五輪最終予選まであと3日、女子日本代表が戦う3国はいずれも強力ロスターに
負けられない戦いに挑む女子日本代表
2月8日からハンガリー、中国、ベルギー、ブラジルで開催されるFIBA女子オリンピック世界最終予選2024。AKATSUKI JAPAN女子日本代表(FIBAランク9位)はハンガリー・ショプロンでスペイン(同4位)、カナダ(同5位)、ハンガリー(同19位)と対戦し、上位3チームに入ってパリ五輪出場権獲得を目指す。スペインはユーロバスケット2023で銀メダル、ハンガリーは同大会で4位、そしてカナダはFIBAアメリカップで銅メダル獲得と強敵揃い。FIBAのオフィシャルサイトでは“死のグループ”と紹介している。
【表】スペイン/ハンガリー/カナダ各協会の発表メンバーを見る
2月8日(日本時間24:30開始予定)、初戦で対戦するスペインは、現地1月28日に14名の選手リストを発表した。FIBAもオフィシャルサイトで特筆するなど話題となったのが、アメリカ出身で昨年6月に帰化しているインサイドのミーガン・グスタフソンの選出だ。アイオワ大4年生時には27.8得点、13.4リバウンドを獲得。全米トップ女子選手賞に当たるホンダスポーツ・アワードを受賞したほか、ESPNから全米最優秀選手にも選出されていて、WNBAではダラス、ワシントン、フェニックスでプレー経験がある。
そのほか、ユーロバスケット2023でオールスターファイブに選ばれたベテランSFのアルバ・トーレス(192cm)、同じく長年代表を支えてきたベテランPFのラウラ・ヒル(190cm)といったサイズのあるメンバーがチームの中心になると見られている。日本としては、まず初戦をいい形で勝利して勢いに乗りたい。
ユーロバスケット2023でオールスターファイブに選ばれたアルバ・トーレス(192cm)
翌2月9日(日本時間26:00開始予定)に連戦で迎えるのはハンガリーだ。オリンピック出場は1980年のモスクワ大会のみ。だが、昨年のユーロバスケット2023では過去最高の4位と上位に食い込んでいるうえ、開催国であるためタフな戦いとなるはず。ユーロバスケット2023ではインサイドのシェシャ・ゴリ(188cm)、ヴィラグ・キシュ(194cm)がオフェンスをけん引。共に14.8得点をマークしていて、2Pのシュート成功率は50%超を記録している。またゴリやSGレカ・レリクなどチームとして3Pシュートを武器としており、同大会では35.6%(47/132)の成功率をマークした。フィールドゴールの約4割近くが3Pシュートとなっているだけに、日本としてはアウトサイドでいかにプレッシャーをかけるかもキーポイントになるほか、相手を調子に乗せないためにもチームとして特にディフェンス・リバウンドでいい数字を叩き出したい。
ユーロバスケット2023では4位に。さらに開催国とあってハンガリーも怖い相手だ
そしてOQT最終戦の相手はカナダ。2月11日(日本時間23:00開始予定)に対戦する。こちらはすでに出場する12選手を発表している。チームにとってプラスなのは191cmのPFナタリー・アチャンワが産休から復帰すること。2022年に日本で開催されたFIBAワールドカップ予選ではグループラウンドで日本とも対戦(86-79で勝利)。この試合でアチャンワは11得点18リバウンドとダブルダブルをマークしている。また昨年のアメリカップでオールスター5に選出された193cmのセンター、ケイラ・アレクサンダー、得点力あるSFブリジット・カールトンもいるなど強力なロスターになっている。FIBAワールドカップ2022では56-70で敗れているだけに、ぜひともそのリベンジを果たしたい。
カナダにはワールドカップ2022の借りを返したい
対する女子日本代表の恩塚亨ヘッドコーチはOQTに向けて「走り勝つシュート軍団がコンセプト。走るというのは、ただトランジションで走るだけではなくて、ディフェンスの足も含めて走るということなので、日本の速さとフルコートを使って戦うという一貫性をいかに出せるかという1つの筋と、シュートチャンス、3Pシュートのチャンスをいかに作り出すか。当然、相手もそれを消してくるので、その裏を突くのか、驚かせてチャンスを作るのか、その二軸で準備している」と語っている。1月29日に日本を発った女子日本代表は、ヨーロッパ渡航後も外国チームと練習試合を行ってチームを仕上げると語っていた。最高の状態で大会を迎えてぜひパリへの切符を獲得してほしい。
