月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2024.02.10

「Bリーグ U18インターナショナルカップ2024」が開幕、北海道が広東宏遠に見事逆転勝ちし予選グループを全勝で突破

北海道は広東宏遠に見事な逆転勝利!


2月10日、「Bリーグ U18インターナショナルカップ2024」(国立代々木競技場第二体育館)が開幕。初日は3チームに分かれての予選リーグ戦を実施された。グループAではレバンガ北海道が、グループBではFRAPORT SKYLINERS(ドイツ)が全勝でリーグ1位に。明日はいよいよトーナメント戦がスタートする。

この大会はBリーグU18チームと海外チームの交流を通して、世界に挑戦する意識を高め、世界に通用する選手の輩出に向けた育成強化の礎を形成するための機会を提供することを目的としたもの。2021-22シーズンから実施されている同大会大会だが、過去2大会は新型コロナウイルスの影響で海外チームの招聘を断念。今回ついに海外のユースチームを招聘しての開催となった。


オープニングゲームとなった広東宏遠対琉球(写真は琉球#0須藤春輝)

Aグループでまず行われたのは中国から参加の広東宏遠と琉球の一戦。序盤は琉球が#0須藤春輝のドライブ、#77佐取龍之介の技ありのゴール下などでサイズのある広東宏遠に対抗したものの、2Q半ばになると「徐々に琉球のプレースタイルにも慣れてきました」とキュク ショウヒンHCが語ったように、広東宏遠が#23ショウ カヒの3Pシュートや#10ギュウ バイリンの高さを生かしたプレー、さらにプレスディフェンスなどで波に乗ると、47-32とリードしてハーフタイムを迎えた。後半、琉球は一度開いてしまった点差を覆すことはできずに100-85で広東宏遠が勝利した。琉球の与那嶺翼HCは「40分間強い気持ちで自分たちのバスケットボールをやり続けようと言ってきましたが、途中、気持ちが後ろを向いてしまう時間がありました」と振り返った。
琉球は続いてU18チャンピオンシップ、U18 エリート8リーグで共に3連覇を達成している北海道と対戦したが、終始ディフェンスに苦しむ結果に。逆に北海道は、武器とする連動性が奏功。14本の3Pシュートを沈めるなどで87-44と快勝した。

そしてグループA1位をかけて北海道と広東宏遠が激突。北海道の齋藤拓也HCが「どれだけペイントタッチを増やすかにフォーカスしてきた。ハードな試合になるのでフレッシュな選手をどんどん出して自分たちの連動性を追求したい」と語っていた試合は大熱戦になった。
北海道はまず2Pシュートを5本決めて10-2という好スタートを切る。しかし、広東宏遠は195cm#23ショウの3Pシュート、198cm#32マ カクザワのインサイドで得点を重ねてすぐに逆転。26-23として1Qを終える。その後、2Q、3Qは北海道が追いかける苦しい展開が続き、最大15点差を付けられてしまう。それでも#11内藤耀悠、#5村上琥羽の3Pシュートなどでつないでいくと、3Q終盤に流れを掴んで72-74として4Qを迎えた。
4Q中盤、中国に疲れが見え始める。シュートの精度が落ち、ターンオーバーも出てしまう。すると#6赤根涼介の連続得点で北海道が85-81と逆転に成功。その後も#6赤根、#4阿部竜大が着実に得点につなげていくと102-92。見事な逆転勝利を果たし、グループA1位を勝ち取った。
30得点、12リバウンド、7アシスト、6スティールと大活躍だったキャプテンの#11内藤は「広東宏遠は想像以上に体が強かった。やるべきことは明確だったけど、ずっとビハインドだったので、苦しかったです。それでも勝ち切れて良かったです。大きい相手とやる時は下を狙うこと、フィジカルにコンタクトしてリバウンドではボックスアウトを徹底して最後を取りきることを基本にし、戦い続けようとみんなに声がけをしていました」と笑顔を見せた。


30得点、12リバウンド、7アシスト、6スティールと大活躍だった#11内藤耀悠(北海道 U18)


