月刊バスケットボール6月号

中学(U15)

2024.01.09

【Jr.ウインターカップ2023-24】飛躍の準優勝を飾った相模女大中、エース竹内みやに力を与えた姉の言葉「最後はみやらしく笑顔で」



悔しさは残るも「やり切れた」決勝戦


京都精華学園中(京都)と相模女大中(神奈川③)の顔合わせとなったJr.ウインターカップ2023-24女子決勝戦は、序盤からインサイドの攻防で優位に立った京都精華が前半で23点のリード(49-26)。最終的にはこの前半のスコア差を保った京都精華が4度目の決勝戦にして、初のタイトル獲得を成し遂げた。


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初戦(2回戦)のボンズ茨城(茨城)戦から今日の決勝戦まで全ての試合で20点以上の差を付ける圧巻の勝ち上がりだったが、相模女大中の決勝戦後半の戦いぶりにも目を見張るものがあった。相手の高さにも徐々に対応し、得意の3Pシュートも決まりだした後半は35-33のリードを取っている。

特に、チームを常に強気なプレーで引っ張った司令塔の#4 竹内みやはすばらしかった。160cmと決してサイズはないが、抜群のクイックネスにスムーズなワンハンドシュートから繰り出すジャンプシュート、さらには巧みなアシストでチームをリード。田島稔コーチからも「大事なところは、みや中心でやっていい」と絶大な信頼を得ており、今大会の6試合では平均19.8得点、7.0リバウンド、7.8アシスト、2.0スティールという圧巻のスタッツを残している。

決勝戦でも後半だけで10得点、8アシストを挙げ、試合トータルでは18得点、14アシスト、3スティール。3Pこそ決まらなかったものの、2Pは9/18と50%の高確率で沈め京都精華に食らい付く原動力となった。

竹内は「個の力は出せてアシストにも出ているように周りを生かすこともできたと思います」と個人としての出来を評価しつつ、チームとして勝てなかったことについては「悔しい」と率直な気持ちを吐露。それでも、選手入場から試合終了のブザーが鳴る最後の瞬間まで常にチームメイトに声をかけ続け、明るい表情で笑顔を見せていた姿が印象的だった。

竹内がバスケに没頭していった裏には2つ年上の姉・なつの存在がある。竹内が1年生だった頃、姉は3年生として相模女大中のスタメンを務めていた。姉との最後の試合となった2021年のJr.ウインターカップ準々決勝は1点差(vs. J,sphere/45-46)の惜敗。それから2年の時を経て、姉が立てなかった決勝の舞台に立つことができた。

竹内は姉の存在についてこう語る。「もう本当に、自分は姉がいたから成長できたと思っています。一緒にたくさん練習したから成長できましたし、姉とはお父さんから言われることもほぼ一緒。一緒に話したり、良い刺激をもらっていました」

決勝戦は残念ながら姉が応援に駆けつけることはできなかったというが、「最後の大会だからみやらしく笑顔でやり切ってほしい」というメッセージをもらったそうだ。結果は悔しい敗戦となったが、「まだまだだと思うところもありますけど、楽しんでやれたのでやり切れたかなと思います」と、竹内は晴れやかな表情で応えてくれた。

姉からもらったメッセージは、決勝戦での竹内のプレーと笑顔を間違いなく支えていた。







京王 Jr.ウインターカップ2023-24 
大会正式名称:2023年度第4回全国U15バスケットボール選手権大会/U15 JAPAN BASKETBALL CHAMPIONSHIP 
■開催期日:2024年1月4日(木)〜8日(月・祝)
■会場:武蔵野の森総合スポーツプラザ (東京都調布市西町290-11) 
■出場校:男女各52チーム、計104チーム (予定) 
■大会方式:トーナメント戦によるノックアウト方式 
■放送・配信:試合ライブ配信予定、バスケットLIVE:https://stn.mb.softbank.jp/y1j4h



文/堀内涼(月刊バスケットボール)、写真/JBA

タグ: Jr.ウインターカップ2023-24

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