしてタフなシュートを打たせた印象がとても強いです。リバウンドを取られてしまいましたが、それはそれだけ相手のシュートが落ちたという証拠でもあります。これを明日に繋げていきたいです」と敗れたものの、得たものもあったと振り返っている。


190cmオーバー9人と高さが魅力のFRAPORT SKYLINERS U18が決勝進出

明日の決勝(13:30〜)は、北海道対FRAPORT SKYLINERSに決定。北海道の齋藤HCは「一期生となる高校3年生たちの本当の集大成になる大会です。3年生の意地をしっかりと見せてもらいたいなと思いますし、Bユースとして掲げている世界に通用するということの第一歩だとは思っていますので、結果もしっかりと見据えながら、全力で戦っていきたいと思います」とラストゲームへの思いを語った。


B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2024

・開催日程:2024年2月10日 (土) ~2月12日 (月・祝)
・会場:国立代々木競技場 第二体育館 (東京都渋谷区)
・出場チーム
<グループA>
レバンガ北海道 U18 (B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023 1位)
琉球ゴールデンキングス U18 (B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023 3位) ※
広東宏遠 U18 (中国)
<グループB>
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18 (B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023 2位)
千葉ジェッツ U18 (B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023 3位)
FRAPORT SKYLINERS U18 (ドイツ)
※「B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023」の上位3チームを除く、「B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023」最高成績チーム

・大会形式:2グループ (1グループ3チーム) に分かれて予選リーグを開催。予選リーグの順位をもとに順位決定トーナメントを実施。
・配信/バスケットLIVE、B.LEAGUE公式YouTube
・大会公式サイト/https://www.bleague.jp/u18-Internationalcup/2024/

・試合スケジュール
<2月10日試合結果>
■グループA
広東宏遠U18(1勝) 100-85 琉球 U18(1敗)
北海道 U18(1勝) 87-44 琉球 U18(2敗)
北海道 U18(2勝) 102-92 広東宏遠 U18(1勝1敗)

■グループB
FRAPORT SKYLINERS U18(1勝) 88-81 千葉J U18(1敗)
名古屋D U18(1勝)96-79千葉J U18(2敗)
FRAPORT SKYLINERS U18(2勝) 97-65名古屋D U18(1勝1敗)

<2月11日 (日)結果>
[準々決勝A]名古屋D U18(B2位) 83-67 琉球U18(A3位)
[準々決勝B] 千葉J U18(B3位) 89-87 広東宏遠 U18(A2位)
[準決勝]北海道U18(A1位) 67-59 名古屋D U18(B2位)
[準決勝] FRAPORT SKYLINERS U18(B1位) 88-71 千葉J U18(B3位)

<2月12日 (月・祝)>
No.試合開始時間ラウンド対戦カード
10:00〜[5位決定戦] 琉球U18(A3位)×広東宏遠 U18(A2位)
11:45〜[3位決定戦] 名古屋D U18(B2位)×千葉J U18(B3位) 
13:30〜[決勝] 北海道U18(A1位)×FRAPORT SKYLINERS U18(B1位)

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)、写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)

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