月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2024.01.25

人気上昇のBリーグが昨夏以降の数字を開示、島田チェアマン「ワールドカップだけでなく各クラブの力が大きい」

ジョシュ・ホーキンソン(SR渋谷)や河村勇輝(横浜BC)などワールドカップで活躍した選手たちのクラブに注目が集まっている

シーズン入場者数400万人以上も見込める状況


Bリーグの島田慎二チェアマンは1月23日の理事会後の会見で、昨夏のワールドカップ以降のBリーグへの影響についてまとめたデータを公表した。

紹介されたデータは、どれも前年同時期と比較し、大きな伸びを見せているが、一例を挙げると2023年9月~12月のBリーグ公式サイトの利用について、前年の同時期からユニークユーザー数が1.53倍、ページビュー数で1.79倍に増えている。さらにそこからチケットサイトへの送客数が3.2倍増えており、観戦需要の高まりを示した。

もちろん、入場者数の増加もある。B1リーグでは前半戦を終え(1月21日終了時点/全720試合中372試合/52%消化)、1試合平均4,528人の入場者数で、これは昨シーズンの平均3,469人を大きく超え、過去最多で推移している。さらに、ここまで372試合中、8割弱の291試合が満員試合で、この数字はすでに昨シーズンの満員試合数278を超えている。この勢いをキープできれば、同様に前年から入場者を増やしているB2リーグ(1試合平均2,109人)と合わせて、シーズンで400万人以上の入場者数を見込めると明らかにした。



Bリーグの公式SNSやYouTubeの登録者数が9月に大幅に伸びていることから、ワールドカップの影響は明らかで、各クラブサイトでは、サンロッカーズ渋谷、横浜ビー・コルセアーズ、長崎ヴェルカ、宇都宮ブレックスのアクセス数の伸びが大きく、それぞれジョシュ・ホーキンソン(SR渋谷)、河村勇輝(横浜BC)、馬場雄大(長崎)、比江島慎(宇都宮)とワールドカップで活躍した選手たちのクラブに注目が集まっているという。

一方、入場者数増は、そうした注目をしっかりと試合会場への集客に結び付けている各クラブの運営力も見逃せない要素のようだ。例年、入場者数はシーズン開幕後にやや落ち込みを見せる傾向だが、その落ち込みが小さく、B1リーグを見ると10月(平均4,571人)→11月(平均4,252人)→12月(平均4,509人)→1月(平均4,771人)と、むしろ上昇基調も見られる。こうした状況から「ワールドカップの影響は大きいですが、それだけでなく各クラブの力が大きいですね。B.革新を前に、各クラブがBプレミア入りを目指し努力を続けてきたところに、ワールドカップの追い風が吹いたのです」と島田チェアマンは説明する。「参入条件をクリアしたクラブすべてをBプレミアに迎え入れることにしたことで、少し難しいかもと思っていたクラブも、もう一度頑張ろうと企業努力をしています」と現状を分析。さらにB.革新によってBプレミアでは「2028年 に1試合平均6,000人を目指していますが、それも前倒しできるのでは」とBリーグの将来を見通した。





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文/飯田康二(月刊バスケットボール)

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