比江島が3P7本で27得点!宇都宮が横浜BCに競り勝って4強入り、川崎もセミファイナルへ[天皇杯バスケ]
スイッチが入った比江島が宇都宮を勝利に導く
1月10日、天皇杯2023-24のクォーターファイナル、横浜ビー・コルセアーズ対宇都宮ブレックス(@横浜武道館)、川崎ブレイブサンダース対長崎ヴェルカ(@川崎市とどろきアリーナ)の2試合が開催された。3次ラウンドを勝ち上がった4チームによるクォーターファイナルの勝者が、ステップラダー方式で待ち受ける昨シーズンBリーグ1位の琉球ゴールデンキングス、2位の千葉ジェッツとそれぞれセミファイナルを戦うことになる。
【動画】宇都宮・比江島慎の7本目の3Pシュートを見る
宇都宮の佐々宜央ヘッドコーチが「今日は比江島スイッチが入ってましたね」と話したように、横浜対宇都宮の一戦は比江島慎がゲームを支配した。遠藤祐亮の3Pシュートで先行する宇都宮に対し横浜も応戦する試合序盤だったが、宇都宮は比江島慎のスイッチが入り、次々に3Pシュートを決めて引き離しにかかる。2Qには4ポイントプレーも決めるなど前半だけで20得点と試合の流れを作った。
一方、横浜のエース司令塔・河村勇輝はチームの得点が伸び悩むと、自ら打開すべく積極的にシュートを狙い始める。前半終了間際にはドライブを決め切り34-46として後半を迎えた。前半終了時の流れで河村のバスケットカウントで波に乗ると、横浜は一気に42-46と点差を詰めた。ここで宇都宮はタイムアウトで流れを切ると、再び比江島が3Pシュートなどでオフェンスを引っ張る。最終クォーターの横浜の猛追もD.J.ニュービル、そして比江島が3Pシュートを決めて横浜の望みを断ち、81-65で逃げ切りを果たした。比江島は7本の3Pシュートを含むこの試合最多の27得点を記録、ニュービルも23得点と続いた。一方、横浜は河村が19得点、6アシスト、ジェロード・ユトフが20得点を挙げた。「一発勝負の大切な試合で、宇都宮は比江島選手、ニュービル選手と、エースがしっかりとシュートを決めてきましたが、自分は決め切ることができませんでした」と河村。確かにアウトサイドシュートは不調だったが、厳しいディフェンスに対して、ドライブでファウルをもらい、そこで得たフリースロー13本すべて決めて意地を見せた。
「今日はアップのときからシュートタッチが良かったので」と積極的にシュートを放っていった比江島。「ブレックスはまだ天皇杯での優勝はないので、このチームで天皇杯を勝ちたいという気持ちはあります」とセミファイナル、ファイナルに向けての思いを口にした。
終盤の攻防を制した川崎と共にセミファイナル進出へ
川崎対長崎の一戦は、試合終盤までどちらが勝つか分からない展開となった。試合残り45秒で長崎の馬場雄大が3Pシュートを沈め62-61とリードを奪ったが、川崎は残り2秒でロスコ・アレンがバスケットカウントで再逆転。64-62とセミファイナル進出を果たした。
【動画】川崎・アレンのバスケットカウントを見る
チーム最多の18得点を決めた馬場は「ゲームを通して、練習してきたことがなかなかコートで表現できない時間が続きました。それに比べて川崎さんは、徹底してやるべきことをやるという遂行力のところで差がありました。途中自分たちの個人技などで追い詰めたのですが、そう簡単に勝たせてはくれませんでした」と振り返る。一方、川崎最多の25得点、そして決勝シュートを決めたアレンは「アグレッシブにプレーし続けられたことが今日の勝因となりました」と話す。「最後はパスしている時間もないと感じていたので、そのまま自分で持っていって、何人かを抜き、そのままバスケットボールカウントを取るプレーができて良かったです」と勝利を決定づけるラストシュートを振り返った。
セミファイナルは2月14日に、琉球対川崎が沖縄アリーナ、千葉対宇都宮が船橋アリーナにおいて激突。ファイナルは3月16日にさいたまスーパーアリーナで開催される。
文/飯田康二(月刊バスケットボール)