高い身体能力とシュート精度を見せつけた広東宏遠の#23ショウ カヒ

一方、グループBは千葉Jがドイツから参加のFRAPORT SKYLINERSとまず対戦。190cmオーバーが9人と大きく、どの選手もオールラウンドさを見せるチームに対して、千葉Jは「積極的にアタックして行かなければダメだと思っていた」と試合後に振り返った#00関谷間、#18クーリバリ セリンムル タラがインサイドにアタック。#30小倉貴志も3Pシュートで得点し、4点差で4Qを迎えた。しかし、勝負どころでステップアップしたのはFRAPORT SKYLINERSだった。差を詰める千葉Jに対して200cm#9ライフ・ゼントグラフ、203cm#13イヴァン・ツルンヤツが、2m超とは思えないクイックネス、アウトサイドシュートの精度を見せて得点を伸ばし、88-81で勝利した。
千葉Jは続く試合で名古屋Dと対戦。#18クーリバリが1試合目以上のアタックを見せて得点していき、ハーフタイムで48-42とリードを作った。しかし、名古屋Dは後半、#18クーリバリを徹底してケア。差を詰めていくと#7今西優斗のレイアップ、#9春田結斗の3Pシュートで3Q中盤に逆転。ここまで粘っていた千葉Jはなんとか6点差で4Qを迎えたが、反撃するエネルギーは残っていなかった。後半、54-31とした名古屋Dが96-79で試合をものにした。


千葉J U18は敗れたものの好ゲームを展開してみせた

そしてFRAPORT SKYLINERS、名古屋Dがグループ1位をかけて対戦することに。試合前、過去にチェコのチームと対戦した経験がある#7今西は「高さで決められてしまっても、チームの特徴である早さを生かしてどんどん攻めていきたい」が語ったように、名古屋Dはボールをプッシュしていく。FRAPORT SKYLINERSはリバウンドで圧倒。セカンドチャンスから得点を重ねていくが、名古屋Dは#14川邉蒼侑、#9春田の3Pシュートが当たり、38-43と5点差で後半を迎えた。しかし、3Q名古屋Dは14-23と一気に点差を付けられてしまう。4Qに入っても名古屋Dは集中力を切らさずプレー。足を動かし、#2若野瑛太が得点。それでも一時的に点差を縮めるのがやっとだった。FRAPORT SKYLINERSが97-65で勝利し、グループB1位となった。


名古屋D U18は高さにひるまず戦い続けたが惜敗

明日は準々決勝、準決勝を予定。仮に名古屋D が琉球に勝利するとU18チャンピオンシップ、U18 エリート8を共に制した北海道と共に準優勝だった名古屋Dが準決勝で対戦することになる。また、広東宏遠(A2位)対千葉J(B3位)の勝者がFRAPORT SKYLINERSと準決勝で対戦する。


B.LEAGUE U18 INTERNATIONAL CUP 2024

・開催日程:2024年2月10日 (土) ~2月12日 (月・祝)
・会場:国立代々木競技場 第二体育館 (東京都渋谷区)
・出場チーム
<グループA>
レバンガ北海道 U18 (B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023 1位)
琉球ゴールデンキングス U18 (B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023 3位) ※
広東宏遠 U18 (中国)
<グループB>
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ U18 (B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023 2位)
千葉ジェッツ U18 (B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023 3位)
FRAPORT SKYLINERS U18 (ドイツ)
※「B.LEAGUE U18 ELITE8 LEAGUE 2023」の上位3チームを除く、「B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2023」最高成績チーム

・大会形式:2グループ (1グループ3チーム) に分かれて予選リーグを開催。予選リーグの順位をもとに順位決定トーナメントを実施。
・配信/バスケットLIVE、B.LEAGUE公式YouTube
・大会公式サイト/https://www.bleague.jp/u18-Internationalcup/2024/

・試合スケジュール
<2月10日試合結果>
■グループA
広東宏遠U18(1勝) 100-85 琉球 U18(1敗)
北海道 U18(1勝) 87-44 琉球 U18(2敗)
北海道 U18(2勝) 102-92 広東宏遠 U18(1勝1敗)

■グループB
FRAPORT SKYLINERS U18(1勝) 88-81 千葉J U18(1敗)
名古屋D U18(1勝)96-79千葉J U18(2敗)
FRAPORT SKYLINERS U18(2勝) 97-65名古屋D U18(1勝1敗)

<2月11日 (日)>
10:00〜[準々決勝A]琉球U18(A3位)×名古屋D U18(B2位)
11:45〜[準々決勝B] 広東宏遠 U18(A2位)×千葉J U18(B3位)
13:30〜[準決勝A]北海道U18(A1位)×準々決勝A勝者
15:15〜[準決勝B] FRAPORT SKYLINERS U18(B1位)×準々決勝B勝者

<2月12日 (月・祝)>
No.試合開始時間ラウンド対戦カード
10:00〜[5位決定戦]準々決勝Aの敗者×準々決勝Bの敗者
11:45〜[3位決定戦]準決勝A敗者×準決勝B敗者
13:30〜[決勝]

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)、写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)

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