月刊バスケットボール6月号

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2024.01.10

EASL5連勝の千葉ジェッツ、グループA全勝首位通過をかけて1/10(水)に安養正官庄レッドブースターズと対戦



東アジアスーパーリーグのグループラウンドが大詰めに差し掛かり、グループAでは110日(水)に千葉ジェッツがレギュラーシーズン最終戦を迎える。千葉Jはここまでの5試合すべてに勝利し、すでにグループA突破が確定済み。現在グループAにおける最大の焦点は、どのチームが2位以上に食い込んで決勝トーナメントに進出するかだが、千葉Jがこの試合で対戦する安養正官庄レッドブースターズ(韓国)は、その一番手の候補だ。

安養は現在21敗でグループA2位。グループAでは他の2チーム(TNTトロパンギガ[フィリピン]、台北富邦ブレーブス[チャイニーズ・タイペイ])はどちらも残り1試合で1勝4敗となっているため、安養は残り4試合で1勝して3勝以上となった時点で2位を確定できる。実はそれだけではなく、安養には千葉Jを逆転して首位通過する可能性さえ、わずかながら残されている状況だ。したがって、一見しただけでは首位独走中の千葉Jにとって単なる消化試合に見えてしまいそうな両チームの対戦は、実はどちらも勝利とともに大きな意味を持つ手土産を持ち帰る一戦だと言える。





安養がこれまでに喫した唯一の黒星は千葉Jに対するもので、スコアは69-10233点差だった。安養としてはまず、勝ってグループAの2位以上を確定させることが一つの目標であり、さらには34点差以上の差をつけて勝つことにより、千葉Jとの直接対決における得失点差のタイブレーカーを手にすることが次なる目標となる。安養にとってはこの二つを達成した時点からが、グループA首位通過に向けたあらたな挑戦の始まりだ。さらに以降に残された2試合にも連勝して、5勝1敗の成績で千葉Jと並びタイブレーカーで上回るところまでいけるとしたら、その執念は決勝トーナメントにも間違いなく生きてくるだろう。

ただしその道のりは果てしなく厳しい。安養は韓国のプロリーグKBLにおいて1120敗で10チーム中の7位と苦戦しているのが現状なのだ。シーズン序盤に得点源の一人だったオマリ・スペルマンがチームを離れたことも大きな影響があったが、昨年末にはさらに、主力の一人でフィリピン代表にも選出されているレンツ・アバンドが離脱してしまった。

アバンドは前回安養が千葉Jと対戦した際に、フィールドゴール成功率50%でチームハイの17得点を挙げた身長188cmのガードだ。豪快なスラムダンクを軽々ぶち込む非常に運動能力の高いプレーヤーだが、1228日の試合中にリバウンドを争った際にアクシデントに見舞われ、脊椎と手首骨折という重度のケガを負ったと報じられている。最低でも1ヵ月間は離脱との見通しも示されており、12月に入ってあらたに206cmのビッグマン、ロバート・カーター(かつて島根スサノオマジック、横浜ビー・コルセアーズ、三遠ネオフェニックスに所属していた)がチームに加わったとはいえ、立て直しの見通しは厳しいようだ。

このような状況を鑑みると、10日の対戦は千葉J優位と見るのが自然ではあるかもしれない。船橋アリーナのスタンドを真っ赤に染める熱烈なブースターの後押しもある。





ただし結果はやってみなければわからない。千葉Jはしっかりと快勝を収めて、ここでグループA首位通過を決めてしまいたいところだろう。このような状況だからこそ、ケガなどをせずに勝ち切れるかどうかも、日本が誇るトップチームとしてのマネジメント能力の高さの見せどころと言えるかもしれない。注目の一戦は船橋アリーナで10日午後7時にティップオフを迎える。



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

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