FIBA女子オリンピック世界最終予選2024」
大会名称:FIBA Women’s Olympic Qualifying Tournament 2024(FIBA女子オリンピック世界最終予選2024)
開催期間:2024年2月8日(木)~11日 (日)
開催地:中国、ベルギー、ブラジル、ハンガリー
大会公式サイト(英語):https://www.fiba.basketball/oqtwomen/hungary/2024
■日本戦スケジュール
開催地:ハンガリー ※中国、ベルギー、ブラジルでも開催
日本試合予定:
2月8日(日本時間24:30開始予定)スペイン(同4位)
2月9日(日本時間26:00開始予定)ハンガリー(同19位)
2月11日(日本時間23:00開始予定)カナダ(同5位)
【組み合わせ】
中国開催:プエルトリコ(12位)、中国(2位)、ニュージーランド(23位)、フランス(7位)
ベルギー開催:セネガル(20位)、アメリカ合衆国(1位)、ベルギー(6位)、ナイジェリア(11位)
ブラジル開催:ブラジル(8位)、ドイツ(25位)、セルビア(10位)、オーストラリア(3位)
ハンガリー開催:スペイン(4位)、ハンガリー(19位)、カナダ(5位)、日本(9位)
※ランキングは2023年8月21日更新のもの
女子日本代表第5次強化合宿メンバー表
※年齢・所属は1月6日現在氏名 | P | 身長/体重 | 生年月日(年齢) | 所属 |
吉田 亜沙美 | PG | 165/63 | 1987/10/9(36) | アイシン |
髙田 真希 | C | 185/74 | 1989/8/23(34) | デンソー |
町田 瑠唯 | PG | 162/57 | 1993/3/8(30) | 富士通 |
本橋 菜子 | PG | 164/55 | 1993/10/10(30) | 東京羽田 |
林 咲希 | SG | 173/65 | 1995/3/16(28) | 富士通 |
馬瓜 エブリン | PF | 180/79 | 1995/6/2(28) | デンソー |
宮崎 早織 | PG | 167/56 | 1995/8/27(28) | ENEOS |
川井 麻衣 | SG | 171/65 | 1996/4/11(27) | トヨタ自動車 |
赤穂 ひまわり | PF | 184/71 | 1998/8/28(25) | デンソー |
馬瓜 ステファニー | PF | 182/78 | 1998/11/25(25) | MOVISTAR ESTUDIANTES |
オコエ 桃仁花 | PF | 182/85 | 1999/2/7(24) | UC Capitals |
山本 麻衣 | PG | 163/56 | 1999/10/23(24) | トヨタ自動車 |
星 杏璃 | SG | 171/65 | 2000/5/9(23) | ENEOS |
東藤 なな子 | SF | 175/65 | 2000/11/29(23) | トヨタ紡織 |
野口 さくら | PF | 182/70 | 2001/2/24(22) | アイシン |
平下 愛佳 | SG | 177/70 | 2002/1/14(21) | トヨタ自動車 |
チームスタッフ
チームリーダー | 小栗 弘 | (公財)日本バスケットボール協会 |
ヘッドコーチ | 恩塚 亨 | (公財)日本バスケットボール協会 |
アシスタントコーチ | 鈴木 良和 | (株)ERUTLUC |
アシスタントコーチ | 今野 駿 | ENEOS |
スポーツパフォーマンスコーチ | 臼井 智洋 | (公財)日本バスケットボール協会 |
ドクター | 小松 孝行 | 順天堂大医学部スポーツ医学研究室 |
アスレティックトレーナー | 荻野 まゆみ | (公財)日本バスケットボール協会 |
アスレティックトレーナー | 宮口 佳子 | S-Lifeはりきゅう院 |
マネージャー | 成田 明香 | 三菱電機 |
マネージャー | 小松 佳緒里 | ENEOS |
文